理由の1つは、モジュラー・デザインとRubiniusがその内部を公開する方法にある。Rubiniusはintrospectionをずっと行うので、一役買うことを試みる新しい開発者にはうってつけでる。obj.methods(オブジェクトのpublicなインスタンスメソッドを一覧表示する)のようなメソッドを使用して、Rubyのクラスを調べるなんてことはRubyにとって既に当然のように出来てしまうことであり、珍しくも何ともない。Rubiniusは、Rubyの抽象構文木(AST)へのアクセス提供によって一歩先へ行っている。Rubiniusはシンボルとネストされたリストを使用して表現するParseTree(source)を使用している。例えば、
puts "Hello, Rubinius. You rock my world!"上記のコードは以下のように表される。
[:fcall, :puts, [:array, [:str, "Hello, Rubinius. You rock my world!", 0]]]これがLISPやSchemeに似ていても、偶然ではない。その表現はS式と呼ばれている。そして、S式はLISPやSchemeが自身のコードを表現する方法でもある。
このようにASTを表す利点は、メモリ内でリンクされたオブジェクトから成るデータ構造を解釈するよりも、ASTを解釈する方が簡単であるという点である。
これはASTを生成するとなるとより一層明らかになる。例をあげるとすればASTを使用したテストケースなどを生成すると一層利点が明らかになる。
ParseTreeを学んでおくとRubiniusの開発に役立つ。2、3三のツールは、既にParseTreeに基づいている。Ruby2Ruby(source)はParseTreeのASTを解釈し、それをRubyのソースコードに変換する。このことは実行時生成のRubyコードを調査するのに役立つ。Flog(source)はコードを分析する新しいツールである。Ruby2C(source)またはHeckle(source)のようにParseTreeに基づく他のツールも、同様に複数の分析機能を持っている。ParseTreeを使用しているもう一つのツールはAmbition(参考記事)である。Ambitionはデータベースと他のクエリを生成するためにRubyコードのParseTree表現を使う方法である。
Brian Ford氏はParseTreeを出力させるようなRubiniusの内部構造を議論している(source)。Rubiniusコードとそのコードの基礎をなすバイトコードに対するParseTree ASTsを考察するツールは話題の一つである。このことによって新しいRubinius開発者は、外側が保護されたまま影響を受けにくいこと、又はRubyのソースが実行に際して変換されるということが理解出来る。より多くのそして更新された詳細とコマンドラインオプションが、Rubinius WikiのCommand line options(サイト・英語)という欄で見つかる。
現在Rubiniusコードを読むのに興味がある人に対して、Sam Aaron氏はMac OS XでRubiniusを始めるための説明書とリンクのリストをまとめている(source)。
新しい開発者が問題に感じる点があるとしたら、それはRubiniusが使用するソースコード管理(SCM)システムだろう。開発チームはしばらくの間Subversionを使った後、最近Gitに乗り換えた。Git(サイト・英語) は分散ソースコード管理システムである。当初はLinuxカーネル開発用にLinus Torvalds氏が開発したが、今では数多くのプロジェクトがGitを使用している。分散ソースコード管理システムの人気が上がってきている(source)。ブランチを作ることを促進し、ソースコードに対して容易にアイデアを試すための実験を取り入れることが出来る。
Rubiniusの開発を始めるために、RubiniusWebサイトに掲載されているUsing Gitページ(サイト・英語)を参照してほしい。 Sam Aaron氏が指摘するように(source)、一旦Rubiniusをチェックアウトしたら、Gitを使用してRubiniusの開発についていくのは簡単なのだ。
あなたのRubiniusディレクトリに向かって、以下のコマンドを実行してほしい。
Head to your Rubinius directory and utter forth the following:原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2007/09/rubinius-dev
git pull ; rake build