Windows HPC Server 2008 R2 Suite は、Modeling the World と呼ばれる技術計算イニシアティブにおける、 Microsoftの最新のHPCソリューションである。いくつかの新しいフィーチャには:ワークステーションのクラスタ、クラウドへのアクセス、SOAの利用、Excelのサービス、そして、GPUのサポートがある。
HPC Server 2008 R2は、2年前にアナウンスされた、前バージョンの HPC Server 2008に、幾つもの大きな改善がされた。その1つが、ワークステーションにデプロイできるように書いたHPCアプリケーションをイントラネット サーバに拡張でき、更にクラウド上で走るようにできる、ということである。企業には、使われていない、特に夜間には、使われていない何百台、あるいは、何千台のワークステーションがあるだろう。それらをクラス化して、大抵アイドル状態にある時に、アプリケーションを並列処理するように構成できる。ワークステーションの所有者は、HPCアプリケーションが走っているときには、それが持つ特典を享受できることになる。ワークステーション クラスタは、またアプリケーションの開発中に、テストにも使うことができる。
サーバのクラスタを使って、一般的なHPCシナリオが、充分な処理能力を提供していない時に、 HPC Server 2008 R2の顧客は、更にもっと計算資源を活用するために、クラウドを利用することができる。更に、開発者は、以下のものを利用して、分散した疎結合のSOAアプリケーションを作ることができる:
Windows Communication Foundation (WCF)をベースにしたHPC webサービスを開発するためのサービス指向のプログラミング モデル。
ハイパフォーマンスで、堅牢なHPC SOAアプリケーションを作るための クラスタ SOAデバッガ と クラスタ SOA プロファイラ。
複数の技術によるビジネス-クリティカルなSOAアプリケーション のサポート、この技術の中には、恒久的そして再接続可能なセッション、永続的なリクエストとレスポンス、失敗したSOAセッションの自動フェイルオーバー、ファイア&リコレクト プログラミング モデル、そしてブローカー ノードの自動再スタートが含まれる。
新しいサービス-バランスをとったスケジューリング ポリシによって、できるだけ多くのSOAジョブをできるだけ早く開始し、重要なジョブが、少数の非常にリソースを消費するジョブの後回しにならないようにする。
HPC Services for Excel 2010 は、もう一つの新しいフィーチャで、大きなExcelスプレッドシートや複数のユーザ定義関数(UDF)をHPCクラスタ上で処理するのに役立つ。これらのサービスは、サービス指向アーキテクチャに統合することができる。
開発者に、HPC Server 2008 R2 がもたらすものには、以下のものがある:
MPIクラスタ デバッガを含んだMPIベースのアプリケーションの開発をサポート。
クラスタ SOAデバッガとプロファイラを含んだSOAベースのアプリケーション開発のサポート。
.NET Framework 4.0 に含まれている並列LINQとTask Parallel Library (TPL)。
Visual C++ 10に含まれている並列パターン ライブラリと非同期エージェント ライブラリ。
NVIDIAとのパートナーシップによるGPGPUプログラミングのサポート。
Microsoftによると、HPC Server 2008 R2は、スケーラビリティも改善されており、 Heat Mapは、ページを変えたり、スクロールすること無しに、1000ノードの状態を示すことができるが、特別なチューニングにより、1000ノード以上に拡張できる。HPC Server 2008 R2は、また、IntelのRDMA over Ethernet (iWARP) と RDMA over InfiniBand クワッド データレート(40Gbps)ハードウェアをサポートする。Intel Nehalemプロセッサのマイクロ-アーキテクチャにも最適化されている。
HPC Server 2008 R2 Suite のwebサイトに 何が新しいのかについて、より詳しい情報がある。