Release Candidate 3の発表から2、3週間後、Eclipse 3.5 (コードネーム“Galileo”) が一般提供 (GA:General Availability) ステータスになる。人気の高いJava開発環境の新リリースは、いくつかの新機能と、前バージョンの改良を含んでいる。
新機能は次のとおり。
プラットフォームとUI
- サポートする設定にSolaris x86を追加
- Install New Softwareウィザードでは、入力欄Work withの自動補完をサポート
- 初期画面のテーマ "Slate" を追加
- オープンエディタとマルチエディタページ間の移動を合理化
- 安全にヒストリーのクリーンアップ処理をスキップ可能になった
- Mac Cocoa上でエディタを考慮した一般的なプロンプトやダイアログ、現在のワークベンチウィンドウやシートの利用が可能
- プログラムで、印刷時または印刷ダイアログを開いた際に、印刷の向き選択が可能
- OSGi宣言型サービス (DS: Declarative Services) 実装を含む、Eclipseリッチクライアントプラットフォーム
- プロパティビューの固定表示 (ピン)
- スタートアップ時に表示するワークスペースの選択を、設定ページで管理可能
- Aboutダイアログのインストール詳細ページで、プラグイン詳細情報の確認が可能
- 更新サイトへの接続待ち無しに、Install New Softwareウィザードが即座に開くようになった
- ダブルクリックによる行の折り畳み
- 比較エディタの強化
- デバッグビューのサスペンドスレッド間の素早い切り替えが可能
- CocoaとCocoa上で動作するOpenGLをサポート
- FileTransferクラスに、エクスプローラとノーチラスファイルマネージャ間のコピー/ペースト機能を追加
- プロジェクトエクスプローラに対するいくつかの改良
- テキストエディタ、ブロック (列、または直角) 選択をサポート
- 同期ビュー内で、パッチディレクトリの適用が可能
- Eclipse内でWordの変更履歴を表示
Equinox
- EquinoxのDebugOptions APIで、オプション設定の動的変更のサポートを強化
- デバッグトレースメッセージを分かりやすく記述するための、新たなデバッグトレースAPI、org.eclipse.osgi.service.debug.DebugTrace、を追加
- OSGi R4.2 Core 仕様は、コアフレームワークに多数の小さなAPIを追加
- 新たなEquinoxの並行処理API
プラグイン開発環境
- 新たなTarget Platform Stateビュー
- Software Sitesからのソフトウェアで作られたTarget Definitionを生成、共有することが可能
- エクスポートの際にカテゴリーをフィーチャーに割り当てる、新たなCategory Definitionエディタ
- APIベースラインと比較してAPIの変更を、ビューから確認可能
- イントロスペクションモードのメニュー内でプラグイン Spy を実行することによって、メニューの情報をビューで確認可能
- DSの最新仕様をサポートする、改良されたOSGi宣言型サービス (DS) ツール
- OSGi実行設定からプロダクト定義の初期化が可能
- 新たなTarget Platform設定ページ
- プラグインのエクスポートで、ソースバンドルの生成をサポート
- 宣言型サービスツールが、最新のOSGi宣言型サービス仕様 (1.1) 更新に対応
- PDEでのJAR署名では、Keypassのサポート拡張が行われた
- ターゲットエディタの改良。Target Definition内で新機能をサポート
- システムライブラリの使用を分析し、コードからアクセスされるメンバがランタイム上に存在しない場合、問題を生成する、APIツール
- JUnitプラグインテストをUI無しのスレッドで実行することが可能
- Eclipseアプリケーション実行設定が、スタートレベルと自動開始設定をサポート
- プラグインレジストリビューが、OSGiサービスのブラウズをサポート
- PDE/Buildに新たな拡張が行われ、ユーザがp2レポジトリからアーティファクトへフェッチすることが可能
- APIツールでは、インタフェースが直接の実装されることを意図しない場合、継承を可能にする、2つのインタフェース制約、@noimplementと@noextendをサポート
- プラグインのメジャーバージョンを上げたとしても、API更新によるリンク切れを警告することが可能
- バンドルとフィーチャーのエクスポート機能を改良し、稼働中のワークベンチにエクスポートしたバンドルやフィーチャーをインストールすることが可能
- バイナリ循環が付いたフィーチャーやプラグイン、プロダクトのエクスポートをサポート
- PDEにサービスコンポーネントの定義を容易に記述する宣言型サービスツールを追加
Java開発ツール
- NLS (National Language Support) 文字ふきだしから、Propertiesファイルを開くことが可能
- 呼び出し階層では、コンストラクタで展開するアクションをコンテキストメニューから選択可能
- エディタでタイピングすると、Java比較エディタが更新される
- 新たなtoString()ジェネレータ
- 実装に公開するオーバーライド可能なメソッドに、Open Implementationハイパーリンクを追加
- 実行環境基づくコンパイラ準拠
- デバッグビューは、現在動作中のデバッグ状況を表示するブレッドクラム (階層中の現在地を表示する) 機能を提供
- 実行可能JARファイルエクスポートウィザードは、エクスポートされた実行可能JARファイルもしくはJARと同列のフォルダへ、必要なライブラリをパッケージすることが可能
- 補完機能は、インスタンス生成の際に、適用可能なクラスのコンストラクタ候補の提示が可能
- コンパイラがデッドコードを判断し、警告を出すことが可能
- ビルドパス指定で".."表現をサポート。ライブラリのパスでは、変数もしくはコンテナのエントリーがどこでもプロジェクトと関連付けられるようになった
- Javadocふきだしと、ビューのヘッダで、他のタイプとメンバへの参照がリンクになった
- Eclipseに標準搭載されているJUnit4のバージョンが4.5へアップデート
- Javadocビューとふきだしが{@inheritDoc}タグと、オーバーライドされたメソッドへのリンク追加をサポート
- コンパイラが同値比較を発見し、デフォルトで警告する
6/24に予定されているGAバージョンの前に、さらに2つのRCが予定されていることが、Galileo Simultaneousリリース完了スケジュールで報告された。
各プラットフォーム用のRC 3がダウンロード可能である。さらにInfoQでEclipseリリースニュースの詳細を提供している。