今日は 世界 IPv6 デー (World IPv6 Day) である。"今度こそ本当だ" をスローガンとして，成功を収めた 昨年のテスト を受けての実施である。
今後 Google や YouTube，Facebook，その他 の大規模サイトでは，それぞれがすでに保持している IPv4 アドレスに加えて，IPv6 アドレスのレコードが新たに有効になる。
IPv4 アドレスは "63.246.7.184" のようなドット区切り 10 進数の 4 バイト (32 ビット) 構造を持ち， DNS に A レコードとして設定される。これに対して IPv6 アドレスは 16 バイト (128 ビット) で構成され，AAAA レコードとして設定される。IPv4 アドレスとは違い，コロンを区切り文字とした 16 進数を使用する。Facebook に割り当てられたサブネットは "2a03:2880:2110:3f03:face:b00c::"，という具合だ。
大部分のオペレーティングシステムでは，すでにネイティブで IPv6 がサポートされている。DNS ルックアップが解決されたとき，可能であれば A と AAAA 両方のレコードが返される。オペレーティングシステムは，IPv6 接続が可能ならばそちらを優先的に使用する。使用できない場合に IPv4 にフォールバックする，という仕組みだ。
Google が収集した統計 によると，ユーザの大部分は，デュアルスタックホストに接続しても特に不都合はない。しかし IPv6 ルータが適切に構成されていない場合には，サイト解決に伴う初期遅延が不都合になるかも知れない。Chrome のような新しい Web ブラウザが最初のアドレス解決でデュアルコネクションを実行して，２つのコネクションのより早い方 (IPv4 になるかも知れない) を選択する可能性があるからだ。このメカニズムは，応答がもっとも早かったサイトを，次回以降そのホストに接続する場合に優先的に選択するためのものだ。
IPv6 を使用しているユーザ数は多くない。したがって IPv6 が全面的に導入されたとしても，それによって重大な被害を被ることはまずないだろう。しかしそれは，IANA の配布するアドレスブロックの IPv4 アドレスが すでに枯渇している ことで必要となった，クライアントへの広範囲な IPv6 導入への出発点なのだ。
Test IPv6 ウェブサイトを訪れれば，IPv6 接続性をテストすることができる。