昨年のJavaOne2006でFloydに会い、InfoQ.comというすばらしいアイディアを知りました。
我々は何としてもこのアイディアを日本のエンジニアに紹介、拡大していきたいと思いました。というのも、現在日本で海外のホットなIT情報を得るためには、インターネットを通じて海外のコンテンツに直接アクセスするか、日本のメディアが流す海外情報(その殆どが解説記事です)を見るしか方法がありません。しかも、海外のコンテンツに直接アクセスしている(言語の問題を越えて)技術者は非常に少数で、多くの技術者は言語の壁を越えることができません。この技術者たちは必然的に、日本のメディアによる、記者によってフィルタリングされた情報を、かなり遅れてしか見ることができないという環境におかれています。
我々がInfoQ Japanの運用に踏み切ったのは、InfoQ.com のすばらしい執筆者達の生の声を、言語の壁を越えてタイムリーに日本の技術者に提供できることに、とても大きな価値・可能性を感じたからに他なりません。日本のメディアによって情報が歪曲されることはありませんが、記者の興味によって情報が篩にかけられいる現状は否定できません。我々は、技術者が記者のフィルターを通すことなく情報に直接触れ、自ら情報を選択することを任されるべきだと考えています。
現在日本では中堅技術者の慢性的不足が問題化しています。テクニカル・アーキテクト、中堅開発者、プロジェクト・マネージャといった人たちの不足は深刻です。このような問題解決のためにもInfoQ.comのコンテンツは非情に重要な意味を持つと思います。それは単にInfoQ.com のコンテンツを日本の技術者に提供する価値だけでなく、それによって起こる技術の変革を日本の技術者もリアルタイムに体感する、あるいは自らイノベーションを起こすことができる可能性を提供できるということです。
Ruby がRails というフレームワークと出会い、大きなイノベーションが起ころうとしているように、日本には世界にまだ知られていないITのムーブメント、可能性がまだまだ秘められています。例えば オープンソースのDI コンテナ「Seaser」、要求開発アライアンスが牽引している「Openthlogy」などはその候補です。我々は近い将来、このような日本発の情報についても紹介していきたいと思っています。日本の動きもなかなか面白いですよ。例えば平鍋健児さんが紹介した「見える化」の取り組みは既に紹介されました。
(http://www.infoq.com/articles/agile-kanban-boards)
技術の融合によって大きなイノベーションが起こると同時に、InfoQ コミュニティが世界的に発展し、さらに大きなイノベーションが起こることを期待し、そのイノベーションに我々が貢献できることに大きな喜びを感じています。
本サイトは常に進化し続けます。今後のInfoQ Japanにご期待ください。
2007年10月1日
InfoQ Japan 編集部
株式会社コンポーネントスクエア 長尾 達也