10月27日、MicrosoftはBizTalk Serverの10度目のリリースを行った。去年の12月の発表されたMicrosoftのロードマップによれば、このリリースはスケジュール通りだ。
BizTalk Serverは従来、エンタープライズアプリケーションインテグレーション(EAI)やビジネス間インテグレーション(B2B)を探している必要とする企業によって使われてきた。EDIプロトコルや疎結合なインターフェースを探している企業だ。
今回のリリースで、MicrosoftはBizTalk Serverのハイブリッドなクラウドに対する接続性にさらに投資をした。MicrosoftのプリンシパルディレクターであるFrank Weigel氏は、ハイブリッドなクラウドに対する接続性が重要な理由を次のように説明している。
散在するアプリケーション、データ、サービスとともに企業はデジタル化の波を受けています。アプリケーションがクラウドであれオンプレミスであれどこで動いていようと、シームレスに接続して、データをアンロックしてビジネスプロセスを自動化する必要があります。
BizTalk Server 2016へのアップグレードを検討している顧客向けに、Microsoftはいくつかの利点を挙げている。
- ハイブリッドな接続性。BizTalk Server 2016を使えば、顧客はクラウドネイティブなアプリケーション、ウェブ、モバイルバックエンドシステムへ接続でき、Azure Logic Appsを使えばカスタムのアプリケーションへも接続できる。これは、大量のSaaSアプリケーションをそのまま使えるコネクタを使って素早く統合するブリッジとして動作する。Azure Logic Appsアダプタはクラウド内でパートナーやベンダをまたがってエンタープライズメッセージングを利用し、Microsoftのクラウドを活用し、全体的な統合ソリューションを提供します。例えば、Functions、Cognitive Services、Machine LearningなどのAzureのサービスを利用して、データからアクション可能な洞察を取り出し、意思決定に活用できる。
- 統合。Windows Server 2016、Visual Studio 2015、SQL Server 2016のような最新のMicrosoftの製品との統合を提供する。この直接的な統合を活用することでBizTalk Server 2016とのシームレスな連携が実現する。
- SQL Server 2016 Always On Availability Groups。これは、Azureとオンプレミスの高い可用性を実現する。従来のログのシッピングの仕組みが拡張され、高い可用性とディザスタリカバリを達成するための自動化された高速なより良い方法を実現する。
InfoQはMicrosoftでプリンシパルプログラムマネージャーを務めるJon Fancey氏にこのリリースについて話を聞いた。
InfoQ: BizTalkの10回目のリリースになります。BizTalkの16年に渡る成功の要因は何でしょうか。
Jon Fancey: 私が考えるBizTalkの強みは複雑な実世界の問題を解決するという点です。現実の世界は混乱しており、既存の融通の利かない、しかし、顧客にとっては重要な技術によって、エレガントな設計のソリューションが綺麗に導入できないということは日常茶飯事です。BizTalkは、これまでも、そして、これからも、このような困難に切り込み、強力な統合ソリューションを提供します。2016では、BizTalkのリーチと能力を拡大し、クラウドへの接続をシンプルにして、SQL AlwaysOnをサポートしBizTalkの構成自体をシンプルにしました。
InfoQ: BizTalk 2016はSQL Server 2016 Always On Availability Groupsをサポートしています。この新しい機能から顧客はどのような利点を得られるでしょうか。
Jon Fancey: BizTalkは常に‘正しい’挙動をします。しかし、過去、この正しい挙動がもっとも便利な挙動とは限りませんでした。2016では、SQL Server 2016とAlwaysOn Availability Groups (AG)をサポートすることで、この問題に対処しています。企業とDBAに高可用性(HA)を実現するための一貫したアプローチを提供し、ログのシッピングやストレージレイヤの同期レプリケーションに依存しないようにします。また、AlwaysOn AGをサポートすることでAzureのIaaSでも高い可用性を実現します。これで多くの顧客が望んでいたシンプルのポートフィリオと、クラウドリソースを使ったより速いスケールアウトによるアジリティの改善を実現します。
InfoQ: ハイブリッドな接続性は顧客が望む機能であり続けます。Microsoftはどのように対処しますか。
Jon Fancey: (Azure) Active DirectoryからAzure Service Busまで、Microsoftの優れたエンタープライズ能力と接続性はハイブリッドな統合に対処するための重要な資産です。顧客は自分たちの方法で、自分たちのペースでクラウドを利用したいと思っています。それはつまり、一部のアプリケーションやデータは動かしたくはない、あるいは動かせないということです。そして、それは問題のないことです。そこで、私たちが熱心に取り組んでいるのは、オンプレミスとクラウドの断絶を可能な限り簡単にシームレスにブリッジするということです。BizTalk Server 2016とLogic Apps向けの新しいアダプタは接続をシンプルにし、BizTalkの顧客に既存の統合プラットフォームからクラウドの力を活用するという新しい機会を提供します。クラウドを拡張し、無数のSaaSサービスを毎月生まれる新しいコネクタで統合するという機能は、私たちのアーリーアダプターの顧客からすでに高い評価を得ています。
InfoQ: MicrosoftはCognitive Services向けのアダプタをリリースしました。BizTalkはこれをどのように使うでしょうか。
Jon Fancey: この新しいLogic AppsアダプタとLogic Apps内のBizTalkコネクタを使うことで、双方向の通信が実現できます。Logic App内のCognitive ServicesがBizTalkの処理を実行したり、その逆も実現できます。Igniteで私が行ったデモでは、BizTalkでオンプレミスのさまざまなデータソースと通信するオーダー処理システムを単純にすることでこの動きについて説明しました。既存のオーケストレーションを簡単に拡張できるので、新しい顧客からオーダーを受け取ったときに、Logic Appにその情報をプッシュするようにしました。Cognitive ServicesとBing Searchを使って顧客の分析をし、‘スコア’を提供するようにしました。これは、シンプルな例ですが、既存のプロセスをBingのような新しいクラウドソースを使って強化するこのがいかに強力かを理解してもらえると思います。
InfoQ: あなたは数年間、Microsoft Integrationに関わってきましたね。今回のリリースの何があなたを一番わくわくさせますか。
Jon Fancey: 数年間、というのは優しい言い方ですね。あれやこれやで20年の大半をこの領域で過ごしてきました。キャリアのほとんどを何かと何かを結びつけることに費やしてきました。Windowsのフロントエンドからメインフレーム、ウェブサービスから複数のバックエンドのLOBシステム、スマートな技術を統合するということは私の人生に常に在りました。常に進化し続け、接続するべき新しいものがある、というのが、私の興味を惹きつける理由なのかもしれません。そして、それは、私がBizTalk Server 2016にわくわくする理由でもあります。Logic Appsの接続性によって境界には制限がなくなりました。私たちはこの素晴らしい技術の機能を簡単に使えるようにするために注力しています。クラウドからオンプレミスの接続は素晴らしいことです。私は顧客と話して、顧客がこの可能性を理解できるように支援するという素晴らしい機会を持っています。BizTalk Serverの顧客は私たちの業界一の接続性を活用してクラウドの力をデータセンターの既存のアプリケーションから自分たちの方法で使えるのです。私にとってはこれはゲームチェンジングな出来事です。
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