RackspaceはOpenStackのコード、商標、関連する知的財産すべてをOpenStack Foundationに移管し、クラウドコンピューティングプラットフォームをコミュニティの手に委ねた。
1年前の約束通り、RackspaceはOpenStackクラウドコンピューティングソフトウェアのコントロールをOpenStack Foundationに委ねた。OpenStack Foundationはこれを目的として創設された財団で、現在850の組織、88か国5,600名の個人メンバを集めるまでに成長している。この取り組みはIBM、HP、Red Hat、Intel、Cisco、Dell、VMware、Yahoo!、Ubuntu、SUSEなど、ソフトウェア業界における多くのメジャー企業に支持されている。
Foundationは選出もしくは任命された24名のディレクタによって運営されているが、Rackspaceからは2名のみだ。選出された13名(Rackspaceから1名)からなるTechnical Committeeが、OpenStackのさまざまなプロジェクトにおける日々の意思決定をリードする。550名を超える開発者がこれまで50万行以上のコードを書いてきた。これは一年前にコードを提出したときの8か国数十名よりも改善されている。
すべての商標と知的財産がFoundationに寄贈されたことにより、OpenStackは真にRackspaceの手によるコントロールを離れ、コミュニティの判断によって自由に進化するようになると言えるだろう。
OpenStackには現在、プラットフォーム標準への準拠を保証するためのインキュベーションプロセスにあるプロジェクトがいくつもある。
- OpenStack Compute (コードネームNova)
- OpenStack Networking (Quantum)
- OpenStack Object Storage (Swift)
- OpenStack Block Storage (Cinder)
- OpenStack Identity (Keystone)
- OpenStack Image Service (Glance)
- OpenStack Dashboard (Horizon)
- Metering (Ceilometer) – まだインキュベーションとして受理されていない
- Basic Cloud Orchestration & Service Definition (Heat) - まだインキュベーションとして受理されていない
OpenStackのロードマップには、2012年9月末までに新しいリリースをすると書かれている。これにはデプロイメントの改善、Dashboardのアップデート、セキュリティの強化、ComputeからのNetworkingとBlock Storageのプロジェクト分離が含まれている。10月に新しいデザインサミットが開かれ、来年4月のリリースへと続くことになっている。
この間、2011年にCloudStackの開発元であるCloud.comを買収したCitrixは、そのクラウドプラットフォームをApacheに委ね、現在インキューベーション段階にある。CloudStackのゴールはOpenStackとよく似ており、IaaSクラウドを運用できるオープンソースソフトウェアを提供することだ。CloudStackのWebサイトによると、現在、Alcatel、BT、Nokia、Contegix、Rightscale、Intelなどのプライベートクラウド構築に使われているそうだが、プロジェクトの貢献者のページには40名ほどしかリストされていない。CloudStackの活動が加速して、機能と開発ペースでOpenStackに匹敵するかどうかはまだわからない。