Android Studio 2.0がカナリアチャネルに登場した。今回のリリースで注目される改良点は,開発手順がさらに合理化されたことだ。コードのスワッピングやビルドの高速化,エミュレータの速度向上,GPUプロファイラとデバッガ,複数タイプのテストの同時実行などが可能になっている。
Android Stuido 2.0で最も重要な拡張は,おそらくInstant Runだろう。変更されたコードは,即時(1ないし2秒)に接続中の物理的デバイスやエミュレータにデプロイされ,フルビルドやインクリメンタルビルド,APKデプロイをしなくても実行可能になる。Android Dev Summit 2015(ビデオ)でデモされたこの機能は,“事実上すべてのエミュレータ”と,Android ICSを実行する“現存するすべての物理デバイス”上で実行可能になる予定だ。
Instant Runが現在サポートしているのは,インスタンスおよび静的メソッドの実装変更と,クラスの追加および削除である。文字列リソースの変更も処理可能だが,関連するアクティビティの再起動が必要だ。アノテーションやフィールド,メソッドシグネチャなど,多くの変更はまだサポートされていないが,Googleは今後数ヶ月で,それらのサポートを加えていく予定である。
Android Studio 2.0には他にも多数の改善点がある。
- 初期ビルド時間が2~2.5倍高速になった。
- インクリメンタルビルドが“数秒”で可能になった。
- エミュレータが“以前に比べてはるかに高速化”された。I/Oの改善により,エミュレータのADBプッシュ速度を示すグラフでは,Android Studio Emulator 1.0の15倍,物理デバイス(Nexus 6)の5倍という値が示されている。さらにエミュレータでは,SMPを使用して開発マシンの持つマルチコアを活用できるようになった。
- エミュレータのUIが書き直されて,ドラッグアンドドロップやサイズ変更がサポートされた。
- サポート対象エミュレーションの追加 - GPS(複数ポイントによるルーとシミュレーションを含む),呼び出しとテキストメッセージ,バッテリ状態など。
- 先日リリースされたIntelliJ 15がベースになった。
- Androidとユニットテストの同時実行が可能になった。
- Google Searchによるアプリケーションのインデクスの検証を含む,ディープリンクのサポートが追加された。
そして最後に,Android Studio 2.0には,シーンをフレーム毎に再生可能なGPUプロファイラとデバッガが付属する。マップやビデオ,ゲームなどでOpen GL ESを使用している開発者には魅力的なツールだろう。