Visual Studio環境のそれぞれのリリースでは、通常IDEとプログラム言語の両方がサポートする新しい機能が提供されている。Microsoftの開発部門Vice PresidentのS. Somasegar氏は先日、今後リリースされるVisual Studio 11の新しいプログラミング言語機能のいくつかを発表した。
JavaScript
以前のバージョンのVisual StudioにはJavaScriptサポートが含まれていたが、Visual Studio 11ではこのサポートを向上させて、Visual Studio言語の上位にあるC#、Visual Basic、C++と同じように認識させることにした。JavaScriptで予想される改善に含まれるのは:
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ECMAScript 5言語標準のサポート
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IntelliSenseは、高い精度と大きなファイルでのパフォーマンスの改善など“大幅に改善されている”
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他のVisual Studio言語で提供されてる、アプリケーションのデバッグ中に対話型の操作をサポートするデバッグウインドウを含むJavaScriptのデバッグサポート
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DOM Explorerは、開発者がHTMLページのDocument Object Modelを調べたり、操作したりすることができる
おそらく、もっとも興味深いのは、JavaScript開発におけるREPL (Read-Evaluate-Print Loop)の追加であろう。 これは、実行中のアプリケーションで、コードを書いて、対話する、対話型環境を開発者に提供する。
Visual Basic / C#
C# 5とVisual Basic 11に非同期プログラミンサポートが統合され、Visual Studio 11で提供される。以前のバージョンのVisual Studioにおける非同期コードは、開発者に取って実装もデバッグも困難であった。Visual Studio 11は新しい言語の機能において、非同期コードで昔ながらの制御フロー(ループ/条件分岐/など)を使うこともでき、デバッガと統合する機能を提供することにより、両方の領域を向上させる。
C++
C++の開発は、Visual Studio 11において、いくつかの特筆すべき改善点の計画が存在している。改善には、IDEサポートの拡張(参照項目のハイライトと意味的色付けなど)と、ネイティブWindows Metroアプリケーションを構築する機能が含まれている。C++ AMP (Accelerated Massive Parallelism)技術を活用した、並列コードの記述サポートに重点を置いている。C++ AMPは、2011年6月にAMD Fusion Developer Summitでアナウンスされた。Visual Studio 11では、C++ AMPを使ったアプリケーションを直接デバッグすることができる。
並列コード開発については、自動ベクトル化や自動並列化を実装することによって、スピードが向上することができるコードをC++コンパイラが検出することができるようになっている。
F#
Visual Studio 11は、F# 3.0とType Provider機能を提供する。このメカニズムは、静的な型付け言語(F#)と、ますます増えるWeb上の動的なデータを橋渡しするニーズに答えて進化している。Type providersは、コードジェネレータに頼ることなく、さまざまなデータアクセスライブラリの包含を単純化する。F# 3.0は、OData、WSDL、SQLをあらかじめサポートしているが、カスタムタイププロバイダを作成することもできる。F#は、.NET Frameworkの一部であり、Type Providerは、F#に限定されるものではない。C#とVisual Basicを含むすべてのマネージド言語は、これらを使うことができる。