ClangコンパイラチームはC++11標準全体のサポートを完成させた。Clangは“モジュール化された再利用可能なコンパイラとツールチェーン技術の集合”を提供するLLVMプロジェクトの一部である。Clang自体LLVMコンポーネントをベースとして、高速なコンパイル時間と有用かつ診断しやすいメッセージを売りにしている。数年間にわたる完全なC++11サポートの追加活動が完了し、開発者が新機能を自身のプロジェクトに組み込むことを考えるのにふさわしい状態になった。
今回のClangの更新はC++11をサポートするのに必要とされていた詳細の残りを追加している:
- 属性 – 様々なコード片(関数、変数、ブロック、など)に注記をつける機能の提供
- 継承コンストラクタ – 派生クラスが基底クラスと同じコンストラクタを持つことができる
- スレッドローカル変数 – マルチスレッドアプリケーションにおいて、スレッドがスレッド単位で独自のデータを持つことができる機能の提供
Clangチームは先を見据えて、C++1y標準(公式には名称は発表されていない)で導入される機能の実装を開始するつもりだ。これらの機能の完成度合いの指標はプロジェクトのCXXページで見ることができる。これは定期的に更新される。
ClangはC++11をサポートする唯一のオープンソースコンパイラというわけではない。GCCプロジェクトはいまだ活発にその実装を開発し続けている。ApacheプロジェクトはC++11のサポートレベルを掲載したいくつかのコンパイラのリスト(商用もそれ以外も)を管理している。