QCon New York 2018:スピーカーが見ているもの
第7回Annual QCon New Yorkがわずか1週間に迫っている。今年の会議の主なテーマは、Google、Shopify、Square、IBM、Github、Lyftなどの企業から示されるMicroservice環境の運用、管理、デバッグについての成功の秘訣である。
会議のSchedule Builderにより、登録した参加者は、3日間の会議にわたってスケジュールを計画できる。それを見れば、今年の会議で出席者が最も期待している講演を知ることができる。それは次の通りである。
- 正しい手段によるマイクロサービスアーキテクチャの設計。Michael Bryzek氏(共同創設者でCTO @Flow.io、以前は共同設立者兼CTO @Gilt)
- イベントファーストマイクロサービスの設計。Jonas Bonér氏(創設者でCTO @Lightbend / Akkaのクリエータ)
- Netflixにおける数百万のデバイスに向けたプッシュメッセージングのスケーリング。Susheel Aroskar氏(ソフトウェアエンジニア @Netflix)
- 分散システムにおける複雑なイベントフロー。Bernd Rücker氏(共同設立者で開発者支援 @Camunda)
- マイクロサービスのデバッグ:Google SREによる障害の解決方法。Liz Fong-Jones氏(サイトリライアビリティエンジニア(Googleクラウドカスタマーリライアビリティエンジニア))とAdam Mckaig氏(サイトリライアビリティエンジニア @Google)
QConの出席者の90%近くが個人のコントリビュータとアーキテクトである。そのグループの中には、サイトリライアビリティエンジニアからJava開発者、データエンジニアリングパイプラインについて活動しているソフトウェアエンジニアに至るペルソナが出席者として含まれる。同じペルソナが会議のスピーカーについても言える。我々はいくつかの会議の講演者に、QCon New Yorkで最も楽しみにしていることを尋ねた。彼らは次のとおり言っている。
ペルソナ
リードエンジニア (Go)
Kathryn Jonas氏はThe Economistのリードエンジニアである。彼女の役割は、コンテンツプラットフォームのデジタル配信を担当するチームを率いることである。チームは最近、モノリシックなCMSをGo-langを活用した分散マイクロサービスアーキテクチャに分解した。
「素晴らしいセッションがたくさんあり、選ぶのが難しいですが、これが私が聞きたい講演です」
- イベントファーストマイクロサービスの設計。Jonas Bonér氏(創設者でCTO @Lightbend / Akkaのクリエータ)
- 分散システムにおける複雑なイベントフロー。Bernd Rücker氏(共同設立者で開発者支援 @Camunda)
- サーバーレスパターンとアンチパターン。Joe Emison氏(CTO @Branch)
- コントロールプレーン:高速イテレーションのためのインフラストラクチャ設計。Mohit Gupta氏(cleverのプロダクトマネージャ兼インフラストラクチャ担当)
- よりよいサーバレスアプリにするための可観測性。Erica Windisch氏(CTO @IOpipes)
Jonas氏は21日の午前10時35分に21st Century Languagesトラックで講演する予定である。彼女の講演は、「スケールさせるためのデジタルパブリッシング:The EconomistとGo」といタイトルであり、Goを使ってモノリスを分解することのメリットとデメリットについて語る予定である。さらに、The Economistが早くアクションを起こせるようにするGoの機能(並行性など)についても議論する予定である。「この経験を共有し、Goを使うことで、私たちを助けてくれた面白いユースケースについて話をしたいと思います。また、適切ではないユースケースについては強調して述べたいと思います。」
データエンジニア
Mikhail Kourjanski氏(PayPalのリードデータアーキテクトでリスク・コンプライアンス管理プラットフォーム)は、不正防止を含むPayPalのリアルタイムに判断するプラットフォームを担当している。不正防止だけでも、PayPalは年間5億ドルを節約できる。
期待されているように、Kourjanski氏の時間の大部分は、水曜日のPractical Machine Learningトラックで話すことになる。MLトラックに加えて、また、Kourjanski氏は、木曜日と金曜日にマイクロサービスとサーバレスの講演で時間を過ごす予定である。
彼のスケジュールで優先度が高い講演は次のとおりである。
- アプリケーションパフォーマンス最適化のためのディープラーニングZoran Sevarac氏(Javaおよびニューラルネットワークエキスパート、クリエータ @Neuroph、創設者 @DeepNetts)
- DoorDashにおけるリアルタイム予測のためのエンジニアリングシステム。Raghav Ramesh氏(リアルタイム予測のためのエンジニアリングシステム @DoorDash)
- 強制進化:ShopifyのKubernetesへの旅。Niko Kurtti氏(プロダクションエンジニア @Shopify)
- Netflixにおいて、どのようにコンピュータが人間の根本原因の問題を手助けするか。Seth Katz氏(シニアソフトウェアエンジニア、運用インサイト @Netflix)
- 火災避難設備の歴史。Tanya Reilly氏(主席エンジニア @squarespace)
- データセキュリティの夢と悪夢。Alex Holden氏(設立者で最高情報セキュリティ責任者 @HoldSecurity)
Kourjanski氏の講演は6月27日水曜日午前11時50分に行われ、「PayPalにおけるリアルタイム不正防止のためのMLデータパイプライン」というタイトルである。この講演は、Kourjanski氏がQConサンフランシスコで行った講演と、今年4月に初開催されたQCon.aiでの講演の2つの講演をもとにしている。この講演の主な教訓には、どのようにリアルタイムストリーミングがリアルタイム推論をサポートしているかの理解と、どのようにしてPayPalがデータ層を整理するかの説明が含まれる。
シニアソフトウェアエンジニア / カオスエンジニア
Haley Tucker氏はNetflixのカオスエンジニアリングチームのメンバーである。彼女の役割は、Netflixサービスの回復力を検証することである。カオスエンジニアリングチームに参加する前に、Tucker氏はPlayback Featuresチーム(このチームは、ユーザが再生をクリックしたときの何が起こるかについて責務を負う)のサービスオーナーであった。彼女は大規模な分散システムでの経験を持つJava開発者である。
彼女のリストに入っている最初の講演は、Matt Klein氏の「LyftのEnvoy:サービスメッシュの取り込み」である。「クライアントライブラリからクロスカッティングの問題を取り除くために、サービスメッシュを利用することで、要求レベルのカオス実験、可観測性、要求ルーティングなどを行うことができると、私たちは議論しました。私はLyftの経験に対してどのようなメリット/トレードオフがあるかを聞きたい。」
Tucker氏は個人的な予定に入れている他の講演は次の通りである。
- Canopy:Facebookにおけるスケーラブルな分散トレーシング&分析。Haozhe Gao氏(ソフトウェアエンジニア @Facebook)
- Netflixにおいて、どのようにコンピュータが人間の根本原因の問題を手助けするか。Seth Katz氏(シニアソフトウェアエンジニア、運用インサイト @Netflix)
- 行動経済学とチャットボット。Jim Clark氏(共同創業者 @atomist)
- 分散システムにおける複雑なイベントフロー。Bernd Rücker氏(共同設立者で開発者支援 @Camunda)
- プロパティベーステストのGit Gud。Katie Cleary氏(ソフトウェアエンジニア @PolySync)
- マイクロサービスのデバッグ:Google SREによる障害の解決方法。Liz Fong-Jones氏(サイトリライアビリティエンジニア(Googleクラウドカスタマーリライアビリティエンジニア))とAdam Mckaig氏(サイトリライアビリティエンジニア @Google)
- チーム強化のための神経生物学者のガイド。Casey Watts氏(主任ソフトウェアエンジニア @Heroku)
- 継承:リファクタリングストーリー。Katrina Owen氏(エコシステムエンジニア @github)TwilioのためのTwilio:DevOpsストーリー。Justin Kitagawa氏(プラットフォームエンジニアリングのシニアディレクター @twilio)
- 異端の回復力:修復することは人間である。Ryn Daniels氏(スタッフインフラストラクチャエンジニア @travisci)
Tucker氏の講演は6月29日金曜日に行われ、「UNBREAKABLE:Netflixで曲がる方法を学び、折れないことを学ぶ」というタイトルである。この講演で、参加者はカオス実験がユニットテスト、統合テスト、回帰テストの自然な補完方法であることを学ぶ。Tucker氏は、「カオス実験を実行することで、運用環境のデータと顧客行動の違いによってどのテストが欠けているかという問題を明らかにすることができる」と述べている。
テクニカルCTO / シニアディレクター
Jonas Bonér氏はLightbendの創設者でCTOである。彼はオープンソースコミュニティの長期的なコントリビュータであり、AkkaプロジェクトとAspectWerkz AOPコンパイラの開発で最も有名である。
Tucker氏と同様、Bonesr氏が最も推奨する講演は、「LyftのEnvoy:サービスメッシュの取り込み」である。「Envoyは現在の分散アーキテクチャの中心にあります。サービスメッシュを作った理由とLyftがそれをどのように使用しているかについて、Matt(Envoyのクリエータ)自身から直接学ぶのを楽しみにしています。」
他にBonér氏は以下の講演を楽しみにしている。
- Aeron Clusteringを使用した効率的なフォールトトレラントJava。Todd Montgomery氏(高性能コンサルタントおよびNASAの研究者)
- 暗号解読、ジェット設計とチームビルディング。Randy Shoup氏(VPエンジニアリング @WeWork)
- カオスを使った回復力のあるシステムの構築。Tammy Butow氏(プリンシパルサイトリライアビリティエンジニア @Gremlin)
Bonér氏の講演は6月28日木曜日に行われ、「イベントファーストマイクロサービスの設計」というタイトルである。この講演で彼は、イベントの本質と、イベントドリブンの意味を探る。講演では、マイクロサービスを構築するためのイベントファーストのアプローチの実践的なツールとテクニックが紹介される。目標は、確実性、回復力、スケーラビリティ、トレーサビリティ、疎結合性を高める分散システムを構築することである。要するに、これは、リスクの低いシステムを構築することについての講演である。
セキュリティ / ディレクター
インフラストラクチャとセキュリティにGoogleに入社する前は、WitoffはCoinbaseのインフラストラクチャとセキュリティのディレクターを務め、最新の安全なDocker化されたデプロイパイプラインを開発しており、それにより数十億ドルが保護された。今日、Googleでは、Witoffはセキュリティインフラストラクチャの一部を担当するチームの一員である。
彼の優先度の高い選択の1つは、Randy Shoup氏の「暗号解読、ジェット設計とチームビルディング」である。Witoff氏は「Randyは伝説的なスピーカーで専門家のリーダーであり、私は常に素晴らしいENチームの構築に関するRandyの最新の洞察を楽しみにしています」と説明した。
Witoffがトップに選ぶQConNYC講演は次のとおりである。
- Netflixにおいて、どのようにコンピュータが人間の根本原因の問題を手助けするか。Seth Katz氏(シニアソフトウェアエンジニア、運用インサイト @Netflix)
- 暗号解読、ジェット設計とチームビルディング。Randy Shoup氏(VPエンジニアリング @WeWork)
- どのようにしてブロックチェインがセキュリティの新しいパラダイムを作り出したか。Paul Puey氏(CEO @EdgeSecure)
- データセキュリティの夢と悪夢。Alex Holden氏(設立者で最高情報セキュリティ責任者 @HoldSecurity)
- なぜSpinnakerがGoogleに適しているか。Daniel Peach (Software Engineer @Google), Jarrod Todd氏(ソフトウェアエンジニア@Google)、Matthew Duftler氏(ソフトウェアエンジニア @Google)
- UNBREAKABLE:Netflixで曲がる方法を学び、折れないことを学ぶ。Haley Tucker氏(上席ソフトウェアエンジニア、カオスエンジニア @Netflix)
Witoff氏は、QCon New Yorkを企画するQCon New York Program Committeeのメンバーである。企画委員会は、技術エンジニア、システムプログラマー、アーキテクトから構成され、まもなく開催されるカンファレンスの企画立案のために26週間以上の会議を開催した。Witoff氏はBlockchain Ask The Experts Panelと呼ばれるブロックチェーンパネルを進行する予定である。ブロックチェーンパネルでは、現在のブロックチェーンとそのアプリケーションについて、多くのブロックチェーンスピーカーが制限なしで議論するのが特徴である。
まとめ
QConで講演する5人のソフトウェアリーダーと、彼らが会議で最も期待している講演のいくつかを紹介してきた。5人の講演者のうち3人が、Seth Katz氏による「Netflixにおいて、どのようにコンピュータが人間の根本原因の問題を手助けするか」を選択したことは注目すべき点である。この講演(出席者による最も期待されている講演のトップ10に入っている)では、自動化された根本原因検出が、多くのシステム監視ツールにとって不可能のように思える目標をどのように表しているのかについて議論する。そして、Netflixがそれを現実に近づけるためのステップについて議論する。
QCon New York(6月27から29日)は、ニューヨークで2番目に大きなホテルMarriott Marquisで開催される3日間のソフトウェア会議である。シニアソフトウェアエンジニアリングリーダー向けに設計されたQConでは、ソフトウェアの著名人を含む138人のスピーカーが呼ばれている。著名人には、Matt Klein氏(Envoyのクリエータ)、Jonas Bonér氏 (Akkaのクリエータ)、Joshua Bloch氏 (Effective Javaの著者、Java Collection APIのLed設計、Carnegie Mellon大学教授)、Alex Holden氏 (今日までにおいて最大のセキュリティ違反が発見した功績がある - Cybervor違反)がいる。
QCon New York 2018は、会議の3日間に900人以上の参加者を迎える予定である。4人に1人が米国外からの来訪である。米国内では、出席者は38の州(ニューヨーク、カリフォルニア、ニュージャージーからに最も集中している)から来ている。この会議には、世界で最も有名なソフトウェア販売企業から138人が参加する。注目すべきは、そのセッションの38%がソフトウェアにおける女性の取り組みを強調していることである。QCon New York 2018での出席者とスピーカーの比率は7:1と予想されている。
QCon New Yorkは様々なペルソナのために多くの選択肢を提供している。ソフトウェアコミュニティのリーダーによって推薦されるこれらの講演は、今年のスケジュールをナビゲートする役に立つ。
QCon New Yorkの登録はまだ受け付けている。6月24日の正規の価格が適用される前に登録すると、3日間の会議の入場料は$2,575となる。このイベントを見逃した場合は、次の会議はQCon San Franciscoで、11月5日から7日に開催される。
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