The Open Groupは、先週2つのあたらしい業界標準をリリースした。The Open Group Service Integration Maturity Model (OSIMM)とSOA Governance Frameworkだ。
OSIMMは、企業内外でSOAとクラウド・コンピューティングを継続的に導入していくための業界で広く認められた成熟度モデルを提供する。SOA Governance Frameworkは、SOAの成功率を向上させる実証済みのガバナンス標準を組織が適用するための無償のガイドだ。
成熟度モデルは、次の7つの成熟度レベルからなる。
- レベル1: サイロ
- レベル2: 統合済み
- レベル3: コンポーネント化済み
- レベル4: サービス
- レベル5: 複合サービス群
- レベル6: 仮想化されたサービス群
- レベル7: 動的に設定で変更可能なサービス群
これらすべてが、次の7つの軸で定義されている。
- ビジネス
- 組織とガバナンス
- 方法論
- アプリケーション
- アーキテクチャ
- インフォメーション
- 基盤と管理
この標準には、一連の質問がついており、この質問に答えることで組織の現状の成熟度レベルを測ることができる。また、あるレベルから次のレベルに移ることで得られるものを詳細に述べている。例えば、ある組織がコンポーネント化済みからサービスの成熟度レベルに移行することで、その組織は次のようなものが得られる。
コンポーネント化済み成熟度レベルからサービス成熟度レベルへの移行により、その組織はバリュー・チェーンに関わる他の企業内の組織や社外から、今まで以上にサービス・プロバイダとして見られるようになる。ビジネス・サービスは再利用可能となる。この成熟度レベルでは、実行されるプラットフォームによらない標準的なインターフェースを通して呼び出されるサービスを再利用することにより、複数のシステムで同様の機能を再開発する必要が(そしコストも)なくなってくる。
SOA Governance Frameworkは次のようなものだ。
組織がSOAガバナンスを理解し、実践するための背景と各種規定を提供するフレームワークだ。
このフレームワークは、以下のようなものを規定する。
- SOAガバナンス。ビジネスとITとEAガバナンスとの関係を含む
- SOA Governance Reference Model (SGRM)
- SOA Governance Vitality Method (SGVM)
The Open Groupによる「ガバナンス」の定義とは次のようなものだ。
ガバナンスとは、組織の目標を達成するために、人々やソリューションを協調して動かす方法を確立し、実行することを意味する。管理方式を整備することに集中することにより、ガバナンスを場当たり的な管理活動と違ったものにしている。
SOA Governance Reference Modelは、いくつもの要素によって支えられている。
- SOAガバナンス指針
- SOA管理プロセス
- ガバナンスのきいたSOAプロセス
- SOAガバナンス・プロセスの成果物
- SOAガバナンスの役割と責任
- SOAガバナンスのテクノロジ
SOA Governance Vitality Methodとは次のようなものだ。
まずはSOA Governance Reference Model (SGRM)を基準として活用し、その後、この基準のモデルを組織ごとの固有な部分に対応するために、カスタマイズしたフェーズごとの活動を行うという一連のプロセス。SOAガバナンスは一つのプロジェクトとしてではなく、プロセスとして認識されるべきだ。従って、SGVMのフェーズは、継続的な改善のループとしてとらえるべきなのだ。成果が計測され、SOAガバナンスの計画とロードマップの軌道修正と更新が必要に応じて行われるのだ。