Kulbhushan Sharmaはひとりの人物がスクラムマスタとプロダクトオーナを兼ねることについて質問している。
Scrum Guideには、ひとりの人物は"チームメンバ"と"スラムマスタ"を兼ねるか、"チームメンバ"と"プロダクトオーナ"を兼ねることができる、と書いてありますが、"スクラムマスタ"と "プロダクトオーナ"の兼任についてはまったく認められていません。"役割の組み合わせ"を担うと、ふたつの義務をそれぞれ遂行しなければならなくなりますが、なぜ"SM & PO"という組み合わせだけが、受け入れられないと書いてあるのでしょうか。
[...] [この組み合わせ]は、特に各役割の専門家がいないようなチームでは試す価値があるのでしょうか。
"Carlton"は専任のプロダクトオーナを支持する説得力のある意見を書いている。
私は、POはビジネスの成果に責任を持ち、SMはビジネスの実行プロセス正確に実行し、価値の流れの改善に責任を持つのがスクラムだ教えます。これらの責任を果たすのは非常に難しいスキルが必要です。これらのスキルをひとりの人物が持つことはほとんどありませんし、持ちたいと思うこともありません。このふたつが組合わさると一日8時間、ひとりの人物がふたり分の仕事をする必要があります。これはアジャイルの原則に反します。[...]
ビジネス上の優先順位を日々意思決定し、チームに関わり、重要な利害関係者と通じ合う代理人をビジネス側に要求するのは贅沢なことではありません。これは予算内、期限内で価値ある製品を提供するために必要な要素だと考えられています。スクラムにおけるプロダクトオーナのような人物を見つけられなかったら、プロジェクトはビジネスにならないし、そのプロジェクトの優先順位は下げたほうがいいのかもしれないということに気付きました。
Roy Morien氏もこれを支持している。
プロジェクトがユーザの代理人と一緒に働けるほど重要ではないのなら、プロジェクトはその程度にしか重要でないというという意見にはまったく賛成です。プロトタイプを作成している時、かなり作り込んだもの(必要そうな機能を豊富に実装した)を顧客に見せたことがあります。その顧客のために作るシステムだったので、顧客に少し時間を割いて動作確認をしてくれるよう頼みました。彼は即座に断りました。システムが正しいかどうか検査するのは彼の仕事ではないというのです。フィードバックをもらうまでこのプロジェクトに関して私のすることはありませんでした。そのフィードバックは決してもらえませんでした。プロジェクトは静かに消えていき、だれも困りませんでした。私はこの話はユーザの関与とプロジェクトの必要性の関係を表していると思います。
Bachan Anand氏はこのふたつの役割が振るう力の違いについて書いている。
優先順位に責任を持つ人物(プロダクトオーナ)が実務を進める(SM)のは難しいです。たとえ得意であってもチームのメンバは質問/要求をスクラムマスタの立場からの発言を捉えるかもしれませんし、指示/命令をプロダクトオーナの立場からの発言と捉える場合もあります。
Mike Cohn氏は海賊船の船長のアナロジーを使って、一人の人物がふたつの役割を担うことがよくない理由を説明する。
最近のハーバードビジネスレビュー(2010年10月)でHayagreeva Rao教授がMBA課程の学生に与えた、17世紀の海賊船の船長の仕事を設計するという課題の結果について書いています。学生たちはふたつの分野の責務が合わせっている仕事を設計しました。この職務明細書の問題は星としての仕事と守り神としての仕事が混ざっていることです。教授が指摘する通り、このふたつの種類の仕事両方が得意な人物はほとんどいません。星の仕事はリスクを背負って起業家精神を持たなければなりませんが、守り神の仕事は誠実さと一貫した態度が必要です。海賊船の船長は獲物になる船を見つけたり、戦闘の陣頭指揮を取ったりするのは得意ですが、細かな点まで管理する守り神の仕事には退屈してしまうのではないでしょうか。
- 星としての役割—どの船を襲うのか決める戦略的な仕事。戦闘時の船員への命令。他の海賊船の船長との交渉など。
- 守り神としての役割—略奪品の分配の指示。諍いの調停。船員への懲罰。負傷者への手当。
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海賊船という明らかに非協力的で非アジャイルな環境が、スクラムマスタとプロダクトオーナが兼任できるかどうかとどのような関係があるのでしょう。プロダクトオーナは星の役割の大部分を担い、スクラムマスタが守り神のタスクの大部分を担うのは明らかです。海賊船の船長と主計総監が別の人物であるのと同じ理由で、ソフトウエア開発プロジェクトのスクラムマスタとプロダクトオーナは別々の人物がなるべきなのです。