初めのレビューで、新たにJavaベースAPIを必要とするUIとバックエンドを開発するレガシーチームの部門があったことから、GWTを評価の対象から除外した。さらに、DWRについても、T. Rowe Priceで評価に使用したWebsphereアプリケーションサーバのバージョンでは、パッチが必要であったことから除外した。この結果、Dojo、Prototype、Yahoo UIの評価を行うことになった。
- Dojo 0.3.1 (dojotoolkit.org).
- Prototype and Scriptaculous 1.4 (www.prototypejs.org and script.aculo.us).
- Direct Web Reporting 1.0 (getahead.org/dwr).
- Yahoo! User Interface Library 0.11.1 (developer.yahoo.com/yui).
- Google Web Toolkit 1.0 (code.google.com/webtoolkit).
それぞれのフレームワークが、タブベースのAjaxの画面コンポーネントと動的に表示/非表示が切り替わるタイトルバーのついたハブコンポーネント(※1)を作成するのに必要となるものが十分に満たされているか、というケーススタディを行った。3つのフレームワーク全てがタブ画面に求められる機能を満たしていたが、特にDojoに関しては、型にとらわれず一番良いものを提供していた。T. Rowe Priceチームは、次にロード時間の評価を行った。
フレームワークがよりコンパクトなサイズであれば、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。JavaScriptファイル全てを圧縮したサイズは、Yahoo UIが22K、Prototypeが32Kであり、Dojo単体でのファイルサイズだけで200Kもあることから比べると、とてもサイズが小さいと言えます。3つのライブラリ全てが、高帯域のネットワーク接続でスムーズに動作しますが、YUIとPrototype/Scriptaculous prototypesについては、56Kのダイアルアップ接続でも快適に動作しました。
最後に、T. Rowe Priceチームは、開発のしやすさについて評価した。Dojoについては、画面コンポーネントなど良いものを提供しているが、修正の際にいくつものファイルを修正しなければならないという点で、メンテナンスの面では難があるという意見で一致した。最終的には、YahooのWebサイトにコードを解説したドキュメントや詳細なチュートリアルが十分にあるという点で、Yahoo UIが一番に選ばれた。
(原文は2007年5月3日にリリースされました)