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Java 7 に JavaFX が追加される

原文(投稿日:2011/12/30)へのリンク

クリスマスを前に,Oracle が Java SE 7 のアップデート 2 と Java SE 6 のアップデート 30 をリリースした。Java 6 アップデートでは Java アプリケーションのパフォーマンスと安定性の向上とともに,Red Hat Enterprise 6 が新たに動作保証対象となった。Java 7 アップデートは信頼性とパフォーマンスが改善された新バージョンの HotSpot の他,Solaris 11 と Firefox ブラウザのバージョン5以降を新たなサポート対象に加えている。

さらに Java 7 リリースの一部として,JDK (Java Develop Kit) に JavaFX アプリケーション開発用 SDK が含まれるようになった。それにも増して重要なのは,Java FX ランタイムが JRE と同時にインストールされるようになったことだ。バンドルされる JavaFX リリースのバージョン 2.0.2 には,バグ修正と合わせて,SWT (Standard Widget Toolkit) との相互運用性やライセンス変更など,いくつかの重要なアップデートが含まれている。後者はサードパーティ開発者に対して,Oracle Binary Code License Agreement for Java SE Platform Products and JavaFX (pdf 資料) に従った JavaFX ランタイムのアプリケーションとのバンドル配布を許可するものだ。

JavaOne で Oracle は,Java FX プラットフォーム全体をオープンソース化する意向を発表している。JavaFX が OpenJDK 配下のプロジェクトとして 受理された ことは,このプロセスが緒に就いたものと言える。JavaFX は Sun のリーダシップの下で,リッチインターネットアプリケーション開発のフレームワークとして位置付けられていた。要するに Flex や Silverlight の競合技術だ。しかしこの2つのフレームワークは,現在どちらも将来性が不明確になっている。それぞれの開発ベンダである Adobe と Microsoft が,いずれもインターネットアプリケーション開発の将来を担うのは HTML 5 であると考えているためだ。しかしマーケティング的な面を別にすれば,デスクトップ形式のアプリにはまだまだ果たすべき役割がある。Java にはますまず時代遅れになる Swing や SWT,AWT などに代わって選択肢となる,新たなツールキットが必要なのだ。以前にも指摘した ように,JavaFX 2 ベータが最初にリリースされたとき,それは明らかにJavaSET プラットフォームの新たなクライアント層を意図したものだった。OpenJDK の プロジェクトページ で今回,その目標が明確なものになった。

OpenJFX の目標は,次世代 Java クライアントツールキットの構築です。プロジェクトでは Java SE 9 タイムラインでの JSR 提出を目標に,最終的には正式に JDK の一部となることを望んでいます。

JavaFX を Java 7 に含めるという動きは重要だ。このような線に沿った行動が行われたのは,今回が初めてではなく,Sun が Apache Derby データベースを Java DB としてバンドルした例もある。その他にも,特に classpath に見られるように,Java 言語仕様の一部ではないが Oracle のリファレンス実装の実装詳細に含まれている例は多数存在している。同じように,JavaFX もまだ Java 仕様の一部ではなく,Oracle のリリースに含まれているに過ぎない。おそらく Java 9 リリースまではこの状態が続くのだろう。しかし Oracle が提供する Windows, Linux, Solaris, そして今後予定の Apple の OS X 用リリースが,デスクトップ環境の大半をカバーすることに違いはない。

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