CenturyLinkがPanamaxをローンチした。彼らはそれを「Docker Management for Humans」だと説明し、WebベースのUIを提供することで、他のDocker構成ツールと差異化している。このUIを使って、複数のDockerコンテナをGitHubで共有可能なテンプレートにまとめることができる。またオープンソースプロジェクトのローンチとともに、CenturyLinkは「Panamax App Template Challenge 2014」を実施している。このコンテストは各種カテゴリにおける優秀な提案に対し、総額$100,000の賞金を提供する。
Panamaxにおけるアプリケーションは、Docker Hubやその他レジストリにあるDockerイメージに基づく各種サービスから構成される。WebベースのUIによって、各サービスは他のサービスとのリンク、環境変数、ポートバインディング、ボリュームを設定することができる。またカスタマイズされたDocker runコマンドも追加されている。サービスをまとめて機能するようにしたら、アプリケーション全体をテンプレートとしてGitHubに保存できる。テンプレートはYAMLで定義され、コンテナの機能的記述と関連する設定メタデータが書かれたドキュメントを組み合わせたものだ。Panamaxテンプレートには、最近Docker Incによって買収された構成ツールFigのテンプレートと共通点がある。Panamaxの開発を率いてきたCenturyLinkのChief Innovation OfficerであるLucas Carlson氏は、このプロジェクトは「Figから着想を得て、Figに直接関連している」と語っており、まだFigインポート機能はないが、今後サポートされるはずだ。
Carlson氏は「Dockerは次世代の仮想マシンになるだろう」でも「今のコンテナは採用するのが難しい」と考えている。彼はDockerコンテナをもっと使いやすくするため、CenturyLink Labsで11名のエンジニアとともにプラットフォーム開発に取り組んでいる。CenturyLinkはローンチと同時にパブリックテンプレートリポジトリにサンプルを提供した。コンテストに応募されたコミュニティからのテンプレートも利用可能になるだろう。
Panamaxの最初のリリースはVagrantでコントロールされたVirtualBoxで動作し、別の仮想化プラットフォームが動いていないMacとLinuxに限定されている。またPanamaxは CenturyLink Cloudで ‘Blueprint’ としても提供される予定だ。Panamax内部では、CoreOSとDockerに最適化されたLinuxディストリビューションとそれに関連したfleetオーケストレーションツールとetcd分散キー/バリューストアを利用している。Panamaxは今のところシングルホストデプロイメントしかサポートしていないが、Carlson氏は「マルチホスト、マルチサーバ、ローンチ後に登場するバックエンド」への対応を約束し、詳細を固める前に「コミュニティからのインプットがほしい」と語っている。fleetとetcdを利用することによって、インフラストラクチャのスケールアウトは比較的苦のないものになるはずだ。
Panamaxはオーケストレーションのためにfleetを使っているが、オーケストレーションシステムではない。Apache MesosやGoogleのKubernetesなど、別のDockerオーケストレーションシステムをプラグインすることもできるはずだとCarlson氏は語る。以前、CarlsonはAppFog（CenturyLinkが買収）でPaaSを構築していたが、彼はPanamaxはPaaSでもないと言っている。だが彼は、PanamaxがDeisやFlynn、DokkuといったDockerベースのPaaSシステムをデプロイする手段として使われることを期待している。
Panamaxをインストールすると、CoreOS仮想マシンを管理、再インストールできるコマンドラインツールが使えるようになる。また、CoreOSホストへのSSHアクセスも提供され、ボリュームのマウントポイントの作成や別のコマンドライン診断の実行に使うことができる。VirtualBox VM内のDockerコンテナで動くアプリケーションの使用にはポートフォワーディングの設定を必要とし、システムはテンプレート開発者にそうした設定詳細について具体的指示をするのを助ける。