2007年にリリースされた電子医療記録のWebベースソリューションであるMicrosoft HealthVaultは先日、エンドユーザーとプラットフォーム開発者に新しい機能とともにリリースされた。このリリースでは、医療ITの新興エリアを成熟させるために段階的変更を提供している。
個人はHealthVaultで、自分自身と家族の医療とフィットネスを記録するために使用することができる。これらの記録には、薬の処方履歴、医師との会話、心臓モニタなどの医療機器からアップロードされた情報が含まれている。個人の健康情報を家族や医師や他の関係者と共有することができる。このプラットフォームは、Windows Live ID、FacebookやOpenIDに準拠したベンダーなど様々な認証プロバイダをサポートする。
Microsoftは、このプラットフォームに様々なユーザーエクスペリエンスや、個人の健康情報のキャプチャや閲覧するためのデバイスを開発してくれる開発者やデバイスメーカーを歓迎している。HealthVault開発者ポータル には、開発者が開発できるように、健康関連のアプリケーションを構築するためのSoftware Developer Kit (SDK)とデバイスドライバを構築するためのDevice Driver Developer Kit (DDK)を見つけることができる。2011年9月の1109リリース には、緊急時対応、代替のシステムID、新規と更新されたデータタイプが含まれる。特に興味深いのは、HealthVaultのユーザーが一時的なアクセスコードで、彼らの緊急時プロファイルを読み取り専用で共有することができることである。
2011年5月の1105リリースでは、もう少し重要であった。.NET、Ruby、Java、PHP,Pythonでクライアントアプリケーションを構築するための既存のSDK、HealthVaultチームは、Windows Phone、iOS、Android用のモバイルエクスペリエンスとツールキットを加えた。彼らはまた、オフライン接続シナリオを拡張して、シングルサインオンを向上させた。HealthVaultは、Continuity of Care Document (CCD) とContinuity of Care Record (CCR)といった業界標準のXMLフォーマットを使っており、HealthVaultの1105リリースでは、これらのフォーマットでアップロードされたデータをよりよく調整することができるようになっている。
Microsoftは、彼らの主要な競合相手の1社が今年初めに電子医療記録から身をひいたとき、CCDとCCRフォーマットの相互運用に投資した。2008年にリリースされたGoogle Healthは、2012年1月に幕を閉じる。Microsoft は、Googleの市場からの旅立ちに食いつき、Google HealthのCCRフォーマットのデータをHealthVaultに移行したいユーザー向けのWebページを提供している。 Microsoftはまた、Google Health開発者に長いBlogの投稿で言い寄り、彼らがHealthVaultプラットフォームでアプリケーションを構築することを期待している。
Googleがこの領域から去ることで、MicrosoftのHealthVaultが電子医療記録の主要なプロバイダになる。しかしながら、Google HealthのリタイアをアナウンスしたBlog投稿で同社は、短期的な導入や収入を期待している他のプロバイダに公正な警告を提供している。Google曰く、
我々の数年の経験で、Google Healthは、我々が期待するほど大きなインパクトを持たなかった。これは、ハイテクに精通した患者、彼らの介護者や、最近ではフィットネスや健康に熱心なユーザーの特定のグループで採用された。しかし我々は、数百万人の日々の健康活動に広く採用される、制限的な利用に変換する方法が見つけられなかった。