先ごろJBoss はアプリケーションサ―バ バージョン6をリリースした。InfoQ はこのリリースについて、JBossアプリケーションサーバチーム主任エンジニアで、この節目となる最終リリースバージョン6を指揮したShelly McGowan氏にインタビューを行った。
InfoQ: このリリースのハイライトは、Java EE 6 Web プロファイル仕様のサポートです。Jbossアプリケーションサーバを使おうとしている人々にとって、このリリースがなぜ重要かもう少し詳しく話して下さいませんか？
Shelly: JBoss AS 6は、最新のメジャーなコミュニティリリースです。いつもJava EE 6 Web プロファイル仕様準拠を目指すのが、AS6 の目標です。そうすることで、Java EE 6 プラットフォーム仕様に沿って作られたアプリケーションの特徴と動作移行を保証します。Web Profile仕様の技術を、我々のコミュニテイで開発されたアプリケーションの種別にとって、もっとも興味深い技術とする事を目指しました。 最近発行された もっとも人気があり利用されたJava EE 標準についてのレポート では、上位5の (JPA, JSP, EJB3, JSF, CDI)がJava EE Web プロファイルの必須コンポーネントであり、これら必須コンポーネントに加え、AS 6 はオプションとして、JAX-RS 1.1仕様の実装である RESTEasy 2.1.0、JMS 1.1仕様の実装であるHornetQ 2.1.2 と JAX-WS 2.2 仕様の実装であるJBoss Web Services CXF スタックを、保証されたコンポーネントとして提供します。JBoss専門家グループメンバーは、Web Profile仕様の一部である2つの優れた主要な仕様に加えて、その仕様を一流にする事を助けました。2つの優れた仕様とは、すなわちGavin King氏によって指揮された JSR-299: Contexts and Dependency Injection for the Java EE Platform と Emmanuel Bernard氏に指揮されたJSR-303: Bean Validation で。 WELD 1.1 と Hibernate Validator 4.1.0 のそれぞれの仕様の参照的な実装もWeb Profile. 6.0.0に含まれます。 最終版は既に17,000以上のダウンロードがありました。 我々のコミュニティユーザーの多くは、これらの特徴をうまく利用するためにアプリケーション移行を開始しています。
InfoQ: このリリースの主な特徴や以前のバージョンへの重要な追加項目を挙げてください。また新しいAPIについて簡潔に教えてください。
Shelly: この節目となる最終リリースの主たる特徴は、JBoss Injectionフレームワークの実装を完了したことです。この部分は Java EE 6 プラットフォーム仕様でのリソース、ネーミングやインジェクションの要求に応えた点が重要です。 Jaikiran Pai氏はその詳細がInjection in AS 6 やSwitchBoard コンポーネント コミュニティのドキュメントに記載されているこの重要なコンポーネントの実装を指揮しました。
CR1リリースから利用可能であり記しておくべき重要な点は、オープンソースデータグリッドプラットフォームであるInfinispan v4.2.0 がJBoss AS 6に統合され、既定の分散キャッシュプロバイダーとなりました。Infinispan はオブジェクトを格納できるJSR-107互換のキャッシュインターフェースを見えるようにします。JBoss AS を指揮するPaul Ferraro氏は AS 6でのInfinispanの概説をまとめ ここで読めるようにしました。JBoss AS 6サーバーがフロントエンドのApacheサーバを動的に発見し登録する Mod_Clusterサポートも独創的です。
IPv6のサポートもまた、この最終段階で追加されました。
InfoQ: 前バージョンとの互換性はどうですか、既にJBoss AS 5を使用している人にとっての最大の変更点は何ですか？
Shelly:JBoss AS 5からAS 6 へのアプリケーションの移行が問題なく配置できることが望まれます。Jboss固有機能の旧バージョンとの互換性は、我々のエンタープライズ提供物では保証されますが、プロジェクトリリースではいつも保証されるとは限りません。AS 6への移行時にユーザが注意するべき変更点は、デプロイ中のより厳密な検証です。我々は、仕様は特定の分野に厳格にし、同様に実装も行うことに気付きました。
InfoQ:バージョン4或いは5で動作している本番システムと比べて、JBossアプリケーションサーバ バージョン6の性能はどうですか？ 他のコンテナーやアプリケーションサーバと比較して性能はどうですか？
Shelly:AS６について 他のバージョンのASで実行されている本番システムとの性能比較や、他のアプリケーションサーバとの有効な性能比較はありません。Red Hatは顧客に本番環境においては JBoss Enteprise アプリケーションプラットフォームの様な、我々のエンタープライズ向けリリースを採用することを推奨しています。性能については、AS5と6では幾分の改善があります。システムブート性能では、JBoss AS 6では平均15秒の改善がはかられています。 ASと一緒に提供される管理コンソールアプリケーションのデプロイを先延ばしすることは、"オンデマンド"を提供し、Time Serviceのレイジ―デプロイと同様に必要な時に利用できる事により部分的な改良がみうけられます。 Microcontainer(v 2.2)の新たなライブラリィスキャンのアノーテ―ション実装を含む強化も、アプリケーションデプロイ時間の顕著な改良を提供します。 Ales Justin 氏は彼の記事に次のように書いています。: “ このライブラリィの背後にある、主要な目的やアイデアはとても簡単です。: 一回のスキャンでJBoss ASの全てのコンポーネントを一元管理します。全てのコンポーネントについてリソーススキャンを行う代わりに、その作業を種々のコンテナーコンポーネントにまかせて、一度だけ実行します。 他の目標は事前にインデックス付けされた情報を利用可能にする事で、それで、実際にはスキャンンする必要が無くなりました。例えば、ビルド中にjarファイルのアノーテ―ションを全て事前にインデックス付けできました。 ”
InfoQ: アプリケーションサーバ バージョン6は、JBossエンタープライズミドルウエア戦略にどの様に位置づけられますか？
Shelly: JBoss AS は、全JBoss Enterprise ミドルウエアスタックの基礎となるJBoss Enterprise Application プラットフォームへ向けてのコミュニテイプロジェクトです。 次の JBoss エンタープライズアプリケーションプラットフォームは多くの目標を達成するでしょう。 :
- エンタープライズJava標準への長期間のコミット継続 – AS 6でJava EE Web の保証を達成するのは第一歩であり、完全なJava EE 6スタックへ拡張していくであろう。
- 大規模な運用環境での能力改善 – 新しいドメインモデルでの、性能やスケ―ラビリティの改善やモジュラリティの改善
- 開発と運用環境の使いやすさの改良
JBoss AS 6ではこれらの目標の一番目が主として取り組まれ、他の2つは次のメジャー版である – JBoss AS 7で焦点をあてられます。 AS 6のリリースを終えた一方で、昨年10月にコミュニティへのα版を含む Jboss AS 7 の開発作業は既にはじまっています。AS 6に準拠した技術は、新たな軽量なAS7のアーキテクチャに統合され、コードネーム“Lancer”と呼ばれる我々の 次のエンタープライズリリースのアプリケーションサーバとなり2011年末には利用可能になるでしょう。
InfoQ:バージョン5へのサポートロードマップとバージョン７の計画はどうなっていますか？
Shelly: AS 7については多くの興味深い開発が進行中です。チームは上に挙げた目標への作業としてフィードバックを求めています。開発した機能への早期のフィードバックを確かにするため、迅速なリリースサイクルを続けるます。
完全なサポートが必要な人達には、大規模でビジネスに不可欠なアプリケーションを実行するための安定版プラットフォーム – JBoss Enterprise Application Platform (EAP) 5 が1年以上利用可能であり、我々は現在、第3版の保守版のために作業を行っています。JBoss EAP 5 は完全に Java EE 5 Platform 仕様をサポートしており、。数週間前に JBoss Enterprise Portal Platform 5.1 がリリースされました。JBoss AS 7 は次のエンタープライズ版であるJBoss EAP 6の基礎となるでしょう。
InfoQ: 他に何か付け加える事はありますか？
Shelly: Web Profileに興味を抱く開発者にはAS 6.0.0.最終リリース版を試してみることを勧めたい。ダウンロードページ: http://www.jboss.org/jbossas/downloads.htmlから容易にアクセスできます。我々の活気あるコミュニティフォーラムで議論が続けられており、まだ参加してないいない人の参加を歓迎します。
Shelly McGowan氏はJBossアプリケーションサーバ開発チームの主任ソフトウエア技術者であり、節目となる最終リリース JBoss AS 6 を指揮した。Java EE 6 Webプロファイルの認証を指揮し、JBoss Enterprise ミドルウエアプラットフォーム提供物に関する他の認証準拠プログラムに従事しており、最近は 仕様 & 標準準拠をの監督をおこなっていた。 更に彼女は、他のオープンソースコミュニティプロジェクトのメンテナンスも行っている。4年前JBossプロジェクトに参加前は、Sun Microsystems社でJava EE開発チームの技術スタッフであった。