Dave Nicolette氏が、第1回目の正式な認定スクラムデベロッパーコースについて、率直なフィードバックを述べた。このコースは、5/12-14、Ron Jeffries氏とChet Hendrickson氏によってLean Dog boat (オハイオ州クリーブランド) で実施された。 Nicolette氏は、このコースに参加して学んだことと得たものについて述べたが、同氏の考えは思いがけずCSDの重要性に関する議論を再燃させた。
Dave氏によると、CSDはソフトウェアのクラフトマンシップに個人的にコミットメントしたいソフトウェアプロフェッショナルのための第1歩だ。「認定」とついていれば、マネージャはこのようなコースに人々を参加させようとするだろうし、認定されたデベロッパーは、他の人たちよりもプロフェッショナルとして高く評価されるだろう。しかしながら、Dava氏はすぐにこれとは対照的な面も指摘した。
人々が「証明書」を技術の代わりとみなす場合、悪いものになりえます。リクルータや雇用責任者が与えられた資格証明書に頼るようになり、応募者の履歴書で見たことやインタビューで聞いたことの検証を怠るというリスクが常にあるのです。こういう人たちは、資格証明書を持っていない応募者を雇用しないでしょう。
第1回目のコースは、まさに顧客の義務を果たすことに失敗した例であった。1日目を終えたDaveによると、2チームのうち、1チームは5つのストーリーにコミットし、1つのストーリーが完成した。もう1つのチームは3つのストーリーにコミットし、1つも完成しなかった。思った通り、インストラクタたちはよい印象を持たなかった。
インストラクタの帽子をかぶりながら、Chet氏とRon氏は言いました。CSDコースの基になるAgile Developer Skillsコースの過去のプレゼンテーションにおいて、これほど悪い結果を見たことはなかったそうです。この結果は、このクラスの構成を考えれば、インストラクタを本当に驚かせるものでした。そして、私たちも驚いたのです。
この結果は、専門家たちを認定しているのだから、皮肉なものだった。Dave氏は以下のように述べた。
振り子は、3日間のコースで両方向に大きく揺れました。最初、アジャイル技術に注目しすぎて、ストーリーは未完成のまま残りました。3日目には、ストーリーを「完了」の場所に移すことに注目しすぎて、コード品質は無視されました。これがこの11人の結果です。顧客との協力、素早いフィードバック、インクリメンタルな納品、シンプルなデザイン、テスト駆動開発、頻繁なチェックイン、継続的統合、そして、ペアプログラミングなどの重要性をこの11人はすでに理解していました。この参加者たちは、生計を立てるためにこうしたことを行い、他の人たちに教える人たちでした。
Dave氏とGeorge Dinwiddie氏が行ったふりかえりにおいて、以下の重要な点が挙げられた。
- アジャイル開発は難しい。基本的な原則が省かれた場合、専門家でも簡単に脇道にそれてしまう。
- プロダクトオーナーとの不十分な対話。
- デベロッパーワークステーションの技術的なセットアップには問題があった。これは、いつも実践的なクラスやワークショップで見られることだ。
- インストラクタはあまり期待することに関して助言を与えなかった。インストラクタたちは上級の参加者たちのグループを想定していたのかもしれない。
- 参加者たちは、自説に固執しないよう懸命に努力した。みなが少し譲歩して、解決策を決めるのに他の人たちが先頭に立つようにした。
- このクラスのみなの目的は同じではなかった。
ふりかえりで挙げられた点のほとんどは、効率の悪いコミュニケーションに基づくものだった。
Tobias Mayer氏は、CSDの認定を取得するプロセスに強く反応を示した。Mayer氏が疑ったのは、インストラクタがチームのパフォーマンスに対して批判的な意見を持っているならば、どうやってそのチームは認定を得られるのかということだった。
CSDを取得するために、このクラスで3日間座っていることが、CSMで2日間座っていることよりどれだけよいのでしょうか。どちらのコースも、活発に参加すること以外は期待されていないようです。必要なことはそれだけでしょうか? もしそうならば、なぜCSMに参加するのでしょうか?...
あなたたちが姿をみせて参加する以外に、この認定を得るのに必要なことは何でしょうか? 私がその場に行って参加すれば、認定を得られたでしょうか? 私は5年間ほとんど1行もコードを書いていません。私は、まったく機能を果たさないチームメンバになるでしょう。受かる基準は何でしょうか?
Dave氏は、Tobias氏に対して次のように返答した。Tobias氏が述べたことのいくつかの点は事実だ。しかし、コースに参加する目的は異なるのだから、現在参加している受講者たちは、ベンチマークのサンプルと考えられるべきではない。現実には、これはデベロッパーには当てはまらないだろう。
講義を受けることに対して、人はそれぞれの目的を持ちます。大抵の人たちは、自分を「受講者」だとは思いませんでした。また、受講者だと思ってすべての経験に取り組んだのではありませんでした。私たちはそうすべきだったかもしれません。これは、発表されたユーザストーリを完成させるというクラスチームの想定されていた目的を妨げました。
続けてTobias氏は、そのようなコースには起こり得る問題があると述べた。
ここであなたが述べたことは、このようなコースに内在する問題を示しています。様々な課題があり、技術的専門性のレベルが異なる場合です。このコースで本当に教えられた/テストされたことは何でしょうか? 技術的なことでなければ、たぶんマシンはまったく必要ありません。技術的なことであれば、スクラムの範囲外のことになります。両方の場合、3日間のコースがいいものかどうか疑問に思います。
Tobias氏に同意して、André Dhondt氏は、コミュニティとして認定の価値を調べる必要があると提案した。Dhondt氏は、コミュニティにはAgile Skills Projectで認定について評価している人たちがいることに言及した。
このように、第1回CSDコースからはいくつかの貴重な学びが得られたが、CSDの価値とその本質には答えられるべき疑問がまだ沢山残っているようだ。