Apache CouchDBから生まれたPouchDB (ポータブルCouchDB) は、ウェブのための小さなデータベースであり、特に、オフラインで使えるブラウザベースのストレージソリューションが必要なモバイルアプリケーションで利用される。デバイスがオンラインになった時に、データベースはCouchDBデータベースや他のPouchDBと同期できる。
PouchDBは、実はJavaScriptライブラリで、圧縮サイズは131KBであり、現在、次のような基本的なタスクを実行できる。データベースの作成、検索、複製、削除、ドキュメントの作成、取得、更新、削除、データベース情報の検索、データベースの変更の確認。
このデータベースは、HTTPのRESTfulなアダプタと共に、CouchDB/PouchDBデータベースと同期するために使われる。
PouchDBは、HTML5 IndexedDB APIを使い、 FirefoxではSQLite、ChromeではLevelDBといったブラウザで使われる基礎的なストレージエンジンにアクセスする。Web SQL、ローカルストレージ、node.jsをサポートする作業は進行中だ。不運なことに、Web SQLはW3Cでは非推奨だが、PouchDBはまだWeb SQLをサポートしている。PouchDBの作者であるDale Harvey氏によると、IndexedDB をサポートするモバイルブラウザは、Web SQLよりもずっと遅れているためだ。
PouchDBがどのようなシナリオで有益なのかとたずねた時、Harvey氏は次のように答えた。
オフラインで動く必要があるウェブアプリケーションならば、モバイルであろうとなかろうと、PouchDBは役に立ちます。「クラウド」で使われるものと同様にオフラインで動くアプリケーションは、データの信頼性と同期する問題を扱わなければなりません。そのため、PouchDBを使う可能性があるのです。分かりやすい例として、TODOリストやデータ管理をするアプリが挙げられます。
CouchDBのオフラインインストールとPouchDBを比較して、Harvey氏は次のように続けた。
CouchDBはサーバで問題なく動きます。しかし、オフラインのウェブアプリケーションの中で動かせないのは明らかです。PouchDBは、組み込み可能な小さなCouchDBであり、ブラウザで動き、オンラインの時は完全な機能を持つCouchDBとやり取りできます。
PouchDBは、現在、アルファ版で、Firefox +12 と Google 19+でテストされている。IndexedDB APIを持つブラウザで動くようだ。コードは、Apache 2.0ライセンスに基づいてGitHubから取得できる。