現代的なソフトウエアのアーキテクチャはウェブの世界の規模の中でのシステムを設計するための要件に強く影響を受けてきた。一枚岩のシンクライアントを作成することに多くの人が注力してきた一方で、モバイルからタブレットやIPTVや組み込みシステムへの接続可能なアクセスポイントが急増したため、アーキテクチャを公開する圧力が強まっている。
Jack van Hoof氏は先週、Joshua Robin氏の講演を参照しながら記事を書いた。Gov 2.0 2010カンファレンスでマサチューセッツ州運輸省のITアーキテクトであるJoshua Robin氏は、氏がいつも"気象サービス"について頭を悩ませていたことを説明した。なぜ天気情報がさまざまなチャンネルで広く利用できるのか。これについて氏は、この原因は公開され利用できるようなった天気情報だ、と結論づけた。この結論をふまえ、氏の組織は2009年の9月にマサチューセッツ湾交通局(MBTA)の旅行計画情報を公開することに決めた。そしてその後の2ヶ月でボストンの人々に旅行計画情報を提供するアプリケーションが6つも現れた。iPhone、ウェブサイト、ウェジェットなどあらゆる種類のアプリケーションが現れた。その後、彼らは開発者会議を開催しバスの走行情報を公開した。すると1時間もしないうちに誰かがこの走行情報を反映したGoogle Earthを作った。そして、2日後、この走行情報を使ったグーグルマップのアプリケーションが現れ、2、3週間もするとさらにいくつかのアプリケーションが現れたが、その中には道路標識の情報やショートメッセージサービス、音声自動応答電話システムの機能を持つアプリケーションもあった。MBTAはこれらのアプリケーションを作るための費用は一切負担していない。氏はデータが公開され一枚岩のアーキテクチャを捨てることで、明るい未来が到来すると考えている。
Jack van Hoof氏も同じ現象に気付いた。
数ヶ月前、私はDutch Railwaysのプロジェクトで旅行情報を供給するモバイルアプリを公開しました。しかし、このアプリと同等の機能を持つ高品質のアプリがパブリックドメインで利用できるようになりました。私たちはこのアプリの作者を知りませんし、お金も払っていません。
氏はとても楽観的な結論を書いている。
世界は変わっています。このすごい動きを目撃し、そして参加しましょう。下の動画をみればユーザインターフェイスに対するあなたの考えは間違いなく変わります。そして、これは始まりに過ぎません。
2010年はソフトウエアアーキテクチャが一枚岩から"合成物"になった転換点の年として記憶されるのか。それとも、公式のマッシュアップが構築されてから5年後の年として記憶されるのか。OAuthのような今はまだ取り組み中の重要な構成要素もあるが、一方で新しいタイプのクライアントがほとんど毎日出現している。この動きはデータフィードの単純化に伴う単なる流行で、多くの同じような流行のようにすぐに消え去だろうという考えにあなたは賛成するだろうか。あなたが自信のデータを公開したときには同じような現象を目撃したか。ユーザインターフェイスを超えて、処理やデータまでもが組み合わせで構築されるようになることで未来は明るくなるだろうか。何か欠けている構成要素はないか。