Titanium Studio 1.0 は,Aptana Studio をベースに Android と iOS のデバッグ,モバイルアプリとデスクトップアプリの実行-デプロイ-パッケージ処理,Git サポート,統合ターミナルその他の新機能を実装したモバイル,デスクトップ,Web 開発用 IDE だ。
Appcelerator は,HTML 5/JavaScript/CSS3 ファイルをネイティブファイルに変換する SDK である Titanium の開発元だ。同社は今年1月に HTML や JavaScript,CSS,Python,Ruby などを使用する開発者向けの Eclipse ベース IDE である Aptana Studio を開発した Aptana を買収している。Titanium Studio はこの2社のツールを統合したもので,Android,iOS,(近々サポートが追加される) Blackberry 用のモバイルアプリ,Windows/Mac OS/Linux デスクトップアプリに加えて,Web アプリの開発も可能である。
Titanium Studio は Titanium Developer に後継製品として,数多くの 拡張機能 を備えている。
- Titanium Mobile SDK メソッド用のコード補完
- Titanium Mobile と Titanium Desktop アプリケーションの実行,デプロイ,およびパッケージ作成
- HTML,CSS,JavaScript,Ruby,PHP,Python コードアシスト - HTML,CSS,JavaScript,PHP,Python,Ruby のコード編集を補助する。最新の HTML5 仕様をサポートし,主要な Web ブラウザの各要素のサポートレベルに関する情報を提供する。
- デプロイメントウィザード - ワンショット (one-short),同期保持 (keep-synchronized) 型セットアップをともにサポートする。FTP,SFTP,FTPS,Capistrano など複数プロトコルをサポートする。Ruby on Rails アプリケーションを Heroku や Engine Yard などのホスティングサービスへ自動的に公開する機能を持つ。
- Ruby および JavaScript 用の統合デバッガ - ブレークポイントの設定,変数のインスペクト,実行コントロール。Firefox,Internet Explorer のいずれでも JavaScript がデバッグ可能。
- Git 統合 - git ソースコード管理へのプロジェクト登録を容易にする。Github にホストされたリモートリポジトリなどへのマージ,プル,プッシュといった操作により,チームメンバとのコラボレーションを行う。git ベースのデプロイを補助する。オプションとして SVN,CVS,Mercurial,Perforce その他用のプラグインを提供する。
- 組込ターミナル - オペレーティングシステムコマンドや gem,rake などの言語ユーティリティを実行するために,コマンドラインターミナルに簡単にアクセスできる。
- IDE のカスタマイズ - カスタムコマンドのスクリプティングによってコア機能を拡張することにより,思い通りの開発環境をセットアップすることが可能である。数百におよぶコマンドを Studio に同梱。既存の TextMate バンドルを Titanium Studio 内で使用するように変換する。
- TextMate テーマ - エディタの外観を望みのままに変更可能。Titanium Studio では既存の TextMate テーマをインポートして使用することも可能だ。
- コード検証 - JSLint,,HTML Tidy,W3C バリデータをコードに実行することにより,容易にエラーを検出する。
Appcelerator がこれまで提供していた Titanium Developer は,今後もこれまで同様にオープンソースである。コードは GitHub にホストされているが,README ファイルによると,Appcelerator によるメンテナンスはこれ以降行われないようだ。
Titanium Developer は Titanium Studio によって置き換えられます。ソフトウェアは今後も引き続きオープンソースですが,メンテナンスや新たなバージョンのリリースは行われません。
したがって廉価版で $49 / 月,プレミアムサポートに関心があれば $199 / 月,という新ツールの 対価を払う ことを望まないなら,誰かが開発を続ければよい理屈だ。
Appcelerator が先日リリースした Titanium Mobile 1.7.0 は,次のような 機能拡張 を行う無償の Stdio 用アドオンである。
- Fastdev for Android は,シミュレータ実行時にローカルでの変更を即時にアプリケーションに反映して,プロトタイピングとテストを高速化するとともに,プリケーション変更ごとのパッケージング,ビルディング,デプロイという時間を浪費するステップを排除する。
- 新たな TCP/IP 用プラットフォーム API: Socket と Stream,およびバッファとコードを管理するためのサポート API。
- ユニバーサルバイナリ: iPhone と iPad の両方にデプロイできる共通アプリの開発。
- iOS (iPhone,iPad ともに) のメモリ管理とメモリリークに関する大幅に改善され,結果として安定性とパフォーマンスが改善された。
Titanium Studio には無償の Community エディションもあるが,IDE に iOS,Android,Blackberry 用のデバッガが装備されていない。Titanium SDK は Apache 2 ライセンスの下でライセンスされて,個人と商用利用いずれでも無償 使用できる