多くのアジャイルチームでは、暗黙的に'価値'とチームの'ベロシティ'は正比例すると前提している。幾つかのケースにおいては本当にそのような傾向が見られる。しかしながら、多くの場合はチームのベロシティが本当に価値を提供できたかはほとんど示さない。
Ryan Shriver氏はステークホルダーと理解しあえるよう、'価値'とは、提供できた利益を計測したものであると提示した。一方、ベロシティはチームがイテレーションの間に提供できたストーリーポイントを合計したものとした。全てのこれらストーリーポイントが価値を提供できたかどうかは議論の余地がある。Ryan氏によれば、開発チームは下記の質問に答えるべきだとしている。
あなたのプロジェクトや製品、サービスのうち、何が人々にとって最も資金を得られるものでしょうか?例えば収入やマーケットシェアを増加させたり、オペレーションを効果的にできるなど、ソリューションから価値を期待できますか?(私たちはこれをビジネスバリューと呼びましょう。)
またソリューションに対するチームの働きは見積に正確ですか(ベロシティ)?
同様に、Mike Cottmeyer氏は価値とベロシティはお互いに明確なつながりはないことを提示した。とはいえ、チームがとんとん拍子でフィーチャーを加えた後、さらにフィーチャーを加えると、ひどいベロシティを得るだろう。しかし、もし営業チームが製品を売ることができなかったり、そのサービスがビジネスとして使われなかったりしたとき、チームは本当に小さな価値しか表せない。複雑な製品に価値を追加するのもまた、全てのチームの連携によって決まるだろうと述べた。
Mike氏によると、
市場に新しい製品を提供するため、一緒に働くチームを4つ、あなたが持っていると仮定しましょう。Aチーム,Bチーム,そしてCチームはとてもすばらしいベロシティですが、Dチームは彼ら自身の仕事を協力できなかっただけでした。チームDは究極的にリリースに遅れ・・・すべての製品が市場へ出荷が遅れました。その間に、競合が製品の最新版をリリースし、あなたはそれほどうまくできなかったのです。
チームA、チームB、そしてチームCのベロシティはどれだけはあなたの全ての製品の価値へ反映できたのでしょうか?さて・・・とてもいいベロシティが・・・あまり価値を生みませんでした。
だから、もしベロシティに欠陥があるのであれば、何が生産性を図るのに一番よいのでしょうか?
Kai Gilb氏はバリュープロダクトオーナーと言う役割を提示した。彼はどのようにステークホルダーと 製品の価値が、価値を計測する事でスクラムを統合できることを図示した。ここにはプロダクトオーナーの計画、優先度、そしてステークホルダーと製品の価値レベルが図示されていた。
Ryan Shriver氏は価値を計測するほかのテクニックを提示した。
James Shore氏は生産性の計測に興味深い方法を提示した。これはバリューベロシティと呼ばれている。James氏によると、
あなたのビジネスの専門家が事前に見積を行い、提供後のビジネスの価値を計測するのはかえって難しいのです。ここにはトリックがあります。全てのストーリ(もしくはフィーチャ・・・続けて読んでください)は計画される前に見積られています。イテレーションの最後には、そのイテレーションで終えられるストーリーにより価値の見積が意味を成します。この'価値'は伝統的なベロシティに似ています。価値の見積はプログラマのコストの見積というよりはむしろ、顧客の見積を基にしています。
従ってベロシティはチームの生産性の真実を常に反映していたとは言えません。提供する価値の計測と、改善によって具体化されたものの効果が、全てのイテレーションのベロシティよりも高い価値を提供するキーなのです。