オラクルはJava商用サポートの提供方法を変えると発表した。キーポイントはエントリレベルサポートがデスクトップごとに月額2.5ドル、もしくはCPUごとに25ドルになったということだ。
プロダクトマネジメントのシニアディレクタであるDonald Smith氏が新しいサブスクリプションモデルを取り上げたブログ投稿を公開した。InfoQはこの新しい進展についてさらなるコメントを求めオラクルに接触した。
InfoQ「オラクルは現在GPL 2 (+ ClassPath Exception) ライセンスでJavaバイナリを提供しています。そこではリリースは現在のものが対象とみなされます (すなわち6ヶ月間、次のリリースが来るまで) 。どのライセンスの下でバイナリアップデートはSE契約者に届けられるのでしょうか?」
Smith氏「Java SEサポートロードマップのとおり、これはJava SE 9から始めているのですが、BCLでの無償のOracle JDK提供に加えてオラクルはオープンソースライセンス (Linuxのものに似たもの) でのビルドも提供し始めています。オラクルはオラクルが提供するOracle JDKとOpenJDKビルドを交換可能にする作業をしているのです。商用サポートやエンタープライズ管理ツールを望まない開発者や組織を対象にしています。
Oracle Java SE 11 (18.9 LTS)以降でも、Oracle JDKは開発やテスト、プロトタイピング、デモンストレーション目的では継続してロイヤリティフリーで利用できます。オラクルのOpenJDKビルドは商用サポートやエンタープライズ管理ツールを望まない方にも使っていただけます。契約者に提供するライセンスは長年にわたるJava SE AdvancedとJava SE Suiteという製品のものと一致しています。」
InfoQ「アップデートはどのように開発されますか?オラクルがJDKレポのメインラインに修正をコミットして他のJDKバージョンにバックポートするという今のやり方を続けるのでしょうか?」
Smith氏「サブスクリプションFAQのとおり、Java SEのサブスクリプション製品はOpenJDK向けのオープンソースにおいてオラクルがどのようにビルドをリードし、開発し、提供するのかということを変更するわけではありません。長年にわたるコントリビュートとやり方をすべて続けます。Java SEサブスクリプションでは私たちがリリースを開発、管理する方法を変更しないということを提示しており、単に新しくより便利なライセンス、サポートなのです。
InfoQ「オラクルはどのくらいの期間各JDKバージョンのソースリポジトリを公開し維持するのでしょうか?現行モデルでは、フィーチャーリリースのソースリポジトリは次のリリースが来ればすぐに非推奨とされます。LTSリリースの各JDKバージョンのリポジトリはどのようになりますか?」
Smith氏「先ほど議論したように、Java SEサブスクリプションはOpenJDKへのコントリビュートに影響を与えません。」
InfoQ「コミュニティグループや非営利のオープンソースプロジェクトへ無償もしくは縮小したサブスクリプションを供与する予定はありますか?」
Smith氏「オラクルはOracle Academyを通じてさまざまなプログラムと提案を出しています。この範囲外での具体的な金額はオラクルのセールスに問い合わせてください。」
Javaのデスクトップのインストールが大量にある企業やその他の事業所にとって、この発表は単に商用サポート契約がより単純な価格構成となったということを表すだけである。一方、サーバサイドのJavaアプリケーションを開発しているだけのチームにとっては、これは商用サポートが必要でない限りOpenJDKが代表的な存在とみなされるべきであるという兆候がなお一層強まっている。
長期間サポート (LTS) リリースへの全アップデートは、LTSリリースが維持される全期間中、公開されているGPLライセンスのリポジトリに継続して入るということをオラクルから確認できたというのは重要である。これが意味することは、商用ライセンスのOracle JDKのリリースはすべて、コミュニティ (たとえばAdoptOpenJDK) や他ベンダ (たとえばレッドハットのIcedTeaやAzul Zulu)による無償ライセンスの認定されたOpenJDKバイナリビルドにマッチさせることができるということだ。
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