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Oracle の元を離れる Hudson

原文(投稿日:2010/12/01)へのリンク

オープンソースの継続的ビルドプロジェクトである Hudson は,java.net で起きている Oracle のハードウェア設備に関する問題の一端として,プロジェクト名称の変更とフォーク (ソースコードの分岐) を検討している。

Oracle による Sun の買収以前は,Sun が java.net のすべてのコードを管理していた。しかし インフラ上の問題が多い ことを理由に,Kenai を代替とするサイトの移動が計画されていた。買収の影響で遅れはしたが,いつかは実施される,という期待は変わっていなかった。

ご存知のとおり java.net の信頼性は極めて低く,それが結果として Hudson の開発と利用に *多くの* 問題を起こしています – java.net がダウンすると,イシュー (issue,障害) の保存や修正,Hudson のダウンロード,プラグインの更新などの操作が不可能になってしまうのです。それに加えて java.net のイシューシステム,これがはっきり言って最低です – 本当に,使い物になりません。

その時点でイシュートラッカは http://issues.hudson-ci.org/ に移動したが,ソースコードはそのままになっていた。事態の進行のペースが早くなったのは,java.net のインフラがロックされ,開発やメーリングリストでの議論ができなくなってからだ。メーリングリストが Google に移動すると同時に,GitHub へのコードの移動 が計画された。GitHub が選択されたのは,Git の DVCS としての人気と知名度によるものだ。

物語のあらましは Who's driving this thing? (誰が実行リーダか?) で見ることができる。最近の変化のペースに対して,Oracle は懸念を持っている ようだ。さらに Hudson という名称が Oracle の所有であるという事実も指摘されている。したがってプロジェクトをフォークするには,名称を変更する必要がある。それでも 一連のコメント では,GitHub への移動を強く支持する声が多い。HudsonLabs の手による GitHub への コード移行作業も完了 している。

フォークするべきです。しかし Hudson の開発コミュニティは,自らの商標を持っていません。Hudson という名称は現在,インフラストラクチャの定義として定着していますが,フォークの後は Oracle のカンファレンスと競合するという理由から,Hudson Barcamp (Web 上で組織されるカンファレンス) さえ開催できなくなります。クールなTシャツを作れば,法律関連の手紙を受け取ることになるでしょう。

自分たちよりも大きなコミュニティ組織に口を挟むというのは,横柄極まりない行為です。また,消極的ユーザの数に対して,積極的ユーザと貢献者の比率が減少傾向にある (大雑把に言って 95:4:1) のはどのオープンソースプロジェクトでも共通なのですが,Ted がこの ‘驚くべき’ ニュースについて説明してくれたのには感謝しておきましょう。Oracle は,すでにこの 95 の比率に入るものでないという点において,活動的な Hudson コミュニティと同等なのです。そしておそらく,コミュニティのような多様性は持っていないのでしょう。

結末がどうなるにせよ,Oracle はまたしてもオープンソースコミュニティを誤解している。そして Hudson という名称だけではなく,その開発者たちをも完全に放棄する方向に,ボールを転がし始めてしまったのではないだろうか。

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