Apache HadoopディストリビューションのプロバイダであるMapR Technologiesは,自社のMapR-DB NoSQLデータベースを,無制限に商業利用可能なオープンソース化した。
MapR Community Edition(旧M3)の一部であるMapR-DBは,GoogleのBigTableをベースとして,広い列のNoSQLデータモデルをサポートする。Hadoopにネイティブに統合され,自動シャーディングをサポートするこのデータベースは,データストリーミングやリアルタイム分析といった分野のユースケースで使用可能である。格納可能なデータセットとしては,ログやセンサデータ,メタデータ,クリックストリームなどの運用データ形式がある。MapR-DBと既存のHBaseアプリケーションの実行には,Apache HBaseコアAPIが使用される。開発者は,同一クラスタ内で動作するHBaseとMapR-DBを使用するアプリケーションを実行可能だ。
MapR-DBデータベースはさらに,以下のような機能もサポートする。
- 行レベルACIDトランザクション
- 強いデータ一貫性
- KerberosやLDAP統合などの認証を使用する統合セキュリティ,および認証用のアクセス制御式。
- マルチテナンシ
- パフォーマンスをさらに向上させるため,メモリ内にデータベース全体を収容する場合に使用される,インメモリデータベースオプション。
高可用性やディザスタリカバリ(HA/DR)機能はサポートされない。
MapR Community EditionのMapR-DBは,同社Webサイトからダウンロード可能だ。さらにはMapR Sandboxもある。これは仮想マシン内で動作する完全機能のHadoopクラスタで,スタンドアロンのインストレーションやコンフィギュレーションのオーバーヘッドを受けることなく,製品のテストを行うことができる。