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ソフトウエア特許に対する賛否両論

原文(投稿日:2011/08/26)へのリンク

近頃、特許に関するニュースが多い。中でも多いのが、HTC、Samsung、Google、Appleなどのスマートフォンベンダが関わる話題だ。また、これに関わる感情的な論争も勃発し、特許がイノベーションを保証すると主張する者もいれば、特許は武器だという者もいる。一体、誰が正しく、誰が間違っているのか。言い換えれば、ソフトウエアの特許は利益より害を引き起こすのか。それとも反対か。

最近の記事で、Martin Fowler氏は自身の見解を書いている。氏が引用しているのは、特許が無ければ産業革命は起きなかったというWilliam Rosen氏の意見だ。発明家や裕福なパトロンがいない人でも特許があればイノベーションを起こせる。したがって、特許は産業革命の最良の発明だったのだ。しかし、ソフトウエアの特許の場合、特許という素晴らしい資産は誤って使われてきた。Fowler氏によれば、

特許の本質は、(限られた期間の間)新しい技術の独占を認めることです。

しかし、氏は次のように言う。

ソフトウエア産業で働く人は皆、新しい技術だけでなく、前から使われている技術の権利を主張するためだけに特許が見せびらかされているのを見てきています。そして、それらの技術は普通のプログラミング技術を持っている私たちから見れば自明の技術なのです。

ソフトウエアの特許もっと具体的で狭い範囲に適用されるべきだが、実際はとても広い範囲を含むこれは巨大な組織が特許を戦いの道具として使う場合が増えているからだ。このような特許の乱用はイノベーションを起こすどころか、阻害してしまう。さらに悪いことに小さな会社や個人は特許訴訟を戦うための資金も時間もない。そして、最終的には独占を生み出す。一例を挙げれば、Googleによれば、Android携帯は250.000もの特許を手に入れている。

Erick Schonfeld氏はこの記事で他の問題を指摘している。企業が自身のビジネスを守るため何十億ドルも支払ってライバル企業の特許訴訟に対抗したら、この分の投資額は新しい雇用の創出や新しい製品の開発などの生産的な活動には使われない。

特許のコストは(ソフトウエアに限って言えば)、その特許が社会に与える価値を上回ります。

また、氏は今は特許バブルの真っ最中だと考えている。

アメリカとEUがソフトウエアの特許の状況を改善しようとしているが、まだ適切な基準が確立できていない、とRichard Stallman氏はGuardianで記事で言っている。特に、EUの特許を支持するロイビスト達は統一的特許という概念を提案している。ヨーロッパの特許がある発明者に認められれば、イタリアとスペインを除く、EU加盟国全体で有効になるという仕組みだ。Stallman氏は、これが原因でヨーロッパでもアメリカと同じように特許戦争が起こるかもしれないと考えている。 このロビー活動の詳細はここで確認できる。

もちろん、ソフトウエア特許の支持者もいる。突出した活動をしているのは、IP(知的財産)のの著者であるBob Zeidman氏だ。氏は8月24日に行われたUCバークレー校のEdward A. Lee氏との議論で、ソフトウエアの特許が存在しなければ企業や個人がアイディアを盗まれた場合、対抗する手段がないと主張した。さらに、氏は技術的進歩を推し進めたければ知的財産保護という考えを受け入れる必要があると言う。氏の考えはInformITのポットキャストでも聞ける。

ソフトウエアの特許については賛成、反対のたくさんの議論があるが、反対者の方が多いようだ。Fowler氏はソフトウエアの特許は素晴らしい手段になるかもしれないが、それは"特許の中核にある有益な原則に立ち返り、正しく利用した場合"だと結論付けている。しかし、現在のような状況が続くのなら、ソフトウエアの特許は根絶したほうがいいだろう。

この賛否両論ある議論について、あなたはどのような意見をお持ちだろうか。

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