新しいグループやカンファレンス、ワークショップで従来は無視されてきたテスターの役割について積極的に扱っている。アジャイルテームの優れたテスターに必要なスキルやツール、原則などに焦点を当てているのだ。
歴史的には、テスターあるいはQAの役割は事後的なもので、ソフトウエアが作られてからが出番だった。テスターの仕事は独立していて、オフショアの安価な労力で足りるような専任のテストチームに担われていた。アジャイルマニュフェストの署名者であり、ソフトウエアの素晴らしさの擁護者としても有名なBob Martin氏は、テスターをこのように捉えるのは最善ではないと見ていた。
数十年前、開発結果の恐るべき品質に苛立っていたマネージャは開発プロセスの最後に検証ステップを置きました。しかし、このQAの役割は開発側の無作法をさらに助長してしまいました。QAが最後にいるので開発者は品質に注意を払わなくなってしまったのです。
ここ数年、テストとプログラミングの間のギャップは狭くなってきた。複数の役割を担うアジャイルチームが、受け入れテスト駆動開発や継続的統合のような開発プロセスを実践することで優れたテストの実践について重きを置くようになってきたからだ。しかし、"Agile Testing"の著者であるLisa Crispin氏が指摘するように、
アジャイルは確かに主流かもしれませんが、テスターが何をすればいいのか分かっていない場合もあります。さらに、品質について"チーム全体"で取り組む手法やテストとコーディングは別のフェーズの作業ではないという考えが混乱を生んでいます。
このような問題に対処するのを助けてくれるグループやカンファレンス、ワークショップはたくさんある。
アジャイルテストグループはウォーターフォールから反復開発への移行について、その中で出会った問題について議論してきた。
機能テストツールを調査する目的でアジャイルアライアンスが創設したコミュニティであるAAFTTでは、受け入れテストパターンを考えるワークショップを開催している。第1回目はパターンの専門家であるLinda Rising氏の進行でロンドンで開催された。グループも活動を続けている。今年もパターンについてのワークショップを多く開催する予定だ。
2011年3月の12日と13日ではSimple Design and Testingオープンスペースカンファレンスが開催される。参加すれば"ピアツーピアの学習に興味のある実践者"に出会える。
ナッシュビルで3月22日から24日までSoftware Test Professionalsカンファレンスが行われる。これは"一歩進んだ学習や人脈作り、キャリア支援"を目的にしている。
オーランドで3月1日から6日まで開催されるStarEast 2011にはLisa Crispin氏、Dale Emery氏、Andy Kaufman氏、James Bach氏、Janet Gregory氏といった著名なアジャイルの専門家がセッションを行う。
ソルトレイクシティで8月8日から12日まで開催されるAgile 2011はTesting and Quality Assuranceステージを設ける予定だ。
最後に紹介するのは、ベルリンで9月14日から17日まで開催されるAgile Testing Daysカンファレンス。中心と成るテーマは"相互貢献"だ。