QL ServerからSQL Azureへ簡単に移行するために、MicrosoftはCodePlexで移行ツールを提供している。このSQL Azureマイグレーションツールは、SQL Server2005/2008とSQL Azureの不整合を検出し、うまくいけばこの不整合を修正してくれる。例えば、text型のカラムをvarChar(max)型のカラムへ置き換えることや、ユーザ定義型を基底になる型へ変換すること等、移行時の共通の問題点を修正してくれる。ただし、手動で対処しなければならないこともある。例えば、SQL Azureはhierarchyidデータ型をサポートしていないので、移行時には手動で処理しなければならないだろう。さらにSQL Azure用に移行処理を行ったスキーマを配置するスクリプトを生成することで、BCPユーティリティを利用してテーブル内のデータも移行できる。
Windows AzureによってMicrosoftはクラウドコンピューティング市場へ参入する。Windows Azureは複数のコンポーネントで構成されていて、その中にSQL Azureと呼ばれるデータストレージエンジンも含まれている。SQL Azureはリレーショナルデータベースモデルでできていて、制約、トランザクション、一時テーブル、ストアドプロシージャのようなリレーショナルデータベースの特性を完備している。開発者はADO.NET、ODBC、PHPの中からアクセスするための手段を選択できる。
SQL AzureはSQL Server 2008との互換性レベルは100に設定されている。80や90の低い互換性レベルでデータベースが稼働していると問題が起きる可能性がある。マイグレーションツールは互換性レベルの問題を検出してくれるが、マイグレーションツールを使う前に互換性レベルを100まで完全に上げておいたほうがいい。
SQL Azureマイグレーションツールのベータ版はCodePlexで入手できる。ライセンスはMicrosoft Public Licenseだ。