MongoDBはMongoDB Worldカンファレンスで,エンタープライズ機能を備えたMicrosoft AzureとGoogle Computing Engineプラットフォーム用サービスを発表した。
完全な管理機能を備えるMongoDBサービスは,シンプルさでは開発者にすでに定評があるが,エンタープライズ機能を持つことによって採用に拍車が掛かるかも知れない。MongoDB Enterpriseを中心とするこのサービスでは,ポイントインタイムリカバリ用にMongoDB Management Service (MMS)を利用している。
MongoDBは,mongodを複数のノードにインストールしてレプリカセットを生成し,データを共有することによって,クラウドへのインストールが可能になる。アプリケーションの拡張も比較的容易だ。DevProブログにはアプローチのアラカルトが概説されているが,これらのデプロイにMongoDBのサポートは付属していないので,自己管理で行わなければならない。
Microsoft Azureのフルマネージサービスでは,ごく小さなものから巨大なものまで,さまざまなプランが用意されている。これらすべてには,バックアップとMMS管理が含まれている。
InfoQは,MongoDBのChannels and Business Development担当VPであるVijay Vijayasankar氏に話を聞いた。
InfoQ: 今回発表されたサービスは,開発者にとってどのようなメリットがあるのでしょう?
開発者の要件としてもっとも大きなものは,必要なインフラストラクチャ上での,必要なデータベースの可用性です。さまざまなクラウドに対応することで – さらには自社環境でも同じように動作することで,MongoDBは開発者が作業する環境の選択肢を広くしてくれます。
InfoQ:Microsoft Azure用に提供されるこれらのサービスは,MongoLabやMongoHQ,ObjectRocketなど,他のサービスとは違うのでしょうか?
MongoDBをAzure上で実行する場合,開発者には2つの選択肢があります。PasSモードか,あるいはAzure Virtual Machineを使用するか,です。
InfoQ: 企業で採用する上でのメリットは,どのようなものでしょう?
企業のシステムは,パブリックやプライベート,ハイブリッドといったクラウドへと,どんどん移行しています。このようなデプロイオプションに適しているMongoDBにとって,この傾向は理想的です。いくつかのパブリッククラウドでは,MongoDBがサービスとして提供されていますし,自社内のサービスとしてMongoDBを運用しているユーザもたくさんいます。
InfoQ:企業での採用を加速する上で,MongoDBに不足している計画や機能は他にもありますか?
MongoDBの企業採用を妨げるような,何か特別な機能があるとは思っていません。標準化の前にいくつかのプロジェクトが実施されることで,大企業に新技術への信頼感が育っていくというのは,基本的なプロセスです。製品には絶えず新しい機能が追加されています - ドキュメントレベルのロックや,新しく追加されたMongoDB Managed Servicesによる管理機能の改善などです。
InfoQ:クラウドコンピューティングモデルでは,これまで当たり前だったSQLデータベースではなく,新たなNoSQLデータベースにデータが保存されていくようになるのでしょうか?
SQLが適切なアプリケーションもあると思います – ERPシステムなどがそうでしょうね。ですが,現在SQLで動作しているアプリケーションのほとんどは,開発者やアーキテクトが,その時点では他に選択肢を持っていなかった,という理由によるものです。今ではMongoDBのような,まとめてNoSQLと呼ばれるような,現代的なテクノロジがあります。これまでよりもモダンな方法で,アプリケーションの開発方法を選択できるようになりました。ですから,そうですね,SQLが既定解だという状況は終わると思います。事実,企業においても,一般ユーザにおいても,一部ではもうすでに標準ではなくなっています。
NoSQLの採用は着実に増加している。特にクラウドでは,開発者がソリューションを展開する場所で,これらのサービスが利用可能であることが重要だ。このようなサービスの展開では,完全な自動管理からすべて自己管理に至るまで,開発者はさまざまな選択肢を持つことになるだろう。 NoSQLのベンダは,開発者の要求に応じて,さらに多様な選択肢を用意している。
MongoDBの開発者向け資料には,クラウドでMongoDBを利用する方法についての説明がある。