Google 対 Oracle 訴訟の著作権の段階が先週終了した。Google の Apache Harmony ソースコード使用に対する著作権侵害請求について,陪審員の審理が完了したのだ。4件の審問 のうち3件については先週中に全員一致で結論が出されていたが,4件目の決議にはこの週末を必要とした。
Alsup 判事は特別評決書を作成して,以下の質問を行った。
- Oracle は Google による自社の著作物全体の構造・手順・組織 (SSO / Structure, Sequence, Organization) の侵害を証明したか?
- 37 の Java API パッケージの統合資料に対する侵害は証明されているか?
- Oracle は (A) TimSort クラスの rangeCheck,(B) 7つの実装ファイルと ACL ファイル,および (C) CodeSourceTest と CollectionCertStoreParametersTest 内のコメント,の3点において,Google のコード使用に侵害行為があったと証明したか?
これらに対して今回提示された回答の中で,陪審員は TimSort 実装による侵害を認め (その他は否定された),SSO が侵害されたと評決した (回答の記入された特別評決書 が PDF 形式で公開されている)。その一方で,Google による Oracle の知的財産利用に "フェアユース (公正な利用)" が成立するかどうかについては,全会一致で決議することができなかった。
判事は陪審員に対して,最終的な判断は裁判終了時に自身が行うとしながらも,SSO は著作権の対象であるという前提で審議するように事前要求をしていた。したがって要求の一部が肯定されたことに驚きはないが,一方でこれは,現時点での Oracle のただひとつの勝利が rangeCheck 内にある,という意味にもなる。しかもそのコードは Google が OpenJDK に寄贈 して,後には削除されているのだ。
この訴訟の開始後に欧州連合(EU) は,コンピュータプログラム機能およびプログラム言語は著作権保護の対象外とする 判決を下している。このケースは現在の裁判と密接に関係しているように見える。この他にも,SAS Institute が World Programming Limited による別の実装開発を阻止するために,言語に関する著作権を主張した例がある。
まず最初に,コンピュータプログラム1の法的保護に対する裁判所命令は,コンピュータプログラム2の著作者による知的創造物の任意形式での表現に対してまで,著作権保護を拡張するものであることを改めて提示します。しかしながら,インターフェースやコンピュータプログラムの任意の要素の根底をなすアイデアと原理は,本命令における著作権保護の対象ではありません。それらを表現する方法のみが,著作権によって保護されるのです。
訴訟は今後,特許侵害に関する審議に移行する。