昨年、CapGeminiのSteve Jones氏は"思考の死"とITは思考より技術を重要視していることについて自身の意見を書いた。この記事は長い期間活発な議論を生み出し、多くの人が氏と同意見だった。氏は自身の考えを説明するため、RESTを例に挙げた。氏の考えでは、あるの領域で導入する利点についての熟慮も根拠もない中で、RESTは議論されずぎ、使われすぎている。RESTの例によってコメント欄で議論がわき起こった。多くの人がRESTを例に挙げるのに反対し、氏が以前に言及したWeb Serviceのような技術と比べれば、ましな技術だと考えた。
氏は最近になって、このような思慮の浅いやり方の別の側面を具体的な例を挙げて説明している。
たまにミーティングで誰かがすごく良いことを言う場合があります。私は今日これを体験しました。 '私たちは病気なんだから、みんなが医者のまねをするのはやめて'という意見に遭遇したのです。彼女の指摘はシンプルでした。この会社はいままで、意見を持っている人々の問題、データの裏付けがない意思決定の問題、そして誰の実装が成功したかが追跡されていないという問題を抱えていました。
氏はこのような現象をITの世界の設計のホメオパシーと名付けている。純粋に個人的な意見に基づいて設計上の決定をしてしまうことだ。事実やその決定が成功する理由は考慮されない。その実装が成功するかどうかも実際に配置されるまでは測定されない。つまり、意思決定を駆動する事実が欠けている状態だ。氏は次のように説明する。
設計に対する挑戦として優れている場合は、'Xは上手くいかないだろう。そんな中央集権的な方法で働いていないからね。Yする必要があるんだ。私たちは互いにある程度独立しながら協力して働いているからね。それにYには実績がある'と言うでしょう。ホメオパスの場合は'Xは上手くいかない、Yにするべきだ'、あるいは単に、'Xは上手くいかない'と言うだけです。このようなフィードバックは支えとなる根拠を持たず、建設的な変化が生まれません。しかし、何か問題が起きればホメオパスは'だから私の言った通りにやるべきだったのに'と言うのです。
氏はホメオパスと呼ばれる人々はキャリア全体をこの方法で築いている可能性があると考えている。"私はこのやり方で上手くいった"と言い、成功を導くかもしれない幅広い選択肢を理解しない。さらにそのような人々は立証済みの方法の不備を見つけて攻撃する。氏の考えでは、問題となっている領域全体について理解せず、他の技術が適している理由を考えずに企業分野でRESTの導入を主張する人は間違いなくホメオパスだ。
自分では運用したり他の人に使い方を教えたりしたことがない手法をつかって、壮大は設計を提案する人たちがいます。
ホメオパスと言われるような人の実在を信じるかどうかは読者次第だが、設計上の決定は事実(データ)に基づくべきであり、仮にその決定が間違っていたとしても、データとして蓄積されることで間違いから学ぶことができる、という氏の主張には賛成するだろう。
私が反対したいのは、パワーポイントとホメオパシーが根拠になっている設計方法(ビジネス手法)を推し進めようとする人たちです。このような人々は無知と個人的な'信念'に基づいてコメントし、進捗を阻害して'私のやり方の方が良かったのに'と言うのを好みますが、そのやり方がどのような結果を残すのかについて詳しく説明しません。
氏のRESTへの言及に注目が集まってしまうので、氏が指摘しようとしていることが解り難くなってしまう。つまり、十分な根拠に持たずに下された設計上の意思決定があり、そのような決定を推進しようとする人々がいる、というのが氏の指摘だ。