キーポイント
- Design thinking is a process to quickly discover problems, prioritize the top challenges that the organizational change effort needs to address, and create ideas for solutions.
- A successful organizational change effort needs to connect the perspectives of the entire workforce at all levels (from the front-line workers to the executive leadership).
- Use an incremental design thinking approach to create a common vision for the change effort. Perform small targeted design thinking workshops with specific groups in the organization to understand the problems and potential solutions, and then have a large workshop with members of all segments of the organization to create solutions that work for the entire organization.
- Support the design thinking approach with other techniques such as the Lean Startup Mission Model Canvas and Stakeholder Value Proposition Canvas to consolidate and visualize the information to make it easier for others to see the problem-solution mapping.
- Turn recommendations into an action plan for change. Create a backlog of tasks that provide a clear implementation path of the change activities as a way to ensure the change effort does not stop after recommendations are provided.
Goddard Space Flight Center (GSFC) のエンジニアリングおよびテクノロジー総局 (ETD) は、組織間の提案開発プロセス (この記事では提案プロセスと呼びます) で、組織が新しいプロジェクトのエンジニアリングコンセプトとコスト見積りを提供する場所であり、主要なコントリビュータです。GSFC 提案プロセスは、NASA のミッションを前進させる新しい技術を開発するための資金を NASA 本部から得るために、新しい科学、工学 (エンジニアリング) および技術 (テクノロジー) のコンセプトの提案にさまざまな NASA Center で使用される多くあるメカニズムの1つです。
提案プロセスの一環として、ETD は実行可能なエンジニアリングのコンセプトを設計し、実装のための資金を競うために送信される提案に含まれるコスト見積りを作成します。提案を通じて、それぞれの NASA Center は、同じ科学概念について民間企業によって開発された提案と競争し、他の NASA Center によって開発された他の科学概念提案とも競争します。ETD は12か月から18か月かかる提案プロセスで、プロセスのさまざまな段階の複数の提案が同時に処理されることに関与します。
何年もの間、ETD の組織は、提案プロセスにタイムリーなエンジニアリングサポートを提供するという課題に直面していました。これは、科学技術環境の絶え間なく変化する性質、競合する ETD 内部と GSFC の優先順位、人々のキャリア目標に基づくジョブチェンジで進化する労働力の性質、および組織の限られたリソースによる結果です。長い間、組織はプロセスの犠牲者のように感じ、提案プロセス改善のための変更を行うことができないと信じていました。このプロセスへの参加は、一部の人にとって負担と感じられることが多く、投資収益率が低いために誰もが楽しいものではありませんでした。
私は国防総省 (DoD) で18年間働いてきたシステムエンジニアとして、GSFC でキャリア拡大の任務を引き受け1年間働き、GSFC 提案プロセスのコンテキストで ETD の変更イニシアチブを主導しました。変更イニシアチブは 1,200 人を超える従業員に影響を与え、GSFC 提案プロセスにおける組織の役割を変革しました。その年、私は組織と組織の人々が改善したい問題を理解し、問題の解決策を見つけ、組織の長年の運営方法を大きく変える実行可能で価値の高い推奨事項を提供する創造的な方法を見つけなければなりませんでした。1年の任務の終わりに、私は提案プロセスへの参加を改善し、組織のダイナミクスを変更して、新しい組織文化の基盤を作る貴重な推奨事項を組織に提供しました。
この記事では、組織の変化とプロセスの改善を推進し、組織に影響を与えるために使用したデザイン思考手法を共有します。
変化の必要性
提案は、新しい科学概念のアイデアを考案する主任研究者から始まります。科学概念を何ヶ月も成熟させた後、エンジニアリング (ETD) 組織は、規定されたコストと技術の制約の範囲内で実行可能なエンジニアリングの概念を提供するために呼び出されます。多くの場合、エンジニアリング組織は、プロセスの中の遅すぎる時期 (つまり、提案期日の6か月前) にエンジニアリングの専門知識を提供するように求められました。時間が経つにつれて、このアプローチは組織の負担になりました。
提案作業をサポートするために、人々は同時に複数の優先順位を管理する必要がありました。エンジニアは、作業の提案と通常のエンジニアリングプロジェクトへのサポートの提供に時間を割く必要がありました。
実行する必要のあるエンジニアリング作業に加えて、組織の管理者は、組織のさまざまなタイムラインと優先順位を満たすために、作業に必要な限られたリソースをシャッフルする必要があるという課題に常に直面していました。エンジニアリングチームの一部のメンバが提案の勝率が低い何ヶ月にもわたるハードワークである提案に取り組みたがらないことで、これはより困難になりました。さらに、提案作業は競争に敏感であるため、提案間または提案チーム間で知識が共有されることはなく、作業が重複したり、チーム間で学んだ教訓を共有できなかったりすることがありました。以前の提案作業にアクセスできないため、チームは以前のコスト見積りや以前の設計を再利用できませんでした。
変更イニシアチブで、ETD は、GSFC の提案の勝率を高めることができる、提案の堅牢なエンジニアリング概念をデリバリーする能力を向上させるための新しい作業方法を探していました。提案の勝率を上げることで、組織の新しいテクノロジーや新しいプロジェクトの開発のための追加の資金を受け取ることができます。
変更イニシアチブを通じて、組織は提案プロセスとプロセスへの組織の参加を改善する文化とプロセスの変更を求めました。変更の取り組みは、組織の観点から提案プロセスの詳細な分析を行い、提案プロセスへの組織の関与を改善するための推奨事項の提供を目的としています。提案プロセスの詳細な分析により、提案プロセスへの組織の参加の全体像が提供され、提案プロセスへのさまざまな関与のポイント、作業をサポートする複数の反復 (イテレーション) と成果物、および提案プロセスにおけるさまざまな ETD 作業の役割によって認識される改善の問題点と機会が示されました。
デザイン思考とは何か?
デザイン思考は、問題解決のための人間中心のアプローチを提供するフレームワークであり、組織が解決しなければならない最も重要な問題に注意を向けるための強力な技術とツールのセットを提供します1。デザイン思考手法は、技術的、組織的、またはプロセスの改善など、さまざまな方法で手法を組み合わせて、目前の課題の複雑さへのアプローチを調整してあらゆるタイプの問題に適用できます。デザイン思考は、組織が解決しなければならない問題を特定し、最も重要な問題に優先順位を付け、組織に価値を提供するソリューションを設計するための迅速な方法を提供します。デザイン思考アプローチの焦点は、実行可能で、成立する、望ましいソリューションを特定することです。
デザイン思考を使用することで、私は組織と提案プロセスについてすぐに学びました。組織に共感を示し、提案プロセスの複雑さと組織が経験した問題を理解し、改善が必要な最も差し迫った問題に優先順位を付け、概念的な実装計画で改善の解決策を特定しました。
図1は、組織の変化のロードマップで使用したさまざまなデザイン思考手法 (ボックスで表示) を示しています。
図 1. デザイン指向フレームワーク
課題の最初のアプローチは、インタビューによって情報を収集し、インタビューデータから改善のための推奨事項を導き出すことでした。インタビューは問題領域を理解するために優れた方法でしたが、潜在的な解決策の表面に触れただけでした。組織内の 27 人のステークホルダーに3か月間インタビューした後、変更作業にさらに 25 人を追加するように依頼されました。その時点で、インタビューのアプローチは拡大することはなく、情報をすばやく収集して進歩を遂げ、組織に推奨事項を提供できるようにするための別の方法が必要であることに気付きました。さらに、私が組織外のステークホルダーであるため、何を変更し、どのように変更する必要があるのかを組織に伝えられるだけの組織の信頼性を確立していませんでした。そのため、私は、組織が問題を理解し、それらに役立つ解決策を考え出すための方法として、デザイン思考ワークショップを使用することにしました。このアプローチでは、組織の一員ではない誰かによって設計されたのではなく、組織のために設計された解決策を採用しました。
人々を変化に引き込むためのデザイン思考の適用
図2は、組織を変化に導き、解決すべき問題についての共通の理解を共有し、改善のための解決策のアイデアを創造するプロセスを通じて組織を導くために使用したデザイン思考プロセスを示しています。
図 2 経験を通して使用されるデザイン思考プロセス
1. 構造化面接
構造化面接は、組織内の人々を変更イニシアチブに参加させるための最初のステップでした。各インタビューセッションは2時間続きました。私はマネージメントチームメンバと関わり、彼らが行ったさまざまな作業の役割の提案プロセスについて彼らの見方を学びました。質問は組織と提案プロセスに合わせて調整 (tailored) され、次の5つのカテゴリに対応しました: ステークホルダーの役割、問題の発見 (つまり、問題点 (pains))、問題の検証、機会の発見 (つまり、利点)、および機会の検証。
構造化面接は、人々が改善の可能性のあるプロセスとアイデアについて率直な意見を共有するための安全な環境を提供し、組織の主要なステークホルダーとの信頼を築く機会を提供しました。変更作業の観察フェーズでは、インタビューによって、組織の人々を知り、プロセス、および改善の可能性のある解決策について学びました。しかし、ステークホルダーは問題をよく理解していましたが、解決策についての考えは曖昧であり、インタビューでは解決策がどのように見えるか、あるいは、それらを実装するために何が必要かについて深くは行けませんでした。そのため、共通のテーマを探し、デザイン思考ワークショップを開発するために解決策のアイデアを使いました。
外部のステークホルダーであること (つまり、NASA に属していないこと) は、組織に二重の影響を及ぼしました。私は提案プロセスや組織の一部にいなかったため、脅威とは見なされず、最終的には別の人が提案プロセスの改善に完全に専念するため、それは変化への興奮を生み出しました。3ヶ月の間に合計 27 回のインタビューを行いました。
プロセスの観察部分の一部として、私は Lean Startup (リーンスタートアップ) の手法を活用して、インタビューからの調査結果を収集し、問題と解決策の適合性を視覚化しました:
a. ステークホルダーのバリュープロポジションキャンバス
ステークホルダーのバリュープロポジションキャンバス (図3) を使って、提案プロセスの各マネージメント職のインタビューで収集された情報を収集しました。この手法は、提案プロセスにおける各 ETD マネージメント職の問題点、利点、および機会の視覚化を提供し、特定の問題点の改善、利点を活用するための潜在的な機会における問題点と利点のマッピングを提供しました。インタビューした人ごとに1つのバリュープロポジションキャンバスが作成されました。
図 3. バリュー・プロポジション・キャンバスのテンプレート
b. ミッションモデルキャンバス
インタビューデータを徹底的に分析した後、提案プロセスの一般的な問題点であるコスト見積り、コンセプト開発、プロセスの計画/ガバナンスに関するハイレベルのテーマを特定しました。ミッションモデルキャンバスツールを使って、共通のテーマそれぞれを組み立て、特定のテーマ (つまり、コンセプト開発、コスト見積り、提案プロセスの計画/ガバナンス) の主要なコンポーネントを強調しました。ミッションモデルキャンバスは、ETD の誰がそれぞれの共通テーマに参加したか、他のパートナ組織、その特定の領域が改善された場合の ETD ステークホルダーへの価値、およびサポートまたは意思決定のいずれかとしてソリューションに関与しなければならない組織の概念的なアイデアをキャプチャしました。
図 4. ミッション・モデル・キャンバスのテンプレート
図 5 ミッション・モデル・キャンバスとステークホルダーのバリュー・プロポジション・キャンバスの関係
共通のビジョンを創るためのインクリメンタルアプローチ
インタビューを完了し、提案プロセス、組織、および問題領域を十分に理解した後、私は組織を一連のデザイン思考ワークショップに参加させ、組織がそれぞれの問題領域を調査し、修正が必要な最も緊急課題に優先順位を付け、改善の可能性のある解決策の設計に導きました。
デザイン思考手法は ETD 組織では新しいものでした。そのため、インクリメンタルアプローチ (図6) によって、組織にデザイン思考手法をゆっくりと導入し、提案プロセスへの ETD の関与の将来について共通のビジョンを作りました。
図 6 共通のビジョンを創るためのインクリメンタルアプローチ
私は少人数 (20人) のデザイン思考ワークショップから始めて、エンジニアリングチームの視点を学び、特定の問題点を改善するための解決策を考案するプロセスを通じてガイドしました。最初のワークショップの結果、エンジニアリングチームは、コンセプト開発、コスト見積り、および提案プロセスのガバナンスの特定の提案プロセス領域を改善するソリューションの3つのコンセプトポスターを作成しました。
エンジニアリングチームとのワークショップで収集された情報は、エンジニアリングチームが特定した課題と潜在的な解決策を理解できるように、マネジメントチームと共有されました。次に、マネジメントチーム (10人) によるデザイン思考ワークショップが開発され、提案プロセスの3つの一般的な課題領域であるコンセプト開発、コスト見積り、およびガバナンスについての視点が得られました。エンジニアリングチームの課題と解決策に関する予備知識があったことで、マネジメントチームは、エンジニアリングチームとマネジメントチームの両者が経験する痛みを軽減する解決策のアイデアを作ることに力を注ぐことができました。
2. 問題の発見
a. ステークホルダーマッピング (15 mins)
ワークショップは、ステークホルダーマッピングと呼ばれるアイスブレーカーの活動から始まりました。ステークホルダーマッピングの方法は、マネジメントおよびエンジニアリングチームが提案プロセスで他の人々や組織とどのように相互作用し、組織と人々の間で情報を交換するかを理解するためのコンテキストを作成しました。チームは、ステークホルダーマッピングの方法でワークショップの残りのアクティビティのコンテキストを作成する提案プロセスのソーシャルネットワークをすばやく特定しました。ステークホルダーマッピングは、相互作用の複雑さと幅を捉えました。
図 7 ステークホルダー手法からの成果
b. バラ (Rose), つぼみ (Bud), とげ (Thorn) (1 hour)
ステークホルダーマッピングを使ってワークショップの人々の考え方とコンテキストを設定した後、バラ、つぼみ、とげの方法で、提案プロセスの良い点 (つまり、バラ)、悪い点 (つまり、とげ)、および潜在的な機会 (つまり、つぼみ) を特定しました。これは非常にダイナミックな活動であり、人々は付箋を使用して、提案プロセスのそれぞれの課題領域 (コンセプト開発、コスト見積り、およびガバナンス) について、提案プロセスの良い点、悪い点、および潜在性をすばやく特定しました。アイテムは色分けされていました。バラは赤、つぼみは青、とげは黄色でした。この手法で、マネジメントチームとエンジニアリングチームは、コンセプト開発、コスト見積り、および提案プロセスのガバナンスのトピックを調査し、特定の作業の役割と提案プロセスへの関与のポイントを考慮して、提案プロセスの良い点、悪い点、および機会を強調しました。
c. Affinity Clustering (親和性クラスタリング) (1 hour)
次のステップは、親和性クラスタリング手法を使って、良い点、悪い点、および機会を類似性によってグループ化し、共通のテーマを特定することでした。親和性クラスタリングを使用して、チームは問題のグラフィック表現を作成し、インサイトを共有し、提案プロセスのダイナミクスとエンジニアリング組織がプロセスとどのように連携するかに関連する共通のテーマとそれらの関係についての集合的な理解を得ました。
図 8 バラ、つぼみ、とげと親和性クラスタリング手法の結果
d. 「我々はどうすればできるか」ステートメント (30 mins)
チームは、「我々はどうすればできるか (how might we)」ステートメント手法を使って、親和性クラスタリング手法で識別された各共通テーマをより詳細に調査するように導かれました。この手法の目標は、チームが解決しなければならないある問題について広く考えるように促すことでした。チームは、「我々はどうすればできるか」というステートメントを使用して、問題を質問に変換する規範的なアプローチでさまざまなクラスタを再記述しました。例: 我々はどうすれば ____ を修正できるか? または、我々はどうすれば ____ を改善できるか? チームは、各問題領域の範囲を絞り込み、問題の非常に具体的な側面に焦点を当てることに役立つため、「我々はどうすればできるか」というアプローチを採用しました。このアプローチはまた、対象となる各問題領域を解決するためのさまざまな視点を共有し、それぞれの特定の問題を改善するための解決策の潜在的なアイデアについての会話を始める機会を与えました。
図 9 我々はどうすればできるか手法の例
e. 投票の視覚化 (5 mins)
ワークショップのそれぞれのグループは、ワークショップの解決策探索フェーズで、より詳細に探索したい上位の「我々はどうすればできるか」ステートメントを特定しました。
3. 解決策の探索
a. クリエイティブマトリックス (30 mins)
ワークショップの解決策探索フェーズは、クリエイティブマトリックスから始まりました。この方法で、組織は、さまざまなカテゴリの共通部分を見て、選択された「我々はどうすればできるか」ステートメントのそれぞれを改善するために、可能な限り多くのアイデアを生成しました。マトリックスの行は有効なカテゴリでしたが、列は提案プロセスのライフサイクルのさまざまなフェーズに関連していました。ワークショップで使用されたカテゴリを有効にするいくつかの例は、ガバナンス、リーダシップ、テクノロジー、およびプロセスでした。非常に複雑で多次元の問題を扱っていたため、クリエイティブマトリックス手法により、組織は解決策のアイデアを特定する創造的なプロセスを制限することなく、可能な限り多くのアイデアを迅速な時間の枠で探索することができました。このアプローチは、さまざまなトピックが交差する解決策のアイデアを特定するために、さまざまなグループ間のコミュニケーションとコラボレーションを促進しました。
図 10 クリエイティブマトリックス (Creative Matrix) の例
b. 影響・難易度マトリックス (Impact-Difficulty Matrix) (30 mins)
クリエイティブマトリックスを使って解決策のアイデアを特定した後、影響・利点マトリックス (impact-benefit matrix) によって、各解決策の実装の相対的な重要度と難易度をプロットしました。影響・利点マトリックスは、解決策のさまざまなアイデアに関するチームメンバ間の熟慮を促進し、組織が短期間で潜在的な解決策に優先順位を付け、アクションプランを立てるのに役立ちました。影響・利点手法は 2x2 マトリックスであり、x 軸は潜在的な解決策の相対的な重要度 (低から高) を示し、y 軸は解決策の実装の難易度 (低から高) を示します。
左下の象限にあるアイテムは、実装が最も簡単で、ターゲットまたはクイックウィンとして特徴付けられます。左上の象限は、実装が難しく、重要度が低いため、贅沢品と見なされます。右下の象限にあるアイテムは、影響が大きく、実装が簡単なため、価値の高い解決策と見なされます。右上の象限の項目は、組織に高い価値を提供しますが、実装が難しく、戦略的 (長期) 解決策と見なされます。
図 11 影響・利点マトリックス (Impact-Benefit Matrix) のテンプレート
チームは、影響・難易度マトリックスを使ってさまざまな潜在的な解決策間の関係を示すグラフィックを作成し、解決策のその後の実装のロードマップを作成しました。
図 12 影響・難易度マトリックス (Impact-Difficulty Matrix) の例
c. ストーリーボード (1 hr)
さまざまな解決策を実装するための影響・難易度の評価に続いて、チームは、そのアイデアのユースケースと、その新しいシナリオで起こさなければならない主要な要素と相互作用を示すことを目的として、ストーリーボードのマトリックスから1つの高い価値の解決策を選択しました。ストーリーボードは、アイデアの実装のコンテキストを作り、解決策がどのように機能するかについて、組織のステークホルダーの間で共通の理解を構築しました。
図 13 ストーリーボードの例
d. コンセプトポスター (Concept Posters) (1 hr)
ストーリーボードの作成に続いて、選択された高価値のそれぞれの解決策の実装の要点を説明するコンセプトポスターが作成されました。コンセプトポスターは、解決策がどのように機能するか、解決策の実装に必要なリソース、およびその実装の概念的な時間枠をキャプチャし、提案プロセスのコンテキストで組織の将来のビジョンとロードマップを作成しました。
図 14 コンセプトポスター (Concept Poster) の例
結果
図 15 は、変化のためのデザイン思考ロードマップを使って得られたプロセスと結果をまとめたものです。
マネジメントチームとエンジニアリングチームによる2つの小さなワークショップの結果、合計 41 の「我々はどうすればできるか」ステートメント、210 の解決策のアイデア、および 6 つのコンセプトポスターが特定されました。ワークショップで収集されたすべてのデータは、組織のビジョンと戦略を設定するエンティティであるため、組織のエグゼクティブリーダシップチームと共有されました。
図 15 デザイン思考プロセスの結果
変更イニシアチブの組織目標を確実に達成し、組織に価値を提供するために、私はエグゼクティブリーダシップチームと連携し、2つの小さなワークショップで特定されたすべての「我々はどうすればできるか」ステートメントを優先するように要求しました。それらの優先順位を知ることで、ETD 組織全体を対象とした大規模な (50人の) デザイン思考ワークショップを考案しました。これは、マネジメント、エンジニアリング、エグゼクティブリーダシップの3つのチームの視点を融合させて、組織の1つのセグメントではなく、組織全体で機能する解決策を作成することを目的としています。
大規模な ETD ワークショップは、解決策のアイデアの作成と優先順位付けに焦点を当てていました。大規模なワークショップで、解決策の合計 213 のアイデア、解決策の 60 の優先付けられたアイデア (高価値、クイックウィン、戦略的または贅沢に分類されている) と、組織が実装したいと考えている 6 のストーリーボード、ワークショップの前にエグゼクティブリーダシップチームが特定した 6 の「我々はどうすればできるか」ステートメントのそれぞれに対応する各解決策の 6 のコンセプトポスターで上位 6 の高価値の解決策の選択が得られました。
解決策の優先順位が付けられたそれぞれのアイデアは、提案プロセスの改善の推奨事項として、エグゼクティブリーダシップチームに提供されました。組織が解決策を実装するために必要なリソースが限られていることを考慮して、リーダシップチームはアイデアを組み合わせ、実装時に組織に最大の価値を提供する上位 3 の推奨事項を選択しました。組織は、提案プロセスの 3 の主要な問題領域であるコンセプト開発、コスト見積り、および計画/ガバナンスに対処した、上位 3 の推奨事項を採用しました。各推奨事項を実装するためにチームが結成されました。次に、各チームは、各解決策の完全な実装を実現するために、チームのタスクのバックログに文書化された長期戦略計画とアクションプランを作成しました。チームは、アジャイル開発のコンセプトを使い、各タスクをサブタスクに分割し、スピンとスプリントを作成して作業を管理し、変更イニシアチブの勢いを維持しました。
長期的な影響
変更イニシアチブの結果として、組織は次の変更を実装しました:
- マネジメントチームは、提案プロセスの初期の関与ポイントを特定しました。このポイントでは、コンセプト前の開発フェーズでエンジニアリングチームを関与させ、作業の一部としてより効果的にすることができました。その結果、マネジメントチームの役割と責任の一部が変更され、新しい作業の役割が作成され、科学概念の特定中の提案プロセスの初期フェーズでより積極的なアプローチが取られるようになりました。
- 組織は、提案やチーム間で学んだ知識や教訓を共有する新しい方法を特定し、コンセプト開発とコスト見積りプロセスを加速する方法として、提案全体で知識を再利用できました。
- マネジメントチームとリーダシップチームは、提案を行う際に、よりタイムリーにエンジニアリング労働力を認識する新しい方法を作成しました。これにより、提案が勝てなかった場合でも、新しいタイプのインセンティブと実用的な提案に対する賞が生まれました。
今日、組織はデジタルエンジニアリングの変革の取り組みに取り組んでおり、組織の変化とプロセスの改善を生み出すこの最初の取り組みは、ETD 組織を超えて影響を与えるより大きな変革の基盤と見なされています。
変化の取り組みを通じて抵抗を克服する
変化への抵抗、さらにはデザイン思考プロセスを使うことへの抵抗という課題に直面したときが、何度もありました。
当初、組織は、組織の主要なステークホルダーから情報を収集するためのインタビューの使用に非常に満足していました。しかし、組織内のすべてのレベルの代表者を変革の取り組みに参加させる方法としてデザイン思考ワークショップを行うことを提案したとき、リーダシップチームは、人々を職務から外してワークショップでの一日の仕事に専念することを望まなかったため、すぐにアイデアはシャットダウンしました。この課題を克服するために、私はリーダシップチームと複数の会議を主催し、デザイン思考プロセスとこのアプローチを使用する利点について説明しました。その後、マネジメントとリーダシップチームはこのアイデアに同意しました。エンジニアリングチームとの最初のワークショップが完了すると、提案プロセスと組織の将来を定義する上で違いが生み出されていたため、従業員はエネルギーと熱意に満ちたワークショップを離れました。ワークショップの中で前向きな経験をすることで、彼らは組織および ETD 外部に変化の取り組みについての情報を広めました。これは、その後のワークショップのためにリーダシップチームとマネジメントチームからのサポートを得るのに役立ちました。組織は、デザイン思考の価値を理解し、特定のプロジェクトでの潜在的なユースケースについて考え、デザイン思考の適用についてもっと知りたいと考えていました。
デザイン思考プロセスは、人間とその行動と相互作用、そしてワークショップ中の一部の人々を不快にさせるポジティブとネガティブなことを理解することです。技術組織であるため、プロセスについて話すことは簡単でしたが、プロセスへの参加について話さなければならない場合、それは敏感な点でした。デザイン思考のテクニックが基本的すぎると感じて、ワークショップを辞めることにした人がいました。この場合、その人の考え方を変えるために私にできることは何もありませんでした。代わりに、提案プロセスに関する情報を提供するための代替方法として、インタビューのオプションを提供しました。
抵抗の1つの側面は、組織の文化と関係がありました。マネジメントチームとのワークショップの準備で、エンジニアリングチームにワークショップの出発点として具体的なコンセプトポスターを見せて話し合ってほしいと思いました。しかし、チームはこのアプローチに不快感を覚えました。彼らの組織文化では、マネジメントやリーダシップチームに「ドラフト」の成果物を提示することは決してありませんでした。コンセプトポスターは不完全な作業成果物として認識されていました。これには、アプローチを変更する必要がありました。代わりに、マネジメントワークショップとリーダシップワークショップの数時間前に、コンセプトポスターとエンジニアリングワークショップのすべての資料を壁に掲示して、人々が作業成果物を見ることができるようにしました。さらに、ワークショップからのすべての情報を文書化し、大規模な ETD ワークショップの1週間前に組織全体で利用できるようにして、人々がさまざまな提案された解決策について理解し、解決策のアイデアについて考え始めるスピードアップができるようにしました。このアプローチを使用することで、エンジニアリングチームのニーズを検証し (不快な状況に置かないようにするため)、エンジニアはマネジメントやリーダーシップチームと自分の考えを共有することをより快適に感じました。大規模なワークショップの前に、インタビューと小規模なワークショップの結果の透明性を提供することにより、組織の他のステークホルダーは、プロセスのマネージャおよび組織のリーダとして、提案プロセスへのエンジニアの参加を改善するために、自分たちに何ができるかを考え、オープンな考え方を持ちました。
組織の変化のためにデザイン思考を使用する推奨事項
- デザイン思考などの新しい技術を組織に導入するときは、段階的 (インクリメント) に行うのが最善です。これにより、頻繁にフィードバックを収集し、途中で必要に応じてアプローチを調整する機会が提供されます。新しい手法をゆっくりと紹介し、後で組織内のさまざまなグループのすべての視点をまとめる大規模なチーム間デザイン思考ワークショップを作成するために使用できる特定のグループの視点を収集するために、小規模な対象ワークショップを開催します。小さなワークショップに参加した人たちに大きな活動に参加してもらうことで、仲間がさまざまな手法を理解するのを助け、前向きな経験を生み出すでしょう。
- 組織へのアプローチを調整 (tailor) します。変化の作業をサポートするためのさまざまなチームの時間的制約を考慮して、さまざまなワークショップの準備のために人々が戻って資料を確認できるように、すべての情報をレポートとプレゼンテーション形式で利用できるようにしました。
- 組織に価値をもたらす推奨事項を提供する最善の方法は、彼らが抱える課題を理解するプロセスを通じて彼らをリードし、解決策の独自の潜在的なアイデアを設計させることです。影響・難易度マトリックス (impact-difficulty matrix) から優先順位付けられたアイデアが、改善のための推奨事項になります。
- 推奨事項にとどまらないでください。チームが推奨事項の実装に向けて明確な道を歩むための戦略的 (長期) およびアクション (短期) プランのバックログを作成し、組織が何が成功であるかを把握できるようにします。
- 組織に新しい視点をもたらし、新しい技術とツールを示し、新しいアプローチの利点を示して、人々は変化に興奮します。変化の作業を通じて変化エージェントをトレーニングするためのオンザジョブトレーニングを提供します。
著者について
Lymari Castro 氏 は、国防総省 (DoD) のシステムエンジニアです。DoD での18年間、彼女はさまざまな複雑なミッションや戦略的イニシアチブにシステムエンジニアリングの専門知識を提供してきました。Castro 氏は物理学の理学士号 (BS)、工学物理学の修士号 (MEng) およびシステム工学の修士号 (MEng) を取得しています。彼女は、Scaled Agile Framework、Scrum at Scale、Large Scale Scrum、および Enterprise Business Agility Strategist の認定を受けています。彼女は、国際システム工学評議会 (INCOSE)、ヒスパニック専門技術者協会 (SHPE)、女性技術者協会 (SWE)、Agile Alliance、および国防産業協会 (NDIA) のメンバです。