Rackspace は,自身のクラウドコンピューティングプラットフォームのソースコードを OpenStack イニシアティブの一部として,Apache 2.0 ライセンスの下に公開した。これには NASA が,NASA Nebula Cloud Platform を通じて技術面で貢献している。
Rackspace は,クラウドコンピューティングのオープンソースソリューションを目指す取り組みとして,OpenStack Project の創設を 発表した。このプラットフォームの最初のコンポーネントとなるのが,Rackspace の Cloud Files ソースコードをベースとする Open Storage だ。さらに第2のコンポーネントである Compute も,NASA Nebula の計算エンジンと Rackspace の Cloud Servers テクノロジをベースにしたもので,今年後半に追加が予定されている。Cloud Files は RESTful な API を通じてアクセスするストレージソリューション,Cloud Servers は Xen Virtualization をベースに Linux 仮想イメージを提供する技術である。また NASA Nebula は計算,ネットワーク,データストレージの各サービスを NASA 内の科学者に提供するとともに,大規模な科学データセットを処理する能力も備えたクラウドコンピューティングサービスの名称だ。
OpenStack は,自社内で運用するプライベートなクラウドソリューションの開発や,他のユーザへのプライベートサービスの提供を望む企業に適している。IaaS (Infrastructure As A Service) である OpenStack は,Salesforce.com や Google よりも Amazonに,そしてある部分では Windows Azure に対して競合する存在になるだろう。
Rackspace は7月13~16日,テクニカルアドバイザや開発者,共同設立者を招いて,コードの提供とロードマップ確立のための OpenStack デザインサミットを開催した。RightScale からの参加者が,その 要求収集の手法についてコメント している。
40 人以上の技術関係者が参加して実施された詳細なアーキテクチャ議論にも飽き足らず,Rick Clark 氏 [チーフアーキテクト件プロジェクトリーダ,OpenStack] は,自身が Ubuntu Server プロジェクトのリーダ経験を通じて精通している Ubuntu デザイン会議プロセスの "スケールアップ" バージョンを通じて,実にオープンな意見収集を行いました。開発プロセスはすでに今年後半の最初のリリースに向けた安定化段階にあり,画期的な新機能を追加する余地はあまり残っていませんが,それでも参加する価値はまだ十分にあると思います。たくさんの企業が,このプロジェクトのコードに貢献してくれることを願っています。
Citrix,Dell,NTT データ,RightScale,AMD,Intel など 25 社以上 の企業がアーキテクチャ上のアイデアやコードの提供,さらにはビジネスソリューションとしての利用を通じて,このプロジェクトをサポートしている。