O'Reilly Open Source Convention(OSCON)にて、Brian Aker氏(MySQLのアーキテクチャ・ディレクタ)はDrizzleを発表した。Drizzleは「仮説」プロジェクトであり、アプリケーションの特定サブセットに向けて明確に最適化されたデータベースの作成を目的としている。
Brian氏はDrizzleの最も優れた点について、次のような概要をブログ(リンク)で述べている。
当面の目標は、ある程度の種類のアプリケーションや開発者を対象とし、それが実用的か確認することです。例として次のようなものがあります。
方針における大きな違いは何でしょう?
- ウェブベースのアプリケーション
- クラウド・コンポーネント
- ビジネスロジック不要のデータベース(別名、ストアドプロシージャ)
- マルチコア・アーキテクチャ
それは、外部ライブラリの採用、オープンソース・システムを利用したフィードバック、オープンなコミュニケーション・スタイルの維持、そして、内部、外部開発間における境界線の排除です。基本的に、私が「Organic Open Source」と呼んできたことを行います。私たちは、C99、POSIX、およびAutotoolsに基づいたシステムに注目してきました。そして、コードが中核から排除され、インタフェースを介して周辺部へと押し出されるような、非常に小規模なカーネル設計に専念してきました。私たちは、LinuxとApacheが密に結合された設計をモジュールに取り入れています。
正式には、Drizzleには以下の機能がある。
- MySQL 6.0ソース・ツリーへの準拠
- 付属ライブラリの廃止
- POSIXへの準拠
- マイクロカーネル設計
- ビュー、ストアドプロシージャ、UDF、ストレージ・エンジン用にプラグ可能なアーキテクチャ
- 複数ノード間でのシャーディング
- インテリジェントなプロキシ
- マルチCPUとマルチコア
- 最適化されたフィールド・タイプ
- 効率的なメモリ利用
- 内部ACLの廃止、およびLDAP、PAMの利用
- データベース・データ・フォーマットの廃止
- 整理されたmake手順
- InnoDBストレージ・エンジンのデフォルト適用
- Windowsとの互換性排除
現在、Drizzleはアルファ版(常時、大きな変更が新たに導入されている)であり、安定リリース版、バイナリ・リリース版は存在しない。詳細情報、およびダウンロードと実行方法については、Drizzleのウェブサイトを(リンク)参照されたい。