Scrum.orgのアジャイルコーチであり、プロのスクラムマスタ(PST)であるlIlya Pavlichenko氏がスクラムマスタやアジャイルコーチ、トレーナーにとって感情カードは便利な道具だと説明している。感情カードとは、一揃えのカードのセットであり、怒りや不安、混乱、幸せ、悲しみ、驚き、疲れや心配などの一般的な感情を表している。
人間の感情を表すカードや写真はトレーナーや教師の間では人気のツールです。言語を勉強したり、自閉症の患者に治療に使われています。
Assurity Consulting LtdのコンサルティングマネージャであるEdwin Dando氏は、個人の感情はチームに影響を与えるとブログで書いている。それゆえ、感情はプロダクトの影響を与えることになる。したがって、アジャイルプロジェクトではリーダーシップが重要な役割を果たす。リーダーの役割は日々の行動の中で価値を示すことだ。
lIlya氏はスクラムでの感情カードの使い方としては次のようなものがあり得る。
- 始めに、現在の感情を最も正確に表すカードをひとりずつ選んでもらう。
- お互いをよく知ってもらうのに使う。
- ミーティングのトピックを理解するのに使う。
- リーダーシップの役割を理解するのに使う。
- 目的や機会、活用できるリソース、将来のステップなどを正確に表現するカードを選んでもらうことでコーチングするのに使う。
- フィードバックに使う。
- 共通のビジョンやチームや企業の未来を示すイメージを議論するのに使う。
- チームの過去のスプリントからの気持ちや感情を最も正確に表すカードを選択して、振り返りミーティングで活用する。
Niko Nikoカレンダーを使ってスプリントの間のチームの気分を追跡しているスクラムチームもある。チームはカレンダーを部屋の壁に貼る。カレンダーの形式であることで、チームは雰囲気の変化の推移を視覚的に把握できる。カレンダーはチームの雰囲気の変化のパターンを明らかにする。これによって、得られる点はNiko Nikoのブログで紹介されている。
プロジェクトが終わった後に振り返るチームの場合、特定の段階の状況を把握するのに便利です。プロジェクト全体の傾向も把握できます。マネジメントにとっては、特定の従業員やグループがどのように感じているかを把握し、早い段階で警告を発して、マネージャが介入したり、チームのメンバと個別にミーティングをすることができます。
lIlya氏は自身のトレーニングに感情カードを使っている。次は氏のトレーニングや振り返りでのカードの使い方だ。
- 今の感情を表すカードをひとつ選択する。
- ミーティングの結果を踏まえた感情を表すイメージをひとつ選ぶ。
- 自分の感情を次のグループの参加者に渡すためのカードをひとつ選ぶ。
lIlya氏はブログで、感情的フリップチャートの使い方を書いている。氏はミーティングの際、フリップチャートを持ち出し、6つの基本的な人間の感情、幸せ、驚き、啓発、悲しみ、怒り、嫌気を示す。壁にチャートを掛け、参加者に先週や先月に発生したこれらの感情に関連する出来事について思い出してもらい、その話を同僚と共有させる。何が悲しみを生んだのか。いつ啓発されたと思ったのか。何が幸せを作ったのか。
感情カードについてはA Scrum Master's Practical Toolboxという本で詳しく取り上げられている。Ilia Pavlichenko氏、Sergey Dmitriev氏、Alexey Pikulev氏の著書だ。