Ticketmasterは,開発者ポータルと一般向けAPIスイート,Webページウィジェットを3月末にローンチした。近日中に提供されるモバイルアプリケーション統合用のSDKとも合わせて,イベントAPIの世界に足を踏み入れることになる。
APIはそれぞれ,apikey
に基づく認証パターンを共有し,デフォルトでは1日あたり5,000回というコール数制限が設定されている。APIエンドポイントではCORS(Cross-Origin Resource Sharing)も可能なので,Webページやアプリケーション内部からの利用も簡単だ。
アカウントの作成は簡単だが,サインアップ時に“アプリケーションURL”の入力を求められる -- が,最初のアカウントの作成では,http://localhost/
で可能だった。サインアップシステムは初期“アプリ”を作成した上で,サンプルコードやインタラクティブなAPIドキュメントで利用する“コンシューマキー”と“コンシューマセクタ”を生成する。
認証手順が必要なインタラクティブAPIコンソール(Apigeeでホストされている)では,カスタムトークン
のインターフェース(クエリ文字列あるいはヘッダとして)か,あるいはOAuth2
が提供される。ただし,ドキュメントの参照のみの場合には,apikey
クエリ文字列パラメータを使用する。
それぞれのAPIに対する応答はapplication/json
形式だが,HAL(Hypermedia Application Language)のアフォーダンスも含まれている。HALの_links
と_embedded
キー/バリューは汎用的なメディアタイプだが,Ticketmasterではこれらを文書化した上で,開発者にその利用を推奨している。“Accept: application/hal+json
”リクエストには依然として“application/json
”レスポンスが求められる。さらに“format
”URIテンプレート変数も必要で,jsonと同じ値でなければならない。
利用可能なAPIは6つのグループに分けられている。
- ディスカバリAPIにはイベントやアトラクション,開催地の検索(venue search)に加えて,指定されたインベントの詳細情報やイメージのロードが含まれている。
- コマースAPIは“イベントID”(ディスカバリAPI経由で取得可能)を処理して,さまざまなチケットや価格の他,“areas”や“offers”(意味や使い方は資料でははっきりしない)といった識別子を返す。
- パートナAPIはショッピングカートや支払システムを備えた,完全なチケット購入システムを構築するための基盤を提供する。
- ディールズ(Deals)APIはディスカバリAPIに似ているが,現在販売中の商品とグループディスカウントのイベントに対象を限定している。イベントのリストは,metro areaに関連付けられた整数値の“マーケットID”を使ってフィルタすることができる。
- パブリッシュAPIも同じ”マーケットID”を使用する。ディスカバリAPIで開催地やアトラクションを特定することにより,Ticketmasterに送信するイベントデータをディスカバリAPIで使用可能なデータにする。
- インターナショナルディスカバリAPIは,概念としてはディスカバリAPIと同じだが,ユニークなJSONフォーマット(ハイパーメディアアフォーダンスは含まない)を使用する。このAPIを使用するには,ユニークなAPIキーを取得するための要求を(Eメールで)別途行なう必要がある。
APIの大部分には,応答コンテンツから生成されたインターフェースをローカライズするための他言語オプションが用意されている。
パートナ,パブリッシュ,インターナショナルディスカバリの各APIには追加の利用要件がある点に,開発者は留意する必要がある。
Ticketmasterが開発中のAPIと開発者コミュニティの活動については,彼らの技術ブログ,開発者向けイベントページ,オープンソースプロジェクトのWebページなどで確認することができる。
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