Ajaxに始まり、Silverlight、Apollo、AIR(Adobe Integrated Runtime)、Flex、Flash、JavaFX、OpenLaszloまで、リッチインターネットアプリケーションは、ここ最近、全ての人が話題にするようになったように思われる。各ベンダーは、注目を浴びようと競い合い、開発者は、RIA開発に「適した」技術を選択しようとしている。
そういった周囲の雑音や戸惑いによって、各リッチインターネットアプリケーションの差異について議論する際に、何が重要であるのかという現状の事実を見失いがちである。RIAをどのように設計するのかに関する考え方は、それぞれ異なっており、Chris Messina氏の「Mozillaについて考える」や、Brendan Eich氏の新しいテクノロジーがMicrosoftやAdobeによって提供されているという見解を述べているOpen Webに関する記事など様々な考えがある。
Simon Morris氏は、リッチインターネットアプリケーションにおける独自の分類法によって、RIAの中の3つの異なる勢力を解体してみた。
「ブラウザ主義」は、webブラウザ(若しくは、それに見合うページセントリック、マークアップ指向、HTTPベースのミドルウェアプラットフォーム)が、将来、エンドユーザが直接触れるソフトウェアであると考えているものです。その考えの中には、単にWebが現在のところインターネットにアクセスするための有力なツールであるという意見がベースとなっているだけというものもあります。
「新デスクトップ主義」は、エンドユーザが直接触れるアプリケーションプラットフォームとしてのWebブラウザが、最終的にはどこかで落ち着くだろうと考えているものです。「新デスクトップ主義」のゴールは、従来のデスクトップアプリケーション技術(Javaで言えば、SwingやAWTがまずあげられますが、JRE自身もそれに含みます)を発展させ、物理的なローカルクライアントのインストール作業をなくし、Webページのように要求に応じて配備されるというところにポイントをおいています。
「実利的新デスクトップ主義」は、エンドユーザが直接触れるアプリケーションプラットフォームとしてのWebブラウザが、最終的にはどこかで落ち着くだろうと思ってはいるものの、一旦変わり始めると、今までのものが全てお払い箱になるだろうと考えているものです。
さて、実際は、これら3つの主要陣営が、リッチインターネットアプリケーション技術の領域の中にいるのである。Simon氏は、彼が良いと思っている考え方を、次のとおり説明している。
私が思うに、望ましいリッチインターネットアプリケーションというのは、現在のインターネットアプリケーションではない、リッチアプリケーションプラットフォーム(つまり、通常のデスクトップアプリケーション技術)が、誰かのハードディスクドライブ上というのではなく、「サイバースペース」での利用を可能にするというところに変わってゆくことで、そこに到達するものだと思います。たとえ、今なお先人の機能的でリッチなユーザーインターフェーステクニックの全てが保たれていたとしてもです。
Will Hartung氏は、これらの陣営の境界線が、幾分はっきりしないところがあると指摘している。
Simon氏の話を、少しばかり混乱させることになってしまいますが、Thunderbirdはどうなるのでしょうか?それは、「ブラウザ主義」なのでしょうか?若しくは「新デスクトップ主義」なのでしょうか?巨大なThunderbirdの大半は、Javascriptで書かれています。しかし、包括的なゴールは、一歩進んで、より良いクライアントアプリケーションを作成し、ヘッドレスシステムとなり得るようにリファクタされたThunderbird(そして、Firefox)の背後で動作するランタイムを得ることにあります。
リッチインターネットアプリケーションの頂点に立ち、主要なものとなるのはどれだろうか?将来、私たちがアプリケーションを構築する際の手法となって生き残るのは、どの技術やアーキテクチャーだと思うだろうか?
私たちは、ここInfoQにて、読者が今後の展開を知ることが出来るように、継続的な情報の展開を心がけていく。
(原文は2007年6月20日にリリースされました)