Thoughtworks が先日公開した白書で取り上げた 継続的デリバリ (CD, Continuous Delivery) の成熟モデル は,多くの企業がイノベーションの重要性を理解しながらも,ビジネスリーダの要求に対して十分な速さでソフトウェアを提供できていない,という調査結果に対する回答だ。そこでは企業における継続的デリバリのレベルの低さが,戦略的パートナとしてのソフトウェア開発チームの立場を阻害すると同時に,ビジネスの要求に対してソフトウェアのリリースが遅れを取る原因となっている,と説明されている。
Thoughtworksが意図するのは,プロセスとツールの ギャップを評価する手段として成熟度モデルを利用 することによって,企業が改善すべき領域の明確化を可能にすることだ。彼らは継続的デリバリを,ソフトウェア開発の生産性を期待されるレベル以上に向上し得るソリューションとして捉える。それによって技術部門内に,企業の戦略的方向性に重要な役割を果たす能力が生まれることを期待しているのだ。白書では,以下のようなレベルと成果が詳細に説明されている。
- 5: 最適化 – 継続的デプロイ の実現により,ビジネス上の実験とイノベーションを実現する。
- 4: 定量的管理 – リリース・オンデマンド: ソフトウェアは常にリリース可能な状態にある。リリースタイムボックスが明確に定義されると同時に,ビジネスニーズを十二分に満足する。
- 3: 明確化 – リリース候補版の定期的提供: リリースタイムボックスは明確に定義されているが,着想から製品リリースまでの期間はビジネス上のニーズに達していない。
- 2: 管理 – 計画的リリース: リリースタイムボックスは明確に定義されているが,着想から製品リリースまでの期間はビジネスニーズに達していない。
- 1: 初期状態 – アドホックなデプロイ。