Googleは2012年12月6日をもって,最大10ユーザで利用可能な無償のGoogle Appsドメインに関する新規登録の受付を終了した。
既存の無償Google Appsユーザに関しては,引き続き無償でサービスを利用可能である。またビジネスドメイン用のGoogle Appsについては,ユーザ数が10名以内で,なおかつ制限付きの機能セットの範囲内であれば,1月9日まで無償バージョンにダウングレードすることができる。
今回のポリシ変更に関しては,Google Apps担当プロダクト管理ディレクタのClay Bavor氏から次のような事後説明がある。
- 個人ユーザは通常のGoogleアカウントでサインアップしてください。すべてのGoogleサービスのサポートと@gmail.com アドレス,現時点で10GBのメールストレージが提供されます。
- 自身のドメインによるGoogleサービスの利用を希望する企業は,25GBのメールストレージと99.9%の稼働率保証,24/7の電話および電子メールサポートが提供されるGoogle Apps for Businessでサインアップする必要があります。価格はこれまでと同じ,1ユーザ当たり年間$50です。
- Google Apps for EducationとGoogle Apps for Non-Profit(米国内のみ)については,適合団体に対しては今後も無償で提供されます。
氏はポリシ変更の理由として,新機能の開発速度に関する不満,あるいは無償エディションの機能的な制限に対する不満を挙げている。しかし500万のGoogle Appsドメイン(Wall Street Journalによる)によってGoogleが稼いだと推測される,10億ドルもの利益について考えるならば,同社が有償の企業顧客により重点を置くべきなのは明らかだ。同社チーフビジネスオフィサのNikesh Arora氏はすでに2012年7月,次のような談話を発表している。
"当社がエンタープライズビジネスを重視していることは事実です。" Arora氏は先週末の収支報告において,このように認めました。"非常に小さいながらも拡大するビジネス,将来はGoogleの成長エンジンとなるビジネスが私たちにはある,そのことが明らかになったのだと考えています。"
Googleは今年のウィンター・クリーニングの一環として,2013年1月30日以降,ActiveSyncプロトコルによる新たなモバイルデバイスへの接続を有償のGoogle Appsユーザのみに限定すると発表した。この変更はWindows (Phone) 8が市場に普及する可能性を阻害するかも知れない。Windows PhoneユーザがGoogleに自分の携帯電話を接続するには,Google Appsのビジネスサブスクリプションを支払うか,あるいはCardDAVとCalDAVをサポートするようにMicrosoftに懇願しなければならなくなるからだ。