Silverlight 5 がようやく Microsoft からリリースされた。XNA ライブラリを備えたフル 3D スタック,バインディングに関連するいくつかの拡張,制約のないファイルシステムアクセスなど,多数の新機能を備えている。
今回のリリースには数多くの改善点が含まれている – その内容は 公式機能リスト に列挙されているので,ここではその簡単な要約を挙げる。
- メディアサポートの改善 – 低レイテンシのサウンド機能,可変スピードプレイバック,オーディオピッチ補正 (最大2倍速),パフォーマンス向上,ローテ-ティングライセンスとアプリケーション制限メディアを備えた改良型 DRM
- テキストサポートの改善 – テキストの字間および行間調整,リッチテキストブロックのリンク,テキストの明瞭性向上,Postscript ベクタ印字,ブロックレイアウトエンジンのパフォーマンス向上
- ユーザエクスペリエンスの向上 – PivotViewer,マルチクリックのサポート
- グラフィックの改良 – インディペンデントアニメーション,3D グラフィック用 XNA API
- 拡張 "Trusted" モード – マルチウィンドウ,フルトラスト・インブラウザ,ファイルシステムへの無制限アクセス,P/Invoke のサポート
- XAML パーサのパフォーマンス向上,ネットワーク レイテンシ
- サーババインディングに関連する拡張 – スタイル利用機能,先祖 (ancestor) へのバインド,暗黙のデータテンプレート。これらは大部分が WPF でサポートされていたが,これまでの Silverlight にはなかったものだ。
- ツーリング改良 – バインディング内のブレークポイント,VS Team Test サポート
- カスタム XAML マークアップエクステンション
Silverlight 5 では引き続き IE,Firefox,Chrome,Windows と Mac OS 用 Safari がサポート対象としている。
今回のリリースには,Silverlight 5 の 最初のアナウンス から丸1年を要している。その間に多くのことが起こった – Windows 8 Metro IE で プラグインサポートの終了,開発者に対する WinRT への移行 の要請といった問題の真っ只中であるため,これがSilverlight の最終メジャーリリースになるのではないか,という 憶測 がされている。しかしこの件について,いまだ Microsoft からの公式発表はない。