AgileEVMは、出来高管理の指標を使用した基準計画と比較し、コスト、スケジュール及びスコープの実際の値を計測する伝統的なプロジェクト管理手法を適応したプロジェクト管理手法です。測定の方法は、Scrumプロジェクト管理フレームワークに適応するように作られました。AgileEVMは、費用対効果を測定するために、全ての製品ライフサイクルで、伝統的なEVM指標と一緒にに使うことが出来ます。これはAgileプログラムマネージメント構造に対する重要な追加です。全ての製品ライフサイクル全体に行き渡る傾向に対して、重要な警告を早期に与えることになります。
AgileEVMのメソッドは、伝統的な出来高管理のテクニックと同じ測定基準を元にして作られているので、AgileEVMとEVMの二つはプログラムレベルで結果を与える雑多なメソドロジープログラムに組み入れることが出来ます。例えば、Agileプロジェクトに由来する出来高は、プログラム又はポートフォリオの範囲内で伝統的な計画によるプロジェクトに由来する出来高と一緒にすることが出来ます。そして、二つともトータルな出来高に落ち着きます。プログラムで、さまざまなタイプに関する費用効果の情報を提供することにより、AgileEVMは、潜在的な危険を見つけ出し、意思決定に含む分析情報を与えてくれます。
Info Tech社でAgileEVMを使用
AgileEVMは、最初は、Scrumフレームワークを使用している開発のテンポが早いプロジェクトに関する特定のパフォーマンス情報を取得する必要があったので開発されました。関係したチームは、このリリースのために、一週間のスプリントへ移ることに決めました。スプリントとはScurmの開発サイクルのことである。リリースの最終版はかなり変わりやすかったです。理由はProduct Ownerが、リリースに含まれる予定になっていた新機能を毎週確認していたからです。予算とリリースのスケジュールが速いスピードで変動しているにも関わらず、伝統的な出来高管理のメトリクスをScrumプロジェクトに適合させたことによって、ScrumMasterは、正確にこれらの必要条件の変化が与える影響を予測することが出来ました。ScrumMasterは、この情報をProduct Ownerやチームと共有することができました。また、さらなる決定を助けるために彼らに情報を与えました。
Scrum やAgileEVMを一つのプロジェクトで実践してから2年後、Info Tech社のプログラムマネージャであり且つ輸送管理ソフトウェアのマーケットリーダーであるTom Blackburn氏は、自身のポートフォリオのプロジェクトに関する重要な予算と予定を伝えるために、現在出来高データを利用しています。
会社製品リーダーは、製品投資決定を行う際の拠り所として、burndownデータとともにこの情報の結果を使用します。その上、出来高のメトリクスは、全てのスプリントのために、burndowとAgileメトリクスを同じ場所に配置されたチームへ送られます。その結果、チームは製品ライフサイクル全体を通してコミュニケーションが改善された製品チームと効率的にデータを共有することが出来ます。
「我々は、AgileEVMを使う重要な利点のうちの一つはburndownと併せて、そのデータを使うことであるということを理解していますそれは、我々に成り行きがどうなっていくかということに関して事前に警告を与えてくれます。我々がより多くの情報を持てば、より良い意思決定が出来ます私のチームが、プロジェクトに関する洞察力をより一層持てるように、私はCPI(コストパフォーマンス指標)とSPI(スケジュールパフォーマンス指標)の価値を追いかけています。」とTom Blackburn氏は言いました。
AgileEVMメソッドは、この方法論を用いて既にアクセス可能な情報を使用している簡単にコストが追跡出来る方法を提供します。AgileEVMは、明確且つ簡潔な方法で、完了した実際の仕事と予算及び予定を結びつけます。これは、リリース計画をサポートするのに役立ちます。何故なら傾向を分かることが出来、そして各々のチームが実行している方法に関してより深く理解することになります。
AgileEVMをプログラム管理レベルへ拡大する
大きなプロジェクトやプログラム上で、EVMメトリクスは、プロジェクトのメトリクスを増やしていいく方法として使われました。この方法はAgileプログラムへ直接翻訳します。プログラムが製品ライフサイクルのすべての段階、例えば、開発、メンテナンスそしてサポートなどの段階で、Agileの方法を使用するかどうかに関係なく、または伝統的且つAgileのメソドロジーが混ざったものを持っているかどうかに関係なく、EVMのメトリクスをプロジェクト全体で計測することは可能で、プログラムやリリースレベルで計画に対し進歩を反映している測定基準のセットへ集積することが可能です。
Info Tech社に対して責任があるプログラムマネージャが、製品を所有したので、Blackburn氏は、2つの別々の製品のためにプログラムレベルまでプロジェクトを含めるのを目的として最初の試験的開発プロジェクトからAgileEVMテクニックを拡大して使用しました。技術が最初に構成されてから二年で、彼は、輸送建設産業で使われている Appia® と Bid Express® プログラム全体に渡って拡大してメトリクスを使用した。それらのプログラムは、伝統的且つAgileなプロジェクト管理方法を混ぜ合わせて使用することによって、新しい開発から伝統的なメンテナンスまで、サポートからマーケティングプロジェクトまで、各々の製品のために製品ライフサイクルを意味しているプロジェクトを含みます。現在彼は製品に関連した全てのプロジェクトの費用効果を計測するために、各々のプログラム用の単純な測定基準を持っています。
出来高管理に価値管理に関する背景
出来高管理(EVM)は、広く認められたプロジェクト管理の技術です。それは、プロジェクトマネジメント協会(PMI)の、College of Performance Management(CPI)による研究対象であり、また、PMIより定期的に発行されている「プロジェクト・マネジメントの基礎知識体系ガイド(PMBOK)」の中に基礎知識として含まれています。EVMは、達成済みの仕事に対して、メトリクスを提供するために、技術的なパフォーマンス、スケジュール及び実際のコストの領域をまとめています。出来高(EV)を計画的な価値(PV)と比較することにより、プロジェクトに関する実際の進歩は、期待される進歩に対して比較されます。この情報を使って、費用効果性と予定効率を評価している測定基準は、計算されます。プロジェクト完了に期待されているコストと過去のプロジェクトパフォーマンスに基づくプロジェクトの期待される総コストを予測するメトリクスが引き出されます。
出来高管理でキーとなる用語を定義
(注意:EVMにおける価値(value)という用語はビジネスの価値(value)に言及しません。ここでの価値(value)は、プロジェクトやプログラム予算によって表された価値(value)を意味します)
出来高管理の用語 | 用語の定義 |
計画された価値(PV) | 予算に基づいて達成予定の仕事の価値(ドル又は時間毎の予算) |
得られた価値(EV) | ドル又は時間毎の予算に基づいて実際達成された仕事をまとめた価値 |
実コスト(AC) | 仕事が増加したために発生した実際のコスト |
完成の予算(BAC) | 仕事を完了するのに割り当てられた予算 |
完成への見積もり(ETC) | 過去のパフォーマンスに基づく、ドル又は時間毎の残りの仕事をやり遂げるのに必要な予測した値 |
完成への見積もり(EAC) | 過去のパフォーマンスに基づくプロジェクト計画のすべての仕事に要する予測された総量 |
Earned Value Metrics
メトリクス | 計算式 | メトリクス分析 |
計画された価値 | BAC * Planned Percent Complete | 計画的な価値は、どれくらいの価値が特定のマイルストーン又はポイントまでに発生する予定だったかについて示します。 |
得られた価値 | BAC * Actual Percent Complete | 得られた価値は、どれくらいの価値が特定のマイルストーンかポイントで実際に発生したかについて示します。 |
コストパフォーマンス指標(CPI) | EV/AC | この測定基準は、費やした全てのドルから何セント稼げたかについて示します。それは費用対効果を計ります。 |
スケジュールパフォーマンス指標(SPI) | PV/AC | この測定基準は効率を予定します。それは、あなたが計画された進捗率に対して、どれくらい速く進んでいるかについて示します。 |
完成への見積もり(ETC) | (BAC - EV)/CPI | この測定基準は、残りの仕事を完了するのに要する予測した量です。 |
完成への見積もり(EAC) | BAC / CPI Or AC + ETC |
トータルな計画された仕事のために予測したコスト |
これらの重要なメトリクスは、AgileEVMと伝統的なEVMは同じ測定項目です。測定項目を取得する方法のみ、適応されました。Agileは、ソフトウェア開発の人的側面を育てることと同様に、豊富なコラボレーションを使用して、完全に操作されテストされたシステムを頻繁に納品することを強調しています。アジャイルソフトウェア開発は、タイムリーな顧客と市場の要求に基づくプロジェクトライフサイクルの初期にビジネス価値を届けることに集中します。AgileEVMは、Scrumプロジェクトに関して特に進捗を測ったり予測する開発でした。他のAgileのメソッドでテクニックが有効なのに対して、AgileEVMは特に推定され且つ優先順位をつけられたバックログやスプリントの境界で測定したものというScrumの要素と共に機能します。
AgileEVM - Scrumへ向けて適応する
AgileEVMでは、ストーリーポイントが、計画された仕事や実行された仕事の基準として使用されます。このことは伝統的な出来高計算の全てに対して基礎を提供することです。その他の適応は、あらかじめ計算された、期待されるパーセントと実際のパーセントを変更することになっていました。AgileEVMにおいては、完全な期待されるパーセントは、予定のスプリントの総数によって、完全なスプリントの数を割ることにより導きだされます。 完全な実際のパーセントは、リリースのために計画されるストーリーポイントの総数で完成するストーリーポイントの数を割ることによって導きだされます。ストーリーポイントが、スプリントレベルの相対的なサイズの推定としてではなく、プロダクトバックログのレベルでAgileEVMに使われていていることに注意することは重要です。
AgileEVMで最初のベースラインを計算するために、5つのデータポイントが必要です。
- リリースの予定のスプリントの数
- 暦日の各々のスプリントの長さ
- リリースのために計画されたストーリーポイントの数
- リリースのために計画された予算
- プロジェクトのスタート日付
各々のスプリント境界線は、変更点を取り入れて再度ベースラインを決めたり、要するに計画にタスクが追加されたり、取り除かれたりすることや、得られた価値結果を再評価する計測ポイントとして確立されました。AgileEVMメトリクスを計算するのに、4つのデータポイントが必要です:
- 多くのスプリントが完了しました。予定されるスプリントの総数によって分けられるとき、これは完全な期待されるパーセントを計測します。
- ネットストーリーポイントが追加されました。これは、ストーリーポイントがリリースから削除されるならば、負の数でありえます。これは、リリース予定の仕事や、活動中のリリースのベースラインを再検討する増減分を反映します。我々が計測しちえる各々の境界線の日と定める実際のコストが発生し得ます。従って我々は、そのスプリント境界のコストとして、累積された実際のコストを使用します。
- 累積的なストーリーポイントは、そのスプリント境界線のリリースのために完了される仕事の総量を計測します。
2007年のAgileコンファレンスで発表された研究報告は、AgileEVMアプローチが有効であることを提供するものでした。報告書はそのAgileEVMが有効であることを断言しています。
- 軽量です。AgileEVMはすでに既存の作業測定基準にてこ入れしています。そして現在のプロセスに対してほとんどタスクを追加しません。
- 意思決定に必要なデータを提供することによって、価値をAgileチームと投資家に加えます。
- 原価は、実行することに効果的です。
- 少なくとも現在の方法と同じくらい正確です。この断定的且つ数学的な証明をレビューするために、http://solutionsiq.com/agile/ に掲載されているIEEEで発表された研究報告を批評して下さい。
AgileEVMの方程式
用語 | 詳細 |
完成の予算 (BAC) | 仕事を完成させるのに必要な予算 |
実コスト(AC) | 仕事を完成させるのに実際にかかったコスト |
計画されたリリースストーリーポイント | リリースまでの計画されたリリースストーリーポイント。ストーリーポイントは製品のバックログレベルから導き出される。 |
完成までの割合 (EPC) | 現在のスプリント(n) / 全ての計画されたスプリント |
実際に完成した割合 (APC) | 完成したストーリーポイント / 計画されたストーリーポイント |
計画された価値 (PV) | PV = BAC * EPC |
得られた価値 (EV) | EV = BAC * APC |
コストパフォーマンス指標 (CPI) | CPI = EV / AC |
スケジュールパフォーマンス指標(SPI) | CSPI = EV/PV |
著者について
Tamara Sulaimanさんは、SolutionsIQにてマネージングコンサルタントを務めおり、そこではチームのコーチングやScrumへの移行を組織化することに集中しています。Tamaraさんは、ビジネス管理とソフトウェア開発における15年以上の経験をこの仕事に齎しています。また彼女は公認のScrumトレーナー(CST)であり且つPMP資格も取得しています。2003年以降、Tamaraさんは、ScrumMaster又はAgileコーチとして、チームがAgileメソッドへ移行するのを援助しました。彼女はマネージングコンサルタント、ScrumMasterそしてプロジェクトマネージャーとして、ソフトウェアの効果的なデリバリーを通し、投資家と顧客に価値を提供することに集中しています。
Tamaraさんは、AgileEVMに関する記事の著者を発表しました。またオリジナルの研究報告である「AgileEVM - Earned Value Management」の共著者でもあります。彼女は、出来高管理という伝統的なプロジェクトマネージメントプラクティスとScrumのフレームワークを統合するAgileEVMの資料とプロセスの共同発信者です。Tamaraさんは、現在プログラムとポートフォリオレベルで、ScrumとAgileに集中しています。またプロジェクトやポートフォリオの健康状態を評価するために、「ダッシュボード」フォーマットで良質で財政的なメトリクスをまとめています。
原文はこちらです:http://www.infoq.com/articles/agile-evm
このArticleは2007年10月5日に原文が掲載されました)