アジャイルプロジェクトをファシリテートする際の主な責務は、チームが使用しているプロセスの周辺にあるかもしれないが、活動のその他の側面もまた含まれている。例えば、チーム開発、文化を変えていく際のマネージメント、管理用の技術的なツール、そしてプロジェクトに直接的あるいは間接的に関わる他のファシリテータとの協力などである。
Mishkin Berteig氏はプロセスのファシリテータに関する記事の中で、ファシリテータ(source)に求められる以下のスキルを挙げている。
- 基本的なアジャイルの活動を管理するスキル
- 障害の除去
- チームのダイナミックスと育成
- 個人のコーチング
- 組織的な開発
- グループやチームのトレーニング
- アジャイル方法論の推進
- アジャイル方法論の戦略的な応用
これら全てがファシリテータに過度の負担をもたらしているのだろうか?彼らは、自分達が対処できるよりもずっと多くのことをしようとしているのだろうか?
グループのメンバの多くは、何らかの状況で燃え尽き症候群に直面したと認めている。Jo Nelson氏は、3ヶ月間働きつづけた後で燃え尽き症候群(source)を体験した。その間は週末も休まず、顧客のもめ事に耐えたり予定以上の仕事をしていた。最後には、ミーティング中に椅子から立ち上がろうとしたとき、単純な歩くという動作を思い出せなかったのである!Jan Haverkamp氏も、自身が燃え尽き症候群になったときのことを述べている。ルーマニアで2年間、そしてその後ウクライナで2年間働いた後、3日間の戦略に関するワークショップの最中に限界点(source)に達し、話が終わった後、彼は一人で泣いた。
ファシリテータには厳しい責務が間近にあり、自分たち自身の管理についても実際的になる必要があるという点で、このグループの意見は一致しているようである。Juli Fellows氏は次のような考えを述べた(source)。
Jo Nelson氏は別の戦略(source)を提案した。私は、ファシリテートするのは週に3日までに限ることを身につけました。グループ内に対立がある場合は特にそうです。もし丸3日より多く予定を入れてしまうと、私の気持ちやエネルギーがやりたいと思っていることがなくなってしまうのです。
John Powderly氏はファシリテーションの燃え尽き症候群への対処法として、おもしろい対策(source)を打ち出したようである。彼は次のように付け加えている。私はできるだけ多くの時間を一人で、誰にも付き合わなくてよい所で過ごしました。私にとって、自然界は再び活力を与えてくれます。ですから、しばらくの間、ゆっくりと、あれこれ思いをめぐらせながら一人で散歩にでかけられる場所と時間を見つけ出したのです。楽しい小説を読み、そして頭をつかったり言葉を使ったりする必要が無くて創造的な、ハンドクラフトを行いました。ヨガや深呼吸をたくさんしましたし、集中できる音楽を聞きました。
私は、もはや自分のことをファシリテータとは呼びません!ファシリテーションは今やスキルであり、あるいは私が行っていることの哲学的な基盤なのです。そして私のアイデンティティとの関連は、少なくなっているのです。現在、私は自分のことを「戦略的研究、企画、共同作業の専門家」と呼んでいます。しかし、私は今の段階から抜け出そうとし続けていますので、これもまだ変わるかもしれません。
グループのメンバは、ファシリテーションに関係のある主要なタスクや二次的なタスクのすべてにおいて、燃え尽き症候群は現実の問題であるということで意見が一致しているようである。違いは、その段階に近づいたときにそれを認識し、すぐに正しい対処が行えるかどうかに拠る。Jo氏のやり方は、ファシリテータが燃え尽き症候群に近づいていることに気づくことに鍵があることを示している。そろそろ、あなたの本質的な価値を考えるときであり、あなたが元気で健全なままでいられる戦略の発展に努めるときである。最終段階は、そうした戦略に従うことである。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/04/facilitating-agile-projects