Eclipse 3.3に加えEclipse Europaが同時にリリースされる中、Eclipse DLTK 0.9を含むその他多くのEclipseプロジェクトがリリースされた。動的言語のツールキットであるDLTKは、Eclipse内で動的言語のサポートを追加するために設計されたプラグインである。
Ruby人気により多くのJava IDEがRubyのサポートをしている中で、特に興味深いのはRubyのサポートである。Daniel Spiewak氏は次のように述べている。
[M]aybe the best area I could envision improvement would be the DLTK Ruby project. DLTK Ruby is a phenomenally polished and stable Ruby IDE, but it lacks the feature richness of RDT (a subproject of Aptana).
〔お〕そらく、私が想像している中で一番改善されると思われるのが、DLTK Rubyプロジェクトだろう。DLTK Rubyは、非常に洗練されていて安定したRuby IDEである。しかし、RDT(Aptanaのサブプロジェクト)のリッチな機能が欠けている。
Daniel氏は、DLTKと比較した際のRDTの長所と短所についても、きちんとした要約を述べている。
RDTは、とてもすばらしく、(開発作業の)時間節約にもつながる、満足する機能を非常に多く備えたRubyのIDEです。Chris(※1)がすべてのバグを取り除いた時点で、RDTでは、Ruby IDEの開発環境に反映するでしょう。(そういった点からすると)DLTKは、開発についてはより慎重なアプローチをとっているように思います(おそらく、目前に迫ったEuropa 安定板のリリースで機能強化されます)。DLTKのエディタは洗練されており、安定していて、かつ生産性がとても高いです("end"ステートメントを自動挿入してくれることがどれだけ便利であるか想像できるでしょうか)。私が思うに、RDTはそれ自身が輝きを放って、しっかりとしたものを何のためらいも無く見つけるのに対し、DLTKは、その後でRDTに追いついています。問題は、この業界のRuby IDEにおけるデファクトとなるのかどうかということです。
(※1)IDEの開発者
Railsのサポート
DLTKは、サーバー起動、ジェネレーター、.rhtmlなどのような、いわゆるRuby on Railsのフレームワーク特有のツールを含んでいない。いくつかは、'不足している機能'として扱われているが、DLTKのプロジェクトリーダーであるAndrey Platov氏は、それについて次のように考えている。
おそらく、私は多くのRuby開発者を混乱させてしまったと思います。しかし、私たちは、DLTKプロジェクトでRuby on Railsフレームワークをサポートする予定はありません。私の強い思いとして、そういったサポートはEclipse WebtoolsやDLTK Rubyのトッププロジェクトとして、別のプロジェクトの題材として扱うべきだというのがあります(Javaの[Enterprise Edition]の標準ツールのサブプロジェクトのように)。
拡張性
動的言語のツールキットは、拡張性を考慮して設計されている。Andrey Platov氏は、DLTKプロジェクトでは、すべての動的言語のプラグインで利用可能な言語に依存しないレイヤーを作ろうとしていることを示唆している。
RubyとTclのサポートに加えて、JavascriptやPythonについても既に試行段階にある。開発においては、PerlやLuaをサポートするためのプロジェクトが存在している。CodeGearも、動的言語ツールキットを拡張したRuby IDEに取り組んでおり、DLTKのコミッタがチームの中に２人いる。
今後の予定
Eclipse DLTK 1.0は、Ganymedeの同時リリースにターゲットを絞り、一般的なxUnitフレームワーク、現実には、少なくともTCL、Ruby、Python用の単体テストのサポートをするだけでなく、リファクタリング、コード解析、Quick Fixesのようなソースコードの編集機能にも注力する予定である。Andrey氏は、次のリリースでは、さらにGroovyやJRubyのサポートも考えているとのことである。