Adobe FlashはiPhone上で実行することができない。しかし、このiPhoneはゲームと携帯RIAのための新興のプラットフォームである。実際、Unity3Dに目を向けると、これはクロスプラットフォームブラウザであり携帯ゲームソフトウェアフレームワークでもあって、つまりFlashと直接競合するのだが、これはiPhone上で実行できるのである。これらの事実がすべてJesse Warden氏による6月25日付ブログ記事の根拠となっている。この記事のタイトルが「Flash Player 11:ゲームプラットフォーム」である。
Flash/Flexに深く関わる熟練のRIAプロフェッショナルとして、Warden氏は記事の中で鋭い観察を見せている。
今でも数々のプロジェクトにおいて複数の技術を使いこなす開発者は多くいます。私がここで特にとりあげているのは、FlexとFlashコミュニティ内のさまざまな開発者たちのうち、表立って軸足を移し、FlashとFlexよりもiPhoneやUnityの開発について多く語るようになっている人たちです。著名なFlash開発者であるKeith Peters氏は、iPhoneアプリケーションのためのObjective-Cによる開発をかなりの量行ってきています。Peters氏は100%改宗したというわけではありませんが、それでもここ6週間はActionScript3のコーディングをしていません。他にもTwitter上で読んだところによれば、自分たちの事をFlash/Flex開発者とする人の多くがiPhoneでの開発を始めており、そのうちの何人かは専門としてやっているというのです。
この記事の残りの部分では、AdobeがFlash11に対してさらなる力を注ぎ、Flashをゲームプラットフォームとして強化する事への期待が述べられている。しかし、多くの開発者が軸足を移しているという氏の観察は、読者の間でかなりの議論を引き起こした。
たとえば、AdobeのJohn Dowdell氏はWarden氏に対する反論を次のように始めている。
メーリングリストに現れるものに多くを読み込みすぎなのではないでしょうか。雑音の割合、全体の音量、新しいトピック対再放送といった要素も全て影響を与えているのです。
「FlexとFlashコミュニティは開発者を失いつつある」というフレーズは実証される必要があります。外部のデバンジェリストにとって、この主張を福音として引用するのはきわめて容易なのですから。
JesterXL氏はWarden氏と同じ体験をしている。
私はかつてのFlash/Flex開発者がiPhoneとUnityに鞍替えするのを見ています。これは、以前は一緒になって競合製品を非難していたのと対照的です。確かに全体として見ればSWFツールの利用は増えています。何がショックかと言えば、数少ない熱烈な信奉者と初心者の両方が鞍替えし始めていることなのです。以前にはこんなことはなかったと思います。これを見ると何か重大なことが起こっているように私には思えるのです。
開発者の Jeffry Houser氏はもう少し穏健な見方を示している。
私から見ると、当時の多くのFlex開発者はアーリー・アダプタでした。技術が成熟し、それに伴って開発者が底上げされるにつれて、こういったアーリー・アダプタの多くが次の大きな流れを探すようになるのは当然です。今日ではiPhoneでの開発が、ここで言う次の大きな流れなのです。
この議論についてどうお考えになるか、ご意見をお寄せ下さい。