Serverlessconf London 2016におけるServerless Framework

Serverlessconf London 2016の2日目に取り上げられた喫緊のテーマは、1日目に強調されたオペレーションの問題に対処するための管理フレームワークの有効性と機能性についてである。Serverless Framework上に構築したNode.jsが少なくとも3つの発表で取り上げられ、より自己主張の強いPythonベースのフレームワークであるZappaも話題に上った。

Serverless FrameworkはCTOであるFlorian Motlik氏の‘Getting the Most out of the Serverless Framework’という講演で紹介され、この講演で彼はプロジェクトへの貢献を誘導することとドキュメントの品質を非常に強調した。フレームワークそのものはNode.jsで記述されているのにも関わらず、ファンクションを記述する言語としてPython, Java, Scalaもサポートされている。当初のターゲットはAWS Lambdaであるが、フレームワークは現在Azure FunctionsとGoogle CloudFunctionsのサポートも提供している。'Hello World'風のデモはコードとインフラの設定を混ぜたもので、Docker Composeのような構成ツールと類似であることを示したが、サービスの拡張ライブラリとプラグインによりフレームワークの各所を更に拡張できるようになっている。

Serverless Frameworkへの言及はXeroのSimon Coward氏とAPI TalentのScott Patterson氏によっても行われ、彼らの'企業におけるServerless API'の物語の中でのこのフレームワークの立ち位置が紹介された。彼らは、Xero SaaS会計プラットフォームにおける新しい統合能力をサポートするためのデータ集約サービスを提供する目的で、相互接続された多数のAPIゲートウェイのエントリポイントとファンクションを構築することを支援するためにこのフレームワークを活用した。重要な点は LambdaのようなサービスのWebユーザインターフェイスは(スパイクのような)短期の調査活動に有用であるが、複雑さを増す本番環境を管理するためのフレームワークが必要である、ということである。

Serverless Frameworkの拡張性はAnna Doubkova氏の‘Writing Serverless Plugins’というライトニングトークでも再び取り上げられた。このトークでは単にフレームワークを利用するだけでなく、特定のニーズを満たすために機能性を追加するいくつかの実践的な例について触れた。

作者であるRich Jones氏の公演である‘Globally Available Serverless Architectures’によりZappaが紹介された。発表の目的が遅延に対する要求を満たすと同時に需要を調節するための複数のリージョンへのアプリケーション配置の解説であるにも関わらず、Jones氏は複数リージョンにまたがる配置をどう単純化できるかに触れる前にZappaの概要の紹介に入った。ZappaはPythonで記述され、Pythonベースのアプリケーション配置作業を単純化するために使用することができる。現状では、ZappaはAWS LambdaとAPIゲートウェイサービスをターゲットとしている。

Serverless FrameworkとZappaの使用は、コードとしてのインフラよりも、コーディングするためのインフラとしてのサーバレスコンピューティングにシフトするという、多くの発表者が触れた広がりのある視点を示している。そのため、ファンクションのコードは継続的統合パイプライン上に後から追加された設定管理というより、幅広いインフラ定義内に配置されるものである。彼の‘The Future of Serverless’の話題を受け、Paul Johnston氏は、Serverlessconfは単なる '非常に先進的なクラウド会議'だったのかもしれないとコメントした。これが本当かどうかはともかく、イベントは初期から新しい技術を伴ったコミュニティの機運と活気に満ちていた。