Ericsson、IBM、OracleおよびSun Microsystemsを含む多くのベンダーによって、1999年に設立されたOSGi Alliance(サイト・英語)はOSGi仕様を管理し、開発する。その仕様は、Java環境向けにコンポーネントのパッケージ化、ライフサイクル管理およびサービスの 登録を定義するコンポーネントモデルである。アプリケーションまたはコンポーネント(デプロイメントのバンドルの形式で提供)は再起動を必要とせずにイン ストール、起動、停止、更新およびアンインストールを遠隔で実行できる。管理ポリシーの遠隔ダウンロードを許可するAPIにより、ライフサイクル管理は実 行される。当初よりモバイル空間および組み込み空間に注目していたので、OSGiは大型デスクトップアプリケーション、最も顕著なものとしては Eclipse IDEにおいて使用されている。そして近頃結成されたOSGi Enterprise Expert Groupが、OSGi仕様を拡張してEnterprise Javaベンダーやデベロッパのニーズをサポートする計画を立てている。
ベンダーがアプリケーションサーバ製品をよりモジュールで柔軟にする方法を模索している中で、OSGiはJava EE空間ですでに導入されている。たとえばIBMのWebSphere 6.1は、OSGiの一連のバンドルとして完全に再パッケージされている。個々のOSGiバンドルが独自のクラスローダーによって別々にロードされるので、WebSphereアプリケーションランタイムクラスは複数のクラスローダーのネットワークによってロードされる。これらは、拡張クラスローダー(およびOSGiゲートウェイクラスローダーを通じてクラス階層の残り)に接続されている。
Open Source Java EEアプリケーションサーバであるJOnASは、 WebSphereの バージョン5のリリースをひかえて同様のOSGiベースのリファクタリングを した。JOnAS自体は、OSGiの一連のバンドルとして実装されており、テクニカルサービス(EJB、Mailなど)はOSGiサービスとして実装され ている。新たなサーバアーキテクチャーは新規サービスの追加を可能にし、JOnAS提供のサービスが代替サービスの実装に取って代わることができる。ラン タイムにサービスの開始、停止、再構成が可能である。
BEAおよびJBossの両方とも同様のパスをたどっている。2006年にさかのぼるが、BEAはmicroService Architecture (mSA)(source)中心としたミドルウェア製品の改良計画を.発表した。その計画には、OSGi標準を使用したWebLogic Serverのさまざまな製品やBEAのその他のポータルおよびミドルウェア製品の再ビルドが含まれる。BEAの2つの主力製品であるWebLogic Event ServerおよびWebLogic Real Time ServerはすでにmSAを使用しているが、間近に迫ったWebLogic 10.3のリリースでもアーキテクチャーを使用する予定である。JBossの研究開発は、Ales Justin氏がMark Newton氏とのインタビュー(source)で言及している、当初はJBossランタイム(サービス)向けのOSGiベースのクラスローダーに取り掛かっている。ま た、JBossは既存のMicrocontainerを設計し直しOSGiを統合したり、OSGi Enterprise Expert Groupのメンバーとして3人を従業員として迎えた。
SunがバックアップしているGlassFishサー バの場合のように、OSGiが使用されていない場合においてさえも、多くの0JEEアプリケーションサーバベンダーにとって、モジュール化は確実に主要な テーマとなった。こういった変化は多くの場合、デベロッパには見えないものであるが、ベンダーのJava EE製品についての考え方における明確な変化として現れている。Enterprise Javaのデベロッパおよびアーキテクトは、あまり遠くない将来にOSGからの何らかの影響を期待しがちである。Justin氏が言うようにOSGi Enterprise Groupは、EJB、JSPおよびJSFを含むJavaEE仕様の主要なコンポーネントに対するOSGiのサポートに注目している。