Googleは、待望のGoogle 計算エンジンへの扉を開き、AmazonやMicrosoftとのサービスとしてのインフラ (IaaS)の戦いを断固として行なう事になった。今週の Google I/O カンファレンスでも新しい完全に管理されたNoSQLデータベースとサービスとしての Google App Engineプラットフォーム(PaaS)にPHPの追加を紹介した。
Microsoftが彼らの最近発表したIaaS 製品でやったのと全く同じように、Google はGoogle 計算エンジンを延長したベータ期間の後にリリースした。始めて紹介されたのが昨年の6月のGoogle I/Oだったが、今やGoogle計算エンジンは、Googleの堅牢なデータセンターでLinux仮想マシンを展開したい人には、誰にでも開放されている。昨日の発表は、他のIaaS競合からGoogle計算エンジンを差別化する価格設定とストレージ機能を強調していた。Googleから掲示されたブログが重要点を概説している。
我々は、より広範なアプリケーションために、計算エンジンを使うのが、より簡単に、より安価できる、幾つもの新しい機能を発表します。
- 1時間未満の課金: 我々には、初期のユーザーからもっと単位の細かい課金を望み、短寿命の作業負荷を走らせられることを望んでいる、というフィードバックがありました。そこで全インスタンスは、1分単位で、最低10分から課金されるので、何分も使わないコンピュータに払うことはありません。
- 新しい共有コアのインスタンスタイプ: 計算エンジンの新しいマイクロおよび小さなインスタンスタイプは、開発やテストの作業負荷のように、CPUパワーを多く必要としない小規模な作業負荷を実行するための対コスト効果の高いオプションとして設計されている。
- より大きな永続化ディスク: 我々は、インスタンスに接続できる永続化ディスクを最大8,000%まで大きくしている。これで計算エンジンの仮想マシンに10テラバイトまでの永続的なディスクを接続でき、様々なアプリケーションに多くの永続的なストレージを与えることができる。
- 高度なルーティング機能: 今や計算エンジンは、ソフトウェア定義のルーティング機能をサポートしているが、我々の広範なSDN 革新をベースにしたものだ。これらの機能は、ゲートウェイとして機能するようにインスタンスを構成し、VPNサーバーを設定し、ローカルネットワークとGoogleのクラウドにまたがるアプリケーションを構築するようなニーズをルーティング、高度なネットワークを処理するように設計されている。
- ISO 27001 認証: 我々は、計算エンジン、App Engine、そしてクラウドストレージ用のISO 27001:2005認証を取得することで、これらの製品が情報セキュリティを管理するための国際標準を満たしていることを実証しています。
任意の方法で仮想マシンをスピンアップさせる他のIaaSプロバイダとは異なり、Googleの計算エンジンは、すべての仮想マシンが「プロジェクト」の一部であることを要求する。Googleは プロジェクトを次のように説明している。「完全に区分けされた世界であり、プロジェクトは、リソースを共有していないし、別の所有者およびユーザーを持つことができ、別々に請求し、別々に管理されている。」AWSや他のクラウド・プロバイダーと同様に、Googleの計算エンジンは、地理的に分散している「地域」とサーバが動いている「ゾーン」を提供する。現在利用可能なゾーン は、米国と欧州であるが、 ネットワーク価格ページがアジア太平洋地域がまもなく発表されるかもしれないことを示している。Googleの計算エンジンは、メモリが52GBと8 CPUコアまでのDebianとCentOSのLinuxのインスタンスをサポートする。
Googleはまた、新しいデータベース製品のプレビューを発表した。
Googleクラウドデータストアは、非リレーショナル・データを格納するための、完全に管理された、スキーマレスのソリューションだ。人気のあるApp Engine High Replication Datastoreをベースにした、クラウドデータストアは、ACIDトランザクション、SQLに似たクエリ、インデックスなどの依然として強力な機能を提供しながら、自動スケーラビリティと高可用性を備えた、スタンドアロンのサービスだ。
完全に管理されたクラウド・データベースが意味するのは、自動レプリケーション、利用ニーズを満たすための自動スケーリング、Googleのスタッフによるアクティブな監視、メンテナンスウィンドウが原因で発生するダウンタイムが無いことである。すでにNode.js、Python, Java用のライブラリを使って、Googleのクラウド・データストアは、高性能でスキーマレスなデータベースに “エンティティ”を保存したがっている開発者を対象にしている。それは、 トランザクションのような RDBMSに似たフィーチャ と エンティティの関係をサポートしているが、ジョインやサブクエリのような機能は、サポートしていない。
Google App EngineへのPHPランタイムの追加とアプリケーションを別のスケーリンググループに分割する機能は、今週の会議におけるGoogleからの最後の主要なクラウドに関する発表だった。Googleのブログ記事は、彼らのPaaSプラットフォームへのこのアップデートを説明している。
App Engine 1.8.0が利用可能になり、PHP ランタイムの限定プレビュー、皆さんから最も要求された機能を含んでいる。我々は、App Engineに最も人気のあるWebプログラミング言語の1つを、使えるようにしたので、皆さんはWordpressのようなオープンソースのアプリケーションを実行することができる。それはまた、Google Cloud SQL や Cloud Storageを含めたクラウドプラットフォームの他の部分との深い統合も提供する。
我々はまた、App Engine上でもっと容易にモジュール化したアプリケーションを作成できる必要のあることを言われてきました。。我々はアプリケーションを別々のスケーリング、デプロイ、バージョン管理およびパフォーマンス設定で、コンポーネントに分割する機能を導入している。
現時点では、Google App Engineがサポートしているアプリケーションは、Java、Python、Goで書かれたものだけである。PHPの追加により、数億の インターネットウェブサイト用の言語をGoogleは選択したことになる。Node.jsやRuby on Railsのような流行の選択肢もあったかもしれないが、もっと有名な選択であったかもしれませんが、PHPのサポートは、プラットフォーム用の最も一般的に要求された機能だった。この決定には、Wired は、ある戦略があった、と見ている 。
それは理にかなっている:PHPを捨てている企業や開発者でも、まだ彼らが実行する必要がある古いアプリを持っている。そして彼らは一箇所で自分たちのすべてのアプリを実行したいと思っている。
今やGoogleのお陰で、そのようなPHPコードをもう数年走らせるのがはるかに容易になる。