先日のRed Hat Summitにて、Red HatはKVMに基づいた新たなハイパーバイザーを発表した。
組み込みLinuxハイパーバイザー-軽量で、仮想化Red Hat Enterprise LinuxおよびMicrosoftR WindowsR環境をホストする組み込み可能なハイパーバイザーである。このハイパーバイザーは、Linuxのすべての利点を備えた仮想化を提供する。 より安全なセキュリティ、高性能で幅広いハードウェアのサポート。 こうしたすべてが小さなフットプリントにあり、サーバやデスクトップコンピュータに容易に組み込むことができる。Red Hatは、このハイパーバイザーのベータ可用性をwww.ovirt.orgで公開している。ハイパーバイザーはKVMプロジェクト (kvm.qumranet.com)に基づいており、2006年以来Linuxカーネルに統合されている。リアルタイムで仮想マシンのシステム間でのラ イブマイグレーションをサポートし、高可用性機能を実現する。Xen実装が非常に満足のいく成果を挙げたことを受け、KVMテクノロジーは次世代仮想化テ クノロジーとして急速に浮上してきた。
また、IBMがその取り組みに協力したことがプレスリリースに記されていた。
「IBMはRed Hatおよびオープンソースコミュニティと緊密に連携を取り、Linuxカーネルでの革新を推し進めている、とIBMのオープンシステム開発の副社長であ るDaniel Frye氏は言う。IBMは、仮想化に向けた異種のアプローチを取っており、KVMはその選択肢の1つである。KVMは、IBMエンジニアによって提供さ れた疑似仮想化インターフェイスを含むLinuxカーネルの中核機能を利用している。 Linux仮想化インフラストラクチャーを CIMやlibvirtのようなオープンマネージメントインターフェイスと組み合わせることで、ロックインを除去し、仮想化をエンタープライズ規模で導入 する際の障壁をなくすといったソリューションを見出すことができる」。
Red Hatが以前Xenハイパーバイザーをサポートしていたことを考慮すると、この発表は格別に興味深い。近年、Red Hatがプロジェクトにおいて影響力を失ってきた経緯がVirtualization.info(source)に掲載されている。
...劇的な出来事が続けざまに起こった。まずMicrosoftは、XenSource、NovellおよびVirtual Ironなどの主なXen貢献者と次々に提携を結んだ。 それから2007年8月、CitrixはXenSourceを買収した。そういうわけで、Red Hatは早々からオープンソースプロジェクトに関わってきたにもかかわらず、1年もたたないうちにXen開発における影響力をほとんど失った。
また、North American Salesの前副社長、Billy Marshall氏は従来のOSベンダーがベアメタルハイパーバイザーを阻止する試みとして、機能(source)として仮想化を要求する動きが今後も続くことを述べている。