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Cloud Native Computing Foundationが新メンバと技術的コントリビューションの受け入れ開始を発表

原文(投稿日:2015/12/23)へのリンク

‘クラウドネイティブ’なアプリケーションとサービス開発の促進を目的として創設されたLinux FoundationコラボレーションプロジェクトCloud Native Computing Foundation (CNCF)が,新たなメンバの参加とオープンガバナンスの公式な構成,関連技術スタックに関する詳細を発表した。

CNCFのフォーメーションは今年初めのOSCONカンファレンスで,“コンテナとしてパッケージされて動的にスケジュールされるマイクロサービス指向”の‘クラウドネイティブ’環境において,ソフトウェア開発とデプロイメントのサポートを目指すものとして発表されている。

CNCFのWebサイトには財団の主な目標として,オープンソース技術,リファレンスアーキテクチャ,クラウドネイティブアプリケーションの標準共有があげられている。この活動には,業界全体からさまざまな組織が参加して,公式な資金支援を行っている。先日参加した新メンバの一覧については,CNCFのWebサイトにある関連発表で見ることができる。

CNCFはまた,オープンガバナンス構成の承認についても発表した。その中には,技術的な決定の指揮とワーキンググループプロジェクトの監督,コードベースへのコントリビューション管理を行う技術管理委員会(Technical Oversight Committee/TOC)や,ビジネス上の意思決定の指揮と技術およびエンドユーザのコミュニティ間の意見調整を図るエンドユーザ諮問委員会(End User Advisory Board)およびその理事会(Board of Director)が含まれる。

ノミネートはTOCメンバすべてに開かれているので,関心があるならば誰でもCNCFへ照会するように求めている。プロセスに関する追加情報はcncf-tcメーリングリストで確認できる。技術面でのコントリビューションは誰でも可能だ。現状はCNCF TOCに提出して,そのレビューを受ける必要がある。CoreOSCEOのAlex Polvi氏は,同社の主要なオープンソースプロジェクトを財団に寄付する意思を示している。

[...] CoreOSは,コンテナ化されたインフラストラクチャの稼働と管理の世界を実現する技術革新を維持すべく,クラウドネイティブ産業のリーダたちと共に活動できることを心待ちにしています。私たちが業界の一員として,クラウドネイティブなコンピューティングのメリットをすべての人々に提供するための開発に,ベンダ中立な立場で加わることの証として,当社の主要なオープンソースプロジェクトを財団に寄贈するつもりです。

技術的なコントリビューションとして期待されているものには,オープンソースのDockerコンテナ用オーケストレーションシステムであるGoogleのKubernetes ,構成情報の共有やサービスディスカバリのための一貫性を備えた分散型キーバリューストアであるCore OSのetcd,etcdを利用したコンテナ用の仮想オーバーレイネットワークであるCore OSのflannelなどがある。さらにCNCFのWebサイトでは,SupermapがCNCFの技術の発展に資するべく,大規模なコンピュータファームを用意していることにも言及している。このインフラストラクチャを使うことで,複数のスケーラビリティテストやパフォーマンステストの実行が可能になると同時に,さまざまなソフトウェアスタックを容易かつ大規模にデプロイできるようになるだろう。

CNCFでは当初,オーケストレーションレベルのオープンソース技術への取り組みを計画していたが,その後'コードファーストアプローチ’を通じてAPIや標準を定義することにより,ホストやサービスの統合にも取り組むようになった。さらにCNCFは,コンテナイメージの仕様に関してOpen Container Initiative(OCI)や,あるいはCloud Foundry Foundationなど,他のLinux Foundationのコラボレーションプロジェクトとも協力関係にある。

InfoQは,Metaswitchのソリューションアーキテクチャ担当ディレクタでProject CalicoエバンジェリストのChristopher Liljenstolpe氏と会談し,同社のCNCFへの関与について聞いた。

InfoQ: Project CalicoはCNCFに何を提供するのでしょうか?

Liljenstolpe: Project Calicoは,これまでにも多数のCNCFメンバが(技術提供およびユーザとして)参加して,“クラウドネイティブ”なネットワークインフラストラクチャの提供と,クラウドOS/オーケストレータとネットワークプロバイダ間のインターフェースがクラウド開発/展開/運用モデルに沿ったものであるという証明を行っています。彼らの多大な努力をひとつ‘屋根’の下に集めることは,エコシステム全体の利益になります。

InfoQ: CNCF TOC全体として,コミュニティにどの程度の影響力を持つと思われますか?

Liljenstolpe: TOCはまだ選ばれていません。ですがCNCFを構成するコミュニティ全体が,実務の世界における現実的問題解決の方向に傾いていますから,そのアプローチが (意図として)TOCのアプローチであるならば,TOCはCNCFの活動を適切かつ集中的に続けられるようにできるはずです。

InfoQ: エンドユーザ諮問委員会と理事会の役割は,CNCFに対してどのように重要なのでしょうか?

Liljenstolpe: たとえ最高の技術的ソリューションであっても,現実世界の問題を解決できないような,あるいは既存のソリューションセットに課せられた制約を取り除けないようなものが無用であることは,いつの場合も同じです。これまでにCNCFに関与したエンドユーザは,これらクラウドネイティブなインフラストラクチャのデプロイや利用を,実際の業務で率先して行ってくれています。何が有効で何がそうでないか,それはなぜか,といった点に関する彼らの洞察は,CNCFが正しい方向に向かう上で非常に重要です。

CNCFに関する詳しい情報は,同財団のWebサイトで見ることができる。サイト内の”Join Us"セクションにあるオンラインフォームを通じれば,財団への参加も可能だ。

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